アパート投資の失敗例と対策方法を解説!よくある失敗ポイントとは?
2025/08/15

アパート投資の失敗例と対策方法を解説!よくある失敗ポイントとは?

アパート投資の失敗例① 立地選びで失敗するケース立地選びで失敗しないための対策方法アパート投資の失敗例② 建築費のコストを抑えすぎて失敗するケース建築費のコストカットで失敗しないための対策方法アパート投資の失敗例③ 管理会社選びで失敗するケース管理会社選びで失敗しないための対策方法アパート投資の失敗例④ 月々のローン返済が負担になり失敗するケースローン返済で失敗しないための対策方法アパート投資の失敗例⑤ 利回りの数字だけで物件を購入して失敗するケース利回りで失敗しないための対策方法アパート投資で失敗する投資家の特徴アパート投資の知識が不十分である情報や確認が不足している計画を立てるのが苦手まとめ

アパート投資はさまざまなメリットがありますが、その一方でリスクもあります。

ただし、アパート投資のリスクはあらかじめ把握しておくことで、被害を最小に抑えることも可能です。


そこで今回は、アパート投資の失敗例とともに対策方法について解説していきます。

ぜひアパート投資の失敗例を参考に、アパート投資を成功させましょう。


アパート投資の失敗例① 立地選びで失敗するケース

顔を覆う ビジネスマン 暗い背景


アパート投資で成功するためには、立地選びにかかっていると言っても過言ではありません。

そのため、賃貸需要が少ないエリアや、需要競合はあるが競合物件が多く供給過剰のエリアでのアパート投資は避けるべきです。


しかし、不動産の営業マンのセールストークに乗せられて、賃貸需要が少ない立地のアパートを購入してしまうケースは少なくありません。


また高い賃貸需要があっても、環境の変化によって需要が減少するケースもあります。

たとえば、大学周辺の物件は学生をターゲットにすることで、安定した賃貸需要が期待できますが、その大学が移転してしまうと需要が急激に減少するおそれが考えられます。


そのほかにも、隣の土地に高層の建物が建築され、アパートの日当たりが悪くなったり、嫌悪施設(騒音や悪臭などを発生する工場など)ができたり、周辺エリアの変化によって珍田需要が減少してしまう場合もあります。


立地選びで失敗しないための対策方法

アパート投資の立地で失敗しないためには、あらかじめ周辺環境の調査が必要です。

まず、賃貸需要を調べてアパート投資が成り立つ土地かどうかを見極めましょう。


賃貸需要が高い、利便性がよい、人気エリアなどの好立地であれば、空室ができても次の入居者が決まりやすく、空室率を最小に抑えることが可能です。


【好立地の条件】


◦最寄り駅まで徒歩10分以内

◦複数路線を利用できる

◦周辺環境の利便性が高い(買い物施設や銀行、郵便局、公共施設などがある)


ただし、好立地の条件はターゲットの入居者層によっても異なります

上記は単身者向きの立地となり、ファミリー層であれば駅から離れていても閑静な住宅街や子育て環境が整った地域を好みます。


地方か都市部かによっても求められる立地は変わります。

特に地方や郊外のように車社会の場合、駅からの近さはあまり重視されない傾向があります。


また近隣の競合物件の数や空室率を調査することで、供給が過剰なエリアであるかどうかを判断しましょう。


前述したように、大学や工場など1か所だけに賃貸需要を依存してしまうと、移転や閉鎖されてしまうと賃貸需要が激減し、アパート投資が立ち行かなくなるおそれもあるため注意が必要です。


物件を選ぶ際は、周辺環境の変化によるダメージを抑えるためにも、かならず複数の賃貸需要が見込める立地を選びましょう。


アパート投資の失敗例② 建築費のコストを抑えすぎて失敗するケース

アパート投資をおこなううえで、収益性を高めようと建築コストを抑える場合があります。

たしかに建築コストを少なくできれば、利回りが高まり、高収益が期待できます。


しかし、建築費を抑えようとグレードを下げすぎてしまうと入居者の求める快適性や機能性などのニーズを満たすことができず、空室が増えてしまうでしょう。


空室率が高くなると入居付けのために家賃の引き下げなどで対応することになりますが、設定する賃料によっては赤字になるおそれもあるため注意が必要です。


建築費のコストカットで失敗しないための対策方法

入居者がアパートを選ぶ際、居住環境は重視されるポイントのひとつです。

入居者に選ばれるアパートを建築するためには、市場調査をおこない、建物のグレードや間取り・設備などの情報を収集したうえで、どのようなアパートを建てるか検討するとよいでしょう。


