アパート投資のリスク8種類の回避・対策方法を分かりやすく解説!
株式投資やFX投資などに比べてリスクが低いアパート投資ですが、それでもやはり「リスクが心配」と感じている方は少なくないようです。
しかしアパート投資のリスクは、内容を理解し適切な対応をすることで損失を最小に抑えることも可能です。
そこで当記事では、アパート投資における主なリスク8つをそれぞれの種類ごとに回避・対策方法を詳しく紹介します。ぜひ参考にしてください。
アパート投資の代表的な8種類のリスクと回避・対策方法

アパート投資にはどのような種類のリスクがあるのでしょうか。
ここでは、アパート投資における代表的な8つのリスクをそれぞれの種類ごとに回避や対策方法について紹介します。
①空室リスク
「空室リスク」とは、なんらかの原因でアパートに空室が生じるリスクを言います。
アパート投資の主な収入源は、毎月入居者が支払う賃料です。
入居者が決まらず、空室状態になると賃料を得られず収入が減少してしまいます。
特に空室期間が長引いたり、空室が増えたりすると想定した収入を大きく下回り、ローンの返済にも影響が及ぶおそれもあるため注意が必要です。
したがって、安定した賃料を得るためには空室リスクを回避したり、対策を行ったりすることが欠かせません。
空室リスクの主な回避・対策方法には、以下の4点が挙げられます。
立地の良い物件を選ぶ
まず、アパート投資で最も重要となるのがアパートの立地です。
アパート投資の成否は立地で決まると言っても過言ではありません。
人気のエリアで駅から近いなど、賃貸需要が高い好立地の物件を選びましょう。
好立地物件であれば、ある程度築年数が経っても安定した賃貸需要が期待できます。
ただし、立地が良くても近隣エリアに同じような間取りのアパートが多いと供給過多になり、入居者を獲得できず空室につながるおそれがあるため注意しましょう。
設備を充実させる
アパートの設備にも注目しましょう。
特に入居者ニーズの高い設備が導入されているアパートは入居者から選ばれやすくなります。
なお、どういった設備を導入するかはターゲットにする入居者層によって異なります。
たとえば、一人暮らしの女性をターゲットにするのであれば、防犯カメラやモニター付きインターホンの設置など、セキュリティ面を強化することで、ターゲット層の入居者を獲得しやすくなります。
最新のトレンド設備などを参考にして、入居者ニーズの高い設備を検討しましょう。
優秀な賃貸管理会社を選ぶ
アパートの入居者募集や管理を外部に委託する場合は管理会社選びも重要です。
アパートの立地が良く設備が整っていても、管理会社の集客力が弱くては入居者を獲得できず賃料を得ることができません。
またアパートの管理についても、共用部の清掃が不十分な場合、内見時の入居希望者から敬遠されやすくなるため注意が必要です。
そのため管理会社を選ぶ際は、管理会社が公表している管理物件の入居率や顧客満足度・リピート率などを参考にして、しっかり選ぶことが重要です。
適切な修繕を行う
アパートの建物は経年によって劣化するのが一般的です。
老朽化したアパートは建物の外壁にひび割れが生じたり、室内の設備(トイレや風呂など)の汚れが目立ったり、新築・築浅の物件と比較すると入居者が集まりにくくなるため空室の増加が懸念されます。
経年劣化による空室リスクを防ぐには、適切な修繕を行う必要があります。
外壁の塗装や屋根の葺き替えなど大規模修繕をはじめ、設備の交換などを計画的に行うことで、空室の増加を抑えることにつながります
関連記事:アパート投資の空室リスクの原因と効果的な空室対策方法を解説!
