まだ遅くない!50代ではじめる不動産投資のメリットや注意点を解説
2023/06/17

まだ遅くない!50代ではじめる不動産投資のメリットや注意点を解説

不動産投資を50代からはじめても遅くない理由50代からはじめる不動産投資のメリット5つメリット①自己資金に余裕があるメリット②具体的な資金計画を立てやすいメリット③時間に余裕があるメリット⑤生命保険の代わりになる50代で不動産投資をはじめる際の注意点ローンの借入期間が短くなる可能性がある失敗してもやり直しはむずかしい健康上の問題があると団信に加入できない場合がある50代の不動産投資初心者におすすめの不動産投資方法現金一括で収益物件を購入するメリット現金一括で収益物件を購入するデメリット50代の不動産投資初心者にはおすすめできない不動産投資方法まとめ

50代で不動産投資をはじめるのは遅すぎるとはかぎりません。資金や時間に余裕ができる50代は不動産投資をはじめるのに十分適していると考えられます。

しかし50代ではじめる不動産投資には注意すべき点があるのも事実です、


今回は50代ではじめる不動産投資のメリットや注意点を解説します。また50代におすすめの不動産投資方法と、おすすめできない不動産投資方法も紹介します。


不動産投資を50代からはじめても遅くない理由

「賃貸アパートや賃貸マンションなどの不動産投資は若いうちにはじめたほうが有利」

たしかに若いうちから不動産投資をおこなうと、リターンを得られる期間が長かったり、失敗してもやり直せる時間があったりと、さまざまなメリットがあります。


しかし50代であっても、不動産投資をおこなうのに適していないことにはなりません。

むしろ定年が近づいてきた50代だからこそ、若いころには漠然としていた「老後資金」が具体的になり、資金計画や目標を立てやすくなるはずです。

また子育てやマイホームのローン返済も落ち着き、個人属性も高くなり、資金的な余裕が生まれるのが50代です。


不動産投資ローンの融資審査は、マイホームの住宅ローンとは異なり、本人の年齢や年収だけではなく購入する収益物件の資産価値や収益性も加味してローンが組まれます。そのため自己資金が多く、個人属性が高い場合は50代からでも不動産投資ローンを組める可能性は充分にあります。


さらに不動産投資では、月々の家賃収入からローン返済などのランニングコストを支払います。そのため入居付けさえしっかりおこなえば手元の資金を減らすことなくキャッシュフローを手にできるので、「老後資金や私的年金を増やしたい」と考えている人におすすめの投資方法なのです。


また賃貸経営に関する管理全般は不動産管理会社に管理委託できるので、退職するまでの期間もオーナー自身がおこなう仕事はほとんどありませんし、老齢になってからも安心です。


これらの理由から、50代から不動産投資をはじめるのは遅すぎるということはありません。

ただし50代ではじめる不動産投資だからこそ、気を付けるべき注意点があるのも事実です。詳しい注意点については、後述する『50代で不動産投資をはじめる際の注意点』の項で解説します。


そのほかの年代ではじめる不動産投資についてはこちら!>>

20代ではじめる不動産投資で失敗しないポイントとメリット・デメリット

30代で始める不動産投資の成功ポイントと注意ポイントを解説!

40代の資産形成におすすめ投資方法4選!やってはいけないNG行為は?


50代からはじめる不動産投資のメリット5つ

メリット 葉 グリーン

50代からはじめる不動産投資には、以下のような5つのメリットがあります。


メリット①自己資金に余裕がある

50代になると本業での収入が増え、マイホームのローン返済や子どもの教育費用などの支出がひと段落する人も多いでしょう。それにともない預貯金にも余裕が生まれる頃でもあります。


50代で不動産投資をおこなう場合、ローンの借入れ年数が制限されるケースもありますが、その分を自己資金でカバーすることで月々のローン返済額を減らし、キャッシュフローに余裕を出すことも可能です。


メリット②具体的な資金計画を立てやすい

50代になると、退職金の額や住宅ローンの残債など具体的な数字を把握しやすくなります。これらの資産と負債を合算することで、老後に足りない額がいくらなのか予測が可能になります。


老後資金に必要な金額によって選ぶべき収益物件は決まります。目標を達成できる額を把握することで、目標額を達成できる物件を購入するために必要な資金計画を無駄なく立てることにつながるでしょう。


