アパート投資におけるキャッシュフローの重要性!利回りとの違いは?
2025/08/08

アパート投資におけるキャッシュフローの重要性!利回りとの違いは?

アパート投資におけるキャッシュフローの基本情報アパート投資における伽種フローの計算方法アパート投資におけるキャッシュフローの役割りアパート投資のキャッシュフローと利回りの違いアパート投資でキャッシュフローを増やすメリットアパート投資の規模を拡大できるさまざまなリスクに対応できるほかの収入や貯金を使わずに済むアパート投資でキャッシュフローの悪化を防ぐ方法ローンの返済期間をできるだけ長期にする頭金を多めに用意するローンの繰り上げ返済をおこなうキャッシュフローを意識した物件を選ぶ家賃収入をアップさせるまとめ

アパート投資における「キャッシュフロー」は、経営の安定性を測るうえで重要な指標となります。

簡単に言うと、キャッシュフローがプラスであれば「黒字」で、マイナスは「赤字」で有ることがわかるのです。


今回はアパート投資のキャッシュフローについて、役割りや計算方法などの基本情報をはじめ、キャッシュフローの悪化を防ぐ方法などを解説します。


安定したアパート投資をおこなう際の参考にしてください。


アパート投資におけるキャッシュフローの基本情報


模型の木の家 金色のコインを積む 手


「キャッシュフロー」とは、事業の流れにおける現金の流れのことです。

ここではアパート投資をおこなうにあたってキャッシュフローの役割りや計算方法、利回りとの違いなど、キャッシュフローの基本情報について解説します。


アパート投資における伽種フローの計算方法

キャッシュフローを見ることで、「一定期間内に入ってきた金額と出ていった金額」を把握することができます。

キャッシュフローは以下の計算式で求められます。


【アパート投資におけるキャッシュフローの計算式】


キャッシュフロー = 家賃収入 -(ローン返済額 + 経費 + 税金)


アパート投資におけるキャッシュフローは、家賃収入からローンの返済(元本+利息)や経費、税金などの支出を差し引いて計算します。


アパート投資の収入の種類

アパート投資の主な収入源は家賃ですが、そのほかにも収入も「家賃収入」に含めることが可能です。

アパート投資の収入源には、以下のようなものがあります。


◦家賃収入:入居者が毎月支払う賃料

◦共益費:共用部の維持費用として入居者から徴収するお金

◦礼金:新規入居者が賃貸借契約締結時に支払う礼金

◦更新料:既存の入居者が賃貸借契約を更新した際に支払う更新料

◦駐車場代金:アパートに駐車場を設置している場合の使用料


アパート投資の支出の種類

アパート投資における支出(経費)には、以下のようなものがあります。


・ローン返済:元本+利息

・管理委託手数料:アパートの管理を外部に委託している際に支払う費用

・修繕費:修繕工事費や設備の交換費用

・固定資産税・都市計画税:物件所有者に課される税金

・損害保険料:アパートが加入している火災・地震保険料など

・そのほかの経費:入居募集費用・雑費など


関連記事:不動産投資の確定申告で必要経費にできる費用とできない費用を解説


アパート投資におけるキャッシュフローの役割り

前述したように、アパート投資におけるキャッシュフローとは、家賃収入から経費やローンの返済金、税金を差し引いた「手元に残る現金」を差します。


キャッシュフローがプラスかマイナスか、プラスならどの程度余裕があるのかを見ることで現金の流れがわかり、アパート投資の安定性などの判断する指標として用いられます。


キャッシュフローがプラスであるということは、「手元に現金が多くある=黒字」であり、アパート投資は健全であると判断できます。

逆にキャッシュフローがマイナスのときは赤字となっていることを示します。


アパート投資は長期にわたっておこなうのが一般的です。

アパート投資は短期間で大きな収入を得ることはできませんが、毎月のキャッシュフローをこつこつと長年積み上げることで現金(資金)を増やすことが可能です。


アパート投資には、空室によって収入が下がる「空室リスク」や、設備の故障などで突発的な出費が必要になる「修繕リスク」など、さまざまなリスクがあります。


収入が減ったり、支出が増えたりすることでキャッシュフローは悪化しますが、このとき手元に現金(資金)が多ければ適宜対応できるため、長期的な安定したアパート投資につながるのです。


