アパート投資が副業禁止の会社にばれるとどうなる?ばれる原因を解説
アパート投資は副業禁止の会社であっても、容認されやすいというのは本当でしょうか。
たしかにアパート投資を始めとする不動産投資は、副業禁止の会社でも認められるケースがあります。
しかし、副業が禁止かどうかは企業によって異なり、アパート投資を行っていることが会社にばれるとペナルティの対象になる場合もあるため注意が必要です。
そこで今回は、アパート投資が会社にばれる原因やばれない方法について解説します。
また会社員がアパート投資に向いている理由も解説しているので、ぜひ参考にしてください。
そもそも会社員のアパート投資は副業になるの?

結論から言うと、副業を禁止している会社であっても、「アパート投資(不動産投資)は副業にあたらない」とみなしている場合が多いです。
そもそも、会社が従業員の副業を禁止する主な理由は、以下の2点です。
◦同業種間で副業した場合の情報漏洩のリスクがあるため
◦副業することで本業のパフォーマンスが低下し、支障が生じるリスクがあるため
たしかに、同業種の会社で副業をした場合、機密情報が漏えいし、会社に損失が生じるおそれがあります。
また、副業を行うのは本業の就業時間外(退勤後やと土日・祝日など)となり、本来であれば体を休めるところ、副業をおこなうことで心身の疲れが蓄積し、その結果本業が疎かになってしまう場合も考えられるでしょう。
しかし、アパート投資は以下の理由から「副業にはあたらない」とする会社が多いのです。
【アパート投資が副業にあたらないとする3つの理由】
1:相続など、やむを得ない理由でアパート投資を始めるケースがあるため
2:管理業務を委託できるため、本業に支障が生じにくい場合が多いため
3:資産運用とみなされるため
相続や贈与によって取得した不動産の活用方法としてアパート投資を選択するケースは意外と少なくありません。
そのため「やむを得ない事情」として、アパート投資を認める会社が多いのです。
また、アパート投資はアパートの管理業務全般を外部に委託できるため、アパートの所有者が自主管理する必要はほとんどなく、本業に支障が生じにくいという特徴があります。
最後は、アパート投資は資産運用としてみなされる可能性が高く、結果的に「副業にはあたらない」と判断する会社が多いのです。
しかし、上記の判断は会社によって異なります。
場合によっては、アパート投資も禁止されている場合もあるため、勤務先企業の就業規則をかならず確認しましょう。
関連記事:アパート投資は副業になる?サラリーマン大家の注意点を解説!
関連記事:サラリーマンが銀行の不動産投資ローンを利用する際の注意点を解説
なお、公務員の場合は民間の企業とは異なり、「公務員法」によって副業は原則禁止されています。
アパート投資は副業にはあたらないとみなされていても、職場によっては事前申告や許可が必要になる場合もあります。
そのため公務員がアパート投資を行う際は、かならず上司や担当部署に相談してみることをおすすめします。
関連記事:公務員が不動産投資で副収入を得る方法!メリットや注意点を解説
また民間企業であっても、銀行や証券会社に勤務している場合、職務上インサイダー情報(未公表の会社情報)に抵触するおそれがあるため、投資に関する規制が細かく定められている場合が多いです。
不動産投資についてもなんらかの規制がかけられている場合もあるので、アパート投資を始める際は、かならず会社側に詳細を確認することをおすすめします。
アパート投資が副業とみなされるケースとは
先に述べたように、アパート投資は副業にあたらないとする会社は多いです。
しかし、アパート投資が一定の規模を超えていたり、不動産収入が一定額以上だったりする場合は副業として扱われるケースもあるため注意が必要です。
【アパート投資が副業として扱われるケースの例】
◦不動産投資物件が5棟10室を超えている場合
◦家賃収入が年間500万円以上の場合
◦投資対象が旅館やホテル、娯楽施設などの場合
投資物件が5棟10室(戸建てなどがおおむね5棟以上、またはアパートなどの部屋数がおおむね10室以上)の場合は「事業的規模」とみなされるため、アパート投資であっても副業として扱われる場合があります。
ただし、副業かどうかの判断は各会社の規定によって異なります。
また上記以外にも副業扱いになるケースもあるため、アパート投資を行う際はかならず勤務先のルールを確認しておきましょう。
アパート投資が会社にばれるのはなぜ?