関連記事:アパート投資の空室率の目安はどのくらい?計算方法や対策方法を解説
②家賃滞納リスク
「家賃滞納リスク」は、入居者がいるにもかかわらず、賃料が支払われないため収入が減少するリスクです。
しかも滞納された家賃は会計上では未収金として扱われるため、税金の支払い対象となってしまい、より負担が大きくなるため注意が必要です。
しかも、入居者の権利は借地借家法によって保護されているため、家賃を滞納したからといって入居者を即退去させることもできません。
家賃を滞納した入居者を退去させるためには、督促や交渉・裁判が必要となるため、時間や費用がかかります。
そのため家賃滞納リスクは発生してから対処するのが非常に困難であるため、できるだけ発生させないようにすることが大事です。
具体的には、入居者と賃貸借契約を結ぶ際に家賃保証会社と契約してもらうことです。
家賃保証会社は、入居者が家賃を滞納した場合、入居者に代わって保証会社が家賃を支払ってくれます。
また、その後の家賃の督促や立ち退きの訴訟費用などを負担してくれるため、大家さんの負担を大幅に軽減できるためおすすめです。
関連記事:家賃滞納者を強制退去させるための流れや費用、未然に防ぐ方法を解説
③修繕リスク
安定したアパート投資をおこなうためには、建物や設備の修繕が欠かせません。
しかしアパートの修繕には費用がかかり、これを「修繕リスク」と言います。
修繕リスクは、築10年~15年周期で行う「大規模修繕費用」や入居者が退去後に行う「室内リフォーム(原状回復)費用」のほか、台風や地震などで損壊した部分の修繕費などさまざまです。
特に大規模修繕費は、外壁の塗装や屋根の葺き替え、各種設備の交換などが行われるため高額の費用が必要です。
アパートの規模にもよりますが、数百万円以上の修繕費が必要になるケースもめずらしくないため、高額の出費に耐えられるよう「大規模修繕積立」を行うなど、あらかじめ必要な費用を蓄えておくことが大事です。
なお、大規模修繕を避けることはできませんが、こまめに建物や設備のメンテナンスを行い、損傷が軽微なうちに修繕することで、大規模修繕までの期間を延ばすことは可能です。
関連記事:アパート投資で修繕積立金が重要な理由!必要箇所と目安額も紹介
関連記事:アパート投資にかかる修繕費の種類と目安を解説!費用を抑えるには?
④災害リスク
アパート投資をおこなううえで、火災や地震、台風による風水害による「災害リスク」に備えることは非常に重要です。
災害によって建物が損傷すると修繕費が必要になるだけでなく、最悪の場合は賃貸経営が継続できなくなるおそれもあるため注意が必要です。
特に自然災害は、いつどこで発生するか予想がつかないため、万が一に備えて、火災保険や地震保険に加入することをおすすめします。
なお、地震保険は単体で加入することはできないため、かならず火災保険に加入する必要があります。
また物件を選ぶ際は、そのエリアのハザードマップや地盤の強度などを確認しましょう。
地震に関しては、震度6強・7に耐えることを想定して作られた「新耐震基準」の建物を選ぶことで倒壊による被害を軽減することにつながります。
関連記事:不動産投資の保険を解説!生命保険代わりになる?火災保険や特約も!
⑤金利上昇リスク
「金利上昇リスク」は、アパートを建築・購入する際に組んだローンの金利が上昇することで、毎月のローン返済額が増加するリスクです。
アパート投資を始めるにあたって、金融機関から物件の購入費用はローンを利用するのが一般的です。
その際、ローンの金利は「固定金利型」「変動金利型」のいずれかを選択しますが、金利上昇リスクの対象となるのは、変動金利型を選んだ場合になります。
たとえば、1億円のローンを変動金利型で組んだ場合、金利が1%上昇すると年間のローン返済額が100万円上昇することになります。
金利上昇リスク対策には、以下のような方法が考えられます。
◦固定金利を選ぶ
固定金利は、ローンの借入期間内の金利が固定されるため、金利変動の影響を受けません。
ただし、固定金利は変動金利よりも金利が高く設定されているため注意が必要です。
関連記事:金利上昇リスクは不動産投資にどう影響するのか?対策方法も解説!
⑥流動性リスク
アパートやマンションなど不動産は、株式やFXなどに比べて現金化するまでに時間がかかるため、「流動性リスク」が高い資産であると言われています。
株式や外貨などは比較的簡単に売買をおこなえるため、現金が必要になれば売却することが可能です。
しかし、不動産を売却し現金化するまでに数ヶ月~半年以上かかるケースも少なくありません。
特に一棟アパートは価格が高いため、区分マンションと比較すると買い手が見つかりにくいというデメリットがあります。
また物件を売りたくても買い手が見つからない場合も少なくなく、買い手が現れても希望額で売却できるとはかぎりません。
特に赤字物件の場合は、売却できずにどんどん損失が増えていくケースも多いです。
アパート投資で流動性リスクを回避するためには、物件を購入する段階で売却しやすい(流動性が高い)かどうかを念頭において選ぶことが大事です。
一般的に地方の不動産よりも、人口が多い都市部の物件のほうが売買活動は活発です。
また賃貸需要のある立地や資産価値が落ちづらい立地を選ぶことで、流動性リスクを軽減させることにつながります。
⑦管理会社の倒産リスク(管理会社の質・対応力)