メリット③時間に余裕がある

50代になると本業の仕事の忙しさも落ち着き、育児に掛ける労力も減り、プライベートな時間に余裕ができる人も少なくないでしょう。

その分、不動産投資関連の情報収集に時間を割くことができ、検討する時間を十分確保することも可能です。


不動産投資の成否は、収益物件選びに大きく左右されます。購入予定の物件について収支シミュレーションをおこなったり、情報の正否を判断したり、さまざまな角度からじっくりと検討することでリスクを回避し、不動産投資の失敗を防ぐことにつながります。


ただし検討に時間をかけ過ぎてしまうと優良物件の買い逃しにつながりかねないため注意しましょう。


メリット④相続税対策につながる

不動産投資をおこなうことで相続税対策にもつながります。

不動産を相続する場合、相続税額を決定する「相続税評価額」が低くなるため、ほかの財産(現金や株式など)を相続する場合に比べて相続税を減らすことができるのです。


たとえば、5,000万円を現金で相続した場合、額面の5,000万円がそのまま課税対象となり、ます。一方、5,000万円で不動産を購入した場合、その不動産は「路線価」や「固定資産税評価額」をもとに相続税評価額が算出されます。

土地は公示価格のおよそ80%、建物についてはおよそ70%~80%の評価額になるため、現金で相続した場合に比べて相続税を減らすことができるのです。


加えて、小規模宅地等の特例の要件に該当する場合や、不動産を購入する際に金融機関から融資を受けた場合は債務控除ができるなど条件次第で相続税評価額はどんどん低くなり、その結果、納税する相続税も少なくなるのです。


50代で相続税対策をするのは早すぎると考える人も多いかもしれませんが、亡くなる直前に不動産を購入すると相続税対策とみなされて「追徴課税」が課される可能性もあります。

余計な出費で財産を減らさないためにも、50代で不動産投資をはじめれば相続時にスムーズな対応がおこなえるのです。


相続税について詳しくはこちら!>>不動産投資が相続税対策になる理由を解説!負動産にしないヒントも


メリット⑤生命保険の代わりになる

収益物件を購入するにあたって金融機関の不動産投資ローンを利用する際、「団体信用生命保険(団信)」に加入することできます。金融機関によっては、団信加入が融資条件の場合もあります。


団信とは、ローン返済中にローン契約者の死亡や高度障害などによりローン返済できなくなった場合、生命保険会社が保険金を金融機関に支払い、債務の返済に充てる仕組みとなっています。


ローンが完済した物件は、遺族(または本人)がそのまま賃貸経営をつづけて賃料を得るほか、物件を売却してまとまった金額を生命保険代わりとして受け取ることもできます。


団信にもさまざまな種類があり、3大疾病(がん・脳卒中・急性心筋梗塞)などに対応した特約もあるため、加入中の生命保険を見直すのもよいでしょう。

ただし、団信の保障期間はローン返済中にかぎられます。ローン完済後は、団信の保障がなくなるため注意しましょう。


団信や火災保険について詳しくはこちら!>>不動産投資の保険を解説!生命保険代わりになる?火災保険や特約も!


50代で不動産投資をはじめる際の注意点

注意点 バンマーク 文房具

50代で不動産投資をはじめる際は、以下の点に注意が必要です。


ローンの借入期間が短くなる可能性がある

不動産投資をはじめる際、収益物件の購入は金融機関から融資を受けるのが一般的です。金融機関によって異なりますが、不動産投資ローンの借入期間は最長30年~35年(収益物件の残存耐用年数以内)、完済時の年齢は80歳前後という条件が設定されているケースが多いです。


たとえば20代や30代で不動産投資をはじめる場合、完済時年齢の80歳を超えないため最長となる35年のローンを組める可能性が高くなります。しかし50代では完済時年齢によってはローンの借入期間が短くなるため注意が必要です。


また金融機関が融資審査でもっとも重視するのは、ローン契約者が借りたお金をきちんと返済ができる能力を持っているかどうかです。

50代は、個人属性(年収や自己資金額など)によっては融資審査に有利に働く一方で、定年退職までの期間が短いです。そのため家賃収入が途絶えた際、自己資金による補填がむずかしいと判断されれば融資審査で不利になる可能性もあることを覚えておきましょう。


借入期間が短くなると、その分月々のローン返済額が多くなり、キャッシュフローを圧迫するおそれがあります。自己資金に余裕があれば頭金を多く入れて借入額を減らし、毎月のキャッシュフローに余裕を持たせるとよいでしょう。