ただし、極端なコストカットはもちろんのこと、過剰にコストを投入して建物のグレードを高くすると、地域のニーズや家賃相場と合わないなど、また別の問題が発生します。


アパートを建てる際は、かぎられた予算内でコストとリターンのバランスをとることを念頭においてきましょう。


アパート投資の失敗例③ 管理会社選びで失敗するケース

入居者の募集やアパートの管理を不動産管理会社に委託している場合、管理会社の力不足が原因でアパートの稼働率が上がらないという失敗例もあります。


間違った管理会社を選んでしまうと、入居付けが弱く空室が埋まらなかったり、共有部の清掃が不十分だったり、入居者からの問い合わせの対応が遅かったり、入居者の不満につながりやすくなります。

特に隣人同士のトラブルが発生した場合は、迅速な対応が求められます。


入居者の不満度が高くなると退去されてしまう可能性が高くなり、空室の原因になるため注意が必要です。


管理会社選びで失敗しないための対策方法

円滑なアパート経営をおこなうにあたって、優良な管理会社選びは欠かせません。

そのためには、管理体制が整った管理会社かどうかを見極める必要があります。

管理会社を選ぶ際は、以下のポイントをチェックしましょう。


◦実績を確認する

◦集客に賃貸ポータルサイトやインターネットを利用しているか

◦管理会社の経営状態は良好か

◦担当者は連絡を密にしてくれるか


管理会社の実績を確認する際は、管理物件数やリピート数、顧客満足度、管理物件の入居率や退去率などをチェックしましょう。

特に入居付けの強さはアパートの家賃収入と直結するため、非常に重要なポイントです。


また昨今のアパート探しは、賃貸ポータルサイトなどで賃貸物件の条件を入力して、検索結果から物件を選ぶのが一般的です。

そのため集客に賃貸ポータルサイトを利用している管理会社を選びましょう。


なお管理会社の実績は、管理会社のホームページやパンフレットなどに掲載されている場合が多いです。


ただし、地元密着型の小規模な管理会社の場合、外部に向けた実勢データなどを公開していないケースもあります。

その場合は直接担当者に尋ねてみるとよいでしょう。


管理会社に家賃や敷金の管理を委託する場合、管理会社の経営状態をかならず確認しましょう。

万が一、管理会社が倒産してしまうと、預けていた家賃や敷金を回収できなくなるおそれがあるため注意が必要です。


管理会社の経営状態を確認するには、信用調査会社や財務諸表などをチェックすることをおすすめします。


そのほかにも、連絡の頻度が密であるかも重要なポイントです。

ホウレンソウがしっかりとした管理会社であれば、安心してアパートの管理を任せられます。


関連記事:不動産投資を成功させる不動産管理会社の選び方!管理業務内容を解説


なお、アパートオーナー自身で管理業務をおこなう「自主管理」を選択する場合もあるでしょう。

自主管理は、管理委託手数料が不要であり、アパート経営のノウハウを学べるなどのメリットがありますが、慣れないうちは管理会社に委託するのがおすすめです。


アパート経営の管理業務は多岐にわたり、専門知識を求められるケースも多いです。

特にサラリーマン大家さんの場合、本業との兼ね合いで時間が制限されてしまうため、自主管理はむずかしいです。


アパート投資で失敗しないためには、不動産管理会社選びに左右される部分が大きいです。そのためアパートの管理業務を委託する場合は、しっかりと管理をおこなってくれる管理会社を選びましょう。


アパート投資の失敗例④ 月々のローン返済が負担になり失敗するケース

ベンチ 頭を抱える男性 屋外


アパート投資を始める際は、金融機関から融資を受けるのが一般的です。

ただし、借入額が大きすぎると、月々のローン返済額も大きくなりキャッシュフローを圧迫するため赤字になりやすいです。


キャッシュフローがマイナスになってしまうと、ローン返済などの支出は、手元の資金から「手出し」で支払わなくてはなりません。

しかし手元の資金がなければ、その分を給与や貯蓄などから補填せざるを得なくなり、日常生活にも影響を及ぼすおそれがあるため注意が必要です。


ローン返済で失敗しないための対策方法

ローン返済で失敗しないためには、金融機関から融資を受ける際に返済計画をしっかりと立てることが重要です。


なお、アパートローンの融資限度額は年収の7倍~10倍程度が目安ですが、融資申込者の年収などによっては、より多額の融資を受けられる可能性があります。

融資を受けられるからといって、返済能力を超えての借入をおこなってしまうと、ローン返済の負担が重くなり、キャッシュフローが悪化しやすくなるため注意が必要です。


ローンの返済ができなくなると物件を差し押さえられてしまい、最終的には競売にかけられ物件を手放すことになってしまいます。


そうならないためには、購入予定の物件の価格と借入れ額は適切かどうか、いま一度確認してみましょう。

その際は、返済比率を計算し、無理なく返済できる範囲であるか確認することをおすすめします。


アパート投資における「返済率」とは、家賃収入に対して毎月のローン返済額の比率を指します。


安全にアパート投資がおこなえる返済比率の目安は50%程度と言われており、40%以下であれば安全とみなされます。

一方で、50%を超えるとローン返済比率が高く、キャッシュフローが悪化しやすくなるため注意が必要です。


関連記事:アパート投資で手出し(赤字)になりやすい物件の特徴を解説!