「管理会社の倒産リスク」は、アパートの管理を委託している管理会社やサブリース会社が倒産することでアパート投資に支障が出るリスクのことです。
万が一管理会社が倒産してしまうと、家賃の回収が滞ったり、建物の清掃や修繕が行われなかったり、入居者クレームの対応が疎かになったり、さまざまなデメリットにつながります。
特に家賃や敷金などを管理会社に預けている場合、管理会社が倒産してしまうと回収できなくなるおそれもあるため注意が必要です。
また委託していた管理会社が倒産した場合、自主管理に切り替えたり、ほかの管理会社を探したりしなければならず、時間や手間がかかります。
管理会社の倒産リスクを避けるためには、管理面の信頼だけでなく、経営状態が安定している管理会社を選ぶことが大事です。
可能であれば、管理会社の財務状況を確認するとよいでしょう。
また、委託中の管理会社で徴収している毎月の家賃や新規入居者から預かった敷金などが、滞りなく大家さんに送金されているか確認することも、管理会社の倒産リスクを回避する指標になります。
関連記事:不動産投資を成功させる不動産管理会社の選び方!管理業務内容を解説
⑧法的リスク
「法的リスク」とは、アパート投資をはじめ、不動産投資に関する契約上のトラブルや違反などによる賠償請求や罰則の対象になるリスクを指します。
主な法的トラブルの例には以下のようなケースがあります。
◦賃貸借契約書や不動産売買契約書の法的不備による、裁判や損害賠償請求されるリスク
◦ローン契約違反の発覚による一括返済の請求されるリスク(返済できない場合は、資産の差し押さえに至る場合もある)
◦建築基準法や税法など法改正に未対応だった場合、意図せずとも違法状態になったり、税負担が増加したりするリスク
◦ 建築基準法や消防法など各種法令を遵守していない場合、行政指導や是正勧告、罰則の対象となるリスク
中でも個人のアパート投資家が注意したいのが、財務関連のリスクです。
アパート投資を行ううえで、経費計上や税金についての認識が誤っている場合、収益面で損をしたり、確定申告で経費を認められなかったりといったデメリットにつながります。
法的リスクを回避するためには、まめに不動産関連の法規制に関する情報収集を行い、適切な対応をとることが大事です。
また、財務関連のリスクを避けるためには、経費や税金の知識を身に付けるとよいでしょう。
ただし、不動産関連の法律や税制は複雑な部分も多いため、自分自身で理解できない場合は、弁護士や税理士など、専門家に相談することをおすすめします。
アパート投資を始める前にできるリスク軽減方法

前述したように、アパート投資には複数のリスクがありますが、いずれのリスクも内容を理解したうえで適切な対策を行うことで、損失を最小に抑えることにつながります。
さらにアパート投資のリスクは、事前に対策を行うことも可能です。
ここではアパート投資を始める前にできるリスク対策方法を紹介します。
物件を選ぶ際はかならず現地確認を行う
アパート投資で物件を選ぶ際は、かならず現地確認を行いましょう。
現地確認を行う際は、以下のポイントをチェックしましょう。
◦建物の外壁や共用部の管理状況:外壁に傷みはないか、共用部は清潔か など
◦物件の設備などの状態:入居者ニーズの高い設備が導入されているか、故障個所はないか など
◦物件の立地:駅からの徒歩時間は正しいか、物件までのルートに危険な個所はないか など
◦周辺環境:スーパーやコンビニ、飲食店、銀行・郵便局、病院、学校・幼稚園 など
アパートの建物や立地はもちろん、入居者の立場で周辺環境や地域の情報なども実際に歩いて確認してみましょう。
近くに嫌悪施設(墓地や斎場、大きな音や悪臭を発する工場など)がある場合は特に要チェックです。
可能であれば、朝・夕方・夜のように時間帯を変えて現地調査を行うことで、その物件のメリットやデメリットをつかむことができるでしょう。
たとえば、駅から近い場合は電車の走行音や繁華街の騒音が気にならないか、夜間歩く際に街灯は十分かなどを確認することで、入居者が選ばれやすい物件かどうかを判断する指標となります。
手元に資金を残しておく
アパート投資を始める際は、かならず収支シミュレーションを行いますが、かならずしもシミュレーション通りに進むかというとそうではありません。
たとえば、設備が故障して突発的な修繕費が必要になったり、想定した以上に空室期間が長くなることで家賃収入が減少したり、キャッシュフローが悪化する場合もあるでしょう。
キャッシュフローが悪化によりローン返済が困難になった場合、手元の余剰金(貯蓄やそのほかの収入)から不足分を持ち出ししなくてはなりません。
こういった一時的なキャッシュフローの悪化に備えて、かならず手元にある程度の現金を残しておくと安心です。
もし手元に現金がない場合はローンの返済が滞るおそれもあるため注意しましょう。
安定したアパート投資を行うためにも、突発的な支出や家賃収入の減少に備えて、余剰の資金を含めて、しっかりと資金計画を立てておく必要があります。
まとめ
アパート投資における主なリスク8つについて、それぞれの種類ごとに回避・対策方法を紹介しました。
株式投資やFX投資と比較すると、アパート投資のリスクは回避や対策できるケースも多く、適切に行えば損失を最小に抑えることも可能です。
安定したアパート投資を行うためも、当記事を参考にリスクの種類と内容を理解し、適切に対応してみてください。