また、アパート投資の出口戦略の際も、安定したキャッシュフローを得られる物件は収益性がよいとみなされるため売却しやすく、高額で売却できる可能性が高まります。


このようにアパート投資におけるキャッシュフローは、アパート経営の健全性をはかるとともに、将来の資金としての役割を持つのです。


アパート投資のキャッシュフローと利回りの違い

アパート投資における「キャッシュフロー」と「利回り」は、どちらも物件の収益性を測るための指標ですが、両者が示す数字は利用目的が異なります。


キャッシュフローは、家賃収入からローンの返済(元本+利息)や経費、税金などの支出を差し引きすることで、実際の現金の増減を把握することができます。


一方「利回り」は、収益物件の購入価格に対してどのくらいの利益があるのかなど、投資効率を測る指標で、おもに収益物件を選ぶ際に使われます


アパート投資でよく使用される利回りには、「表面利回り」と「実質利回り」の2種類があり、それぞれの計算方法は以下のようになります。


【表面利回りの計算式】


表面利回り(%)= 年間家賃収入÷物件価格×100


【実質利回りの計算式】


実質利回り(%)=(年間家賃収入-経費)÷(物件購入価格+取得時の諸費用)×100


表面利回りは経費を反映していないため、物件の収益性を大まかに判断する際に用いられます。

一方、実質利回りは経費(管理費や修繕費、ローン返済金、税金など)を含むため、より現実的な収益性を測ることが可能です。



利回りの計算に使用される数字は、あくまで想定上の数字です。

そのため利回りの数字だけで収益物件を選んでしまうと、想定した家賃収入が得られなかったり、経費が嵩んだりといったリスクもあるため注意しましょう。


収益物件を選ぶ際は、立地や周辺環境などを十分に調査することが重要です。

またアパート経営開始後は、状況に応じて空室対策をおこなうなど、適切な運用・管理をおこなうことで、安定したアパート投資につながります。


関連記事:アパート経営の最低の利回りラインは?選ぶべき高利回り物件を解説


アパート投資でキャッシュフローを増やすメリット

メリット 木のブロック 水色の背景


アパート投資におけるキャッシュフローの役割は前述したとおりですが、キャッシュフローを増やすことで、以下のようなメリットが得られます。


◦アパート投資の規模を拡大できる

◦さまざまなリスクに対応できる

◦ほかの収入や貯金を使わずに済む


それぞれについて解説します。


アパート投資の規模を拡大できる

キャッシュフローが増えることで資金に余裕ができるため、アパート投資の規模拡大が可能になります。

キャッシュフローを積み上げることで2棟目の購入資金(初期費用)として活用できるでしょう。


投資規模を拡大し、安定したアパート投資をおこなうことで、さらに得られるキャッシュフローを増やすこともできるでしょう。


さまざまなリスクに対応できる

アパート投資にはさまざまなリスクがありますが、キャッシュフローを増やし、手元の資金にすることで効果的なリスク対策がおこなえます

アパート投資のリスクには、主に以下のようなものがあげられます。


◦空室リスク

◦修繕リスク

◦災害リスク


アパート投資の主な収入源は、入居者が支払う家賃です。

そのため、入居者が退去してしまうと、次の入居者が見つかるまでのあいだ、家賃収入が減少してしまいます。

また、建物の経年劣化によって資産価値が減少すると入居付けがむずかしくなるケースも多いです。


このように家賃収入が減っても、キャッシュフローが潤沢であれば減少した分の家賃収入を補うことが可能です。


さらに経年劣化や災害によって、建物や設備が破損・故障した場合でも、手元に現金が多ければ即座に交換や修繕工事などで対応できるでしょう。


このように手元に現金があると資金繰りが楽になり、さまざまなリスク対策が容易におこなえるのです。


関連記事:アパート投資の空室リスクの原因と効果的な空室対策方法を解説!

関連記事:アパート投資にかかる修繕費の種類と目安を解説!費用を抑えるには?

関連記事:不動産投資の保険を解説!生命保険代わりになる?火災保険や特約も!