不動産投資の融資審査内容について詳しくはことら!>>不動産投資の融資の可否はどう決まる?審査に通りやすいのはこんな人


50代でも融資を受けやすくなる条件

前述したように金融機関が融資審査で重視するのは、貸したお金の返済能力の有無です。たとえば定期的な収入がない場合でも、借入額を返済できる程度の資産を所有していれば融資審査で有利になる可能性が高まります。


また一般的に預貯金や有価証券など流動性の高い資産は金融機関から高く評価されます。退職金の見込額なども資産に含むことができますが、資産として認められるためには金融機関に証明となる書類の提出が必要になることがあります。


預貯金などの資産を十分持っていることを証明できれば、定年退職が近い50代でも不動産投資ローン審査に通りやすくなるでしょう。


失敗してもやり直しはむずかしい

50代ではじめた不動産投資で失敗してしまうと、やり直すことはむずかしいです。これが20代や30代、40代であれば、多少の失敗で損失が出ても本業の収入から不足額を補填することも可能です。

しかし退職が近い50代では本業での収入がなくなることを踏まえ、あまりにも大きな金額を補填できない可能性が高くなります。


そのため50代で不動産投資をはじめる際は、ほかの年代よりも慎重な収益物件選びが必須となります。物件を検討する際は、さまざまな角度から収支シミュレーションをおこない、しっかりと利益を得られる物件かどうかきちんと確認することが欠かせません。


健康上の問題があると団信に加入できない場合がある

前項の『50代からはじめる不動産投資のメリット5つ』で記載したように、団信への加入はメリットになりますが、病歴、持病や既往歴がある場合は団信に加入できないことがあります。

その場合、不動産投資ローンを受ける際に保証人を立てるなど、融資条件が厳しくなるため注意が必要です。


団信や火災保険について詳しくはこちら!>>不動産投資の保険を解説!生命保険代わりになる?火災保険や特約も!


50代の不動産投資初心者におすすめの不動産投資方法

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50代で潤沢な自己資金を持っている場合は、融資を受けず自己資金のみの「現金一括」で収益物件の購入がおすすめです。

現金一括で収益物件を購入することで次のようなメリットが得られます。


現金一括で収益物件を購入するメリット

高額の借入れリスクを回避できる

不動産投資をはじめたいが、さまざまな理由で借金をしたくない場合、現金一括で収益物件を購入することをおすすめします。借金を負う必要もなく、またローン契約の手続きにかかる手数料も不要なので、出費をおさえる効果があります。


融資のつかない物件を購入できる

法定耐用年数を過ぎた築古物件や建て直しができない「再建築不可物件」など、利回りがよくても金融機関の融資が付かず、買手がつかないという物件も多くあります。こういった物件でも、現金一括であれば問題なく購入できます。


なお融資が付かない築古物件のなかには、価格が安く高利回り物件も少なくありません。このような収益物件を購入できるのが現金一括の大きなメリットです。


相続税対策につながる

前述したように、土地を相続した場合、同じ額面の現金で相続するのに比べて相続税評価額が70~80%程度になります。小規模宅地等の特例の要件に該当するなどの条件によっては、さらに評価額は低くなるため、相続税対策として効果が期待できます。


指値がしやすい

物件の売主のなかには、「できるだけ早く物件を売って現金にしたい」と考えている人も少なくありません。そこで現金一括で代金を支払うことを条件に、ある程度の指値(値引き交渉)を提案しましょう。交渉がうまくいけば相場よりも安く物件を購入できます。


融資なしでおこなう不動産投資について詳しくはこちら!>>不動産投資で現金一括購入のメリットとデメリット!ローンと徹底比較


現金一括で収益物件を購入するデメリット

レバレッジ効果は得られない

不動産投資物件を現金一括で購入した場合、レバレッジ効果が得られません。そのため収益は現金一括で購入した物件の家賃収入のみとなり、レバレッジを効かせた場合と比較すると資産形成に時間がかかります。


手持ちの資金が減ってしまう

潤沢な資金を持っている場合は別ですが、現金一括購入したことで手持ちの資金に余裕がなくなる場合はデメリットになります。


賃貸経営中は設備の故障など突発的な出費に備えて、ある程度の資金を手元に残しておく必要があります。しかし現金一括で収益物件を購入したことで手持ちの資金が減ってしまうと、急に現金が必要になったとき十