「こっそりとアパート投資していたのに、なぜか会社にばれてしまった」
実は、本人はアパート投資を秘密にしているつもりでも、場合によってはばれてしまうケースもあります。
ここでは、アパート投資が会社にばれる原因を紹介します。
住民税額が変わることで会社にばれるケース
会社員がアパート投資を行った場合、年間の「不動産所得」が20万円を超えると確定申告が必要になります。
確定申告を行うと、所得税だけでなく住民税の額も変わりますが、税務署から居住する市区町村にて、申告内容に基づいて住民税額が計算されます。
ここで注意したいのが、確定申告で住民税を納める方法です。
確定申告で住民税を納めるには、「普通徴収」と「特別徴収」の2種類があり、普通徴収の場合、住民税は直接申告者に請求されるため、郵送される納付書に従って期日内に納税をおこないます。
特別徴収を選んだ場合は、勤務先が直接住民税を給与から天引きして代わりに納付してくれます。
つまり、確定申告時に特別徴収を選択した場合、会社側は住民税の追加(または還付)があることから、給与以外の所得があることを把握できるのです。
アパート投資にかぎらず副収入があることがばれたくない場合は、確定申告の際に特別徴収ではなく、普通徴収を選択するとよいでしょう。
なお、そもそも確定申告をしなければアパート投資による収入がばれないと考える方もいるかもしれませんが、不動産所得が20万円を超えた場合は確定申告を行わなくてはなりません。
もし不動産所得が20万円を超えているにもかかわらず確定申告をしなかった場合、納税義務を怠ったとして延滞金や追徴税など、ペナルティの対象となるので注意が必要です。
法人化したことで会社にばれるケース
アパート投資による所得(不動産所得)が大きくなった場合、税制上の優遇を受けるために法人化を検討する方もいるでしょう。
しかし、アパート投資を法人化した場合、以下のような理由で会社にアパート投資がばれやすくなるため注意が必要です。
【法人化することで会社にアパート投資がばれやすくなる理由】
◦役員給与で住民税が変化する
◦社会保険の徴収額が変化する
◦登記簿謄本に所在地が記録される
個人でアパート投資を行った場合、確定申告では不動産所得を申告しますが、法人化した場合は役員給与として報酬を受け取ることになります。
不動産所得の場合、住民税の支払い方法のうち普通徴収を選び自分で住民税を納付できるため、アパート投資による副収入の存在が会社にばれる可能性は低いです。
しかし、法人化で受け取る役員給与は普通徴収を選べないため、住民税は勤務先の給与から天引きされてしまうため、副収入があることがばれやすくなるのです。
また所得が増えた場合は徴収される社会保険料も変わり、勤務先と設立した法人の両方で所得を合算し案分します。
その場合、年金事務所が勤務先に問い合わせることで会社にばれる可能性があることを覚えておきましょう。
このようにアパート経営を法人化すると、副収入の存在が会社にばれる可能性が高くなります。
どうしても会社にばれたくない場合は、自宅の住所と法人の所在地を別にしたり、家族の名前で役員給与を支払って自分自身では受け取らなかったりといった対策が必要です。
SNSや雑談から会社にばれるケース
SNSでアパート投資に関する発信から会社にばれる場合があります。
実名のアカウントはもちろんですが、匿名アカウントであっても、なんらかの表紙に特定される可能性があるため注意が必要です。
また単なる雑談からアパート投資が会社にばれるケースもあります。
ほんの一言が噂になり広まる場合もあるため、アパート投資をおこなっていることを知られたくなければ発現に気を付けましょう。
マイナンバーから会社にばれることはない
会社勤めの従業員は原則として勤務先にマイナンバーを提出する必要があります。
しかし、会社が従業員のマイナンバーで取得できる情報の範囲は法律で定められています。そのため、給与以外の収入があっても、マイナンバーから会社にばれることはありません。
アパート投資が会社にばれるとどうなる?

前述したように、アパート投資を始めとした不動産投資は副業とみなさないとする会社が多く、副業禁止の会社でも不動産投資はしかるべき手続きさえ行えば認められる場合もあります。
ただし、就業規則によって副業を禁止にしている会社によっては、それに違反した場合は減給や降格などのペナルティの対象になったり、最悪の場合は懲戒解雇の対象となったりする可能性もあるため注意が必要です。
特にアパート投資の規模が大きい(不動産投資物件が5棟10室を超えている)場合や年間500万円以上の家賃収入がある場合は、副業とみなされるケースがあります。
また副業が認められている会社であっても、アパート投資で本業に支障が出てしまっては本末転倒です。
アパートの管理は自主管理ではなく管理会社に委託するなどして、できるだけアパート投資の負担を軽減するとよいでしょう。
アパート投資が会社にばれることを不安に感じる場合は、あらかじめ会社の規定やルールを確認しておくと安心です。
アパート投資が会社員におすすめの理由

一般的に、「アパート投資は会社員に向いている」と言われていますが、それはなぜなのでしょうか。
ここでは、会社員がアパート投資に向いている理由について解説します。
会社員は金融機関の融資を受けやすい
安定した収入がある会社員は信用度が高く、金融機関から融資を受けやすいです。
アパート投資を始めるにあたって、物件の購入費用は金融機関から融資(不動産投資ローン・アパートローン)を受けるのが一般的です。
しかし金融機関から融資を受けるためには融資審査(ローン審査)を通過しなくてはなりません。
会社員は会社で働くことで毎月安定した収入を得られるため、金融機関側から見ると貸し倒れのリスクが少なく、融資審査に通りやすいというメリットがあるのです。
なお、融資審査の通りやすさは、勤務先の会社の安定性や年収、勤続年数などによって変わります。
金融機関は融資審査の基準を明らかにしていませんが、勤め先が大手企業や有名企業・高年収・勤続年数が長い正社員などの条件を満たす方が融資審査の際に有利と言われています。
また倒産リスクの少ない公務員も、融資審査では有利にはたらくケースも多いです。
一方で勤続年数が短い・収入が低い・勤務先の経営状態が不安定・非正規社員である場合は、会社員であっても融資審査に通りにくい場合もあります。
このように会社員は融資審査の際に有利であることから、アパート投資を行うなら会社員のうちに始めることをおすすめします。
給与収入があるため一時的な赤字にも対応ができる
不動産投資ローンの主な返済原資は家賃収入です。
基本的に、月々のローンの返済や費用などは家賃収入でまかなうのが一般的です。
しかし、予期せぬ支出の増加や空室によって家賃収入の減少によってキャッシュフローが悪化し、ローンの返済が困難になるケースも考えられます。
その場合は、自分で不足分を持ち出して対応する必要がありますが、会社員の場合は給与から不足分を補填することも可能です。
同じ状況であっても収入が安定しない職業の場合、手元にある貯蓄などから不足分を補うことになりますが、手元に資金がない場合はローンの返済が滞ってしまうおそれもあります。
このように毎月安定した収入を得られる会社員は、突発的な資金不足にも対応しやすいことからアパート投資に向いているといわれているのです。
まとめ
アパート投資が会社にばれるのは、住民税の変更や法人化などが原因であるケースが多いです。
またSNSや雑談などを通じて会社にばれることもあるため、ばれたくない場合は、不用意な発言は控えたほうが無難です。
そもそも、アパート投資を始めとした不動産投資は、副業としてみなされない場合が多く、副業禁止の会社であってもアパート投資は容認される可能性が高いと考えられます。
しかし、副業の扱いについては会社ごとの就業規則によってさまざまです。
万が一就業規則に違反してしまうと、減給や降格などのペナルティの対象となる場合もあるため注意が必要です。
会社員が安心してアパート投資を始めるためにも、かならず会社の就業規則を確認したり、上司や担当部署に相談したりしておくことをおすすめします。