ほかの収入や貯金を使わずに済む

アパート投資のキャッシュフローがマイナス(赤字)になっても、ローン返済や管理委託手数料などの支払いは待ってくれません。


もし手元に資金がなければ、給与収入や事業収入、または貯金などで足りない分を補填する必要があります。

給与などで補填した場合、生活費が減少し、日常生活に支障をきたすおそれもあるため注意が必要です。


しかしキャッシュフローがプラスの収益物件であれば、ほかの収入や貯蓄を使わずに済むのです。


アパート投資でキャッシュフローの悪化を防ぐ方法

悩む男性のシルエット クエスチョンマーク 拒否する手


キャッシュフローの悪化を防ぐためには、安定したアパート投資をおこなう必要があります。

ここでは、キャッシュフローの悪化を防ぐために、意識しておきたいポイントについて解説します。


◦ローンの返済期間をできるだけ長期にする

◦頭金を多めに用意する

◦ローンの繰り上げ返済をおこなう

◦キャッシュフローを意識した物件を選ぶ

◦家賃収入をアップさせる


それぞれについて解説します。


ローンの返済期間をできるだけ長期にする

アパート投資を始める際は、金融機関の不動産投資ローンを利用するのが一般的です。

その際、ローンの返済期間を長くすることで月々のローン返済額を少なくでき支出を減らせるため、結果的にキャッシュフローの悪化を防ぐことにつながります。


頭金を多めに用意する

月々のローン返済金をできるだけ抑えることが、キャッシュフローの悪化を防ぐことにつながります。

収益物件を購入する際に頭金を多く用意することで借入額を減らすことができ、結果的に月々のローン返済金額を抑えられます


ローンの繰り上げ返済をおこなう

安定したアパート投資によって自己資金に余裕がある場合は、ローンの繰り上げ返済をおこなってローンの元本を減らすのもおすすめです。

ローンの元本を減らすことで月々のローン負担が軽くなり、キャッシュフローの悪化防止になります。


ただし、ローンを利用している金融機関によっては、繰り上げ返済時に手数料が発生する場合もあるため注意が必要です。

また、繰り上げ返済後も、突発的な支出などに対応できるだけの資金を手元に残しておきましょう。


キャッシュフローを意識した物件を選ぶ

安定したキャッシュフローを得るためには、賃貸需要が高い収益物件を選ぶ必要があります。

正しい物件を選ぶことで空室リスクを抑え、長期的に安定した家賃収入を得られます。

物件を選ぶ際のポイントは以下のようになります。


立地

安定したアパート投資をおこなううえで、収益物件の立地は非常に重要です。

特に以下の条件を満たす好立地物件は賃貸需要が高く、入居付けがしやすいです。


◦駅から徒歩10分以内

◦複数路線が利用できる

◦近隣に生活に必要な施設(スーパー・コンビニ、銀行・郵便局、病院など)がある


なお、好立地の条件はターゲットにする入居者層によって異なります。

たとえばファミリー層をターゲットにする場合は駅から遠くても、評判のよい学校が近隣にあったり、子育て施設が揃っていたり、住環境の良さが優先される場合が多いです。


周辺の賃貸需要

人口が増加しているエリアや再開発の予定があるエリアは、将来的に高い賃貸需要が期待できます。


ただし、好立地であっても周辺に競合物件が多いと供給過多となり、空室リスクや家賃下落リスクが高まるため注意が必要です。


また現況だけでなく、将来的に競合物件が増加する可能性も見逃せません。

特に空き地が近隣に多い、取り壊し寸前の築古物件があるといった地域は、アパートやマンションが建築される可能性が高いです。


収益物件を選ぶ際は、周辺の不動産屋からヒアリングするなど、現近確認や市場調査をおこなうとよいでしょう。


築年数

築年数が古い物件は、価格が安く、高利回りが魅力的です。

しかし、管理状態によっては修繕費が嵩む可能性があるため注意が必要です。

築古物件を検討する際は、大規模修繕の履歴や、売主の物件所有年数と売却理由などをかならず確認しましょう。


大規模修繕工事の時期が迫っている場合、購入してすぐに大規模修繕費が必要になります。

また売主は短期所有で物件を売却する際は、その理由によっては購入を見送ったよい場合もあります。


家賃収入をアップさせる

キャッシュフローの悪化を防ぐためには、支出を抑えるだけでなく、収入を増やすことも効果があります。


ただし、家賃収入を上げるためには、設備の追加やリフォーム・リノベーションなどが必要になるケースもあります。

家賃収入が増えても、支出が増えてしまってはキャッシュフローの悪化につながるおそれもあるため注意が必要です。


家賃収入をアップさせる際は、費用対効果を検討したうえで、実行するとよいでしょう。


まとめ

アパート投資におけるキャッシュフローは、毎月の収入と支出のバランスを把握し、健全なアパート経営をおこなううえで欠かせない指標です。


安定したキャッシュフローを得ることができれば資金に余裕ができ、さまざまなリスクに備えたり、投資規模を拡大したり、アパート投資にプラスにはたらきます。


キャッシュフローの悪化を防ぎ、安定したアパート投資を目指しましょう。

一覧に戻る
writer-profile-container

岩崎 雅

2020年7月1日〜
当サイトのライターとしてコラム作成業務を開始
プロフィール
不動産ジャンルのライター歴は2年半以上。その間、100本以上のコラム構成・執筆を担当。不動産以外のジャンルも含めると500本以上の執筆経験あり。