関連記事:アパート経営で融資を受ける流れや融資審査の重視ポイントを解説!

アパート投資の失敗例⑤ 利回りの数字だけで物件を購入して失敗するケース

アパート投資で物件を選ぶ際、重要な指標となるのが「利回り」です。

利回りは、その物件がどのくらい収益性があるのかなど、投資効率を測る際に用いられます。


利回りは数値が高いほど「高利回り」であり、収益性も高くなりますが、利回りの計算に使われる数字は、あくまでも想定した数字です。

そのため、利回りの数字だけで物件を選んでしまうと実際の収益とはかけ離れていて、失敗するケースも少なくありません。


特に相場よりも利回りが高すぎる物件には、なんらかのリスクがあるため価格が安く設定されている可能性も考えられます。


たとえば、建物や設備の状態が著しく悪く、購入してから多額のリフォームやリノベーション費用がかかる場合もあるため注意が必要です。


利回りで失敗しないための対策方法

物件を選ぶ際は、利回りの数字だけを見るのではなく、現地にて物件を直に確認することが大事です。

建物自体に問題がなくても、極端に賃貸需要が低いエリアだったり、アパートの周辺に問題があったり、場合によっては入居者に問題があるケースも考えられます。


そのため現地確認をする際は、最寄駅を含めてアパート周辺を実際に歩いてリサーチすることをおすすめします。

余裕があれば、地元の不動産屋を訪ねてヒアリングしてみるのもよいでしょう。


いずれにしても高利回り物件は、高利回りになる理由がかならずあります。

その理由がネガティブなものであれば、アパート投資が失敗する可能性が高く、購入を見送ったほうが無難であると言えるでしょう。


関連記事:アパート経営の最低の利回りラインは?選ぶべき高利回り物件を解説


アパート投資で失敗する投資家の特徴

たくさんの黒板 失敗



アパート投資に失敗する方には、ある共通点があります。

ここでは、アパート投資に失敗しやすい投資家の特徴を紹介します。


アパート投資の知識が不十分である

アパート投資で成功するためには、物件の選び方や経費の種類、アパート投資に必要な税金などに関する専門知識が欠かせません。


しかし、アパート投資の知識が十分でない場合、正しい物件を選ぶことができず、失敗する確率が高くなります。

たとえば、賃貸需要が低いエリアの物件だったり、違法建築だったり、回避物件など、入居付けがむずかしい物件を選んでしまうこともあるでしょう。


こういった選ぶべきではない物件は、アパート投資の基礎知識を学ぶことで覚えることができます。

アパート投資に関連する各種知識を蓄えることで、アパート投資で成功する確率を上げることにつながるでしょう。


情報や確認が不足している

アパート投資で失敗しないためには、立地・賃貸需要・物件の状態・管理状況・空室率・入居者の属性など、こまかな点まで情報を収集したうえで、しっかりと確認する必要があります。


情報収集や確認が不十分である部分が多ければ、それだけ失敗するリスクが高くなるため注意が必要です。


計画を立てるのが苦手

アパート投資は長期にわたっておこなわれるため、「計画性」の有無が非常に重要になります。


たとえば、長期間賃貸需要を維持できる物件を選んだり、数十年間のローン返済計画を立てたり、約10年単位でおこなわれる大規模修繕用の費用積立てと修繕計画を立てたりする必要があります。


こういった計画を立てるためには、アパート投資を始める前の物件を購入する段階で綿密な収支シミュレーションが欠かせません


そのため、計画を立てるのが苦手な方や目先の利益に飛びついてしまう方は、アパート投資で失敗する確率が高くなる可能性があるため注意が必要です。


まとめ

アパート投資の失敗例を対策方法とともに解説しました。

これらの失敗例を参考にすることで、失敗する原因を把握でき、成功パターンを見つけるヒントになります。


またアパート投資で成功するためには、専門的な知識が欠かせません。

アパート投資の基礎知識だけでも覚えておけば、かならず役に立ちます。


これからアパート投資を検討する方は、今回紹介した失敗例と同じ失敗をしないように注意し、健全なアパート投資を目指してください。

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岩崎 雅

2020年7月1日〜
当サイトのライターとしてコラム作成業務を開始
プロフィール
不動産ジャンルのライター歴は2年半以上。その間、100本以上のコラム構成・執筆を担当。不動産以外のジャンルも含めると500本以上の執筆経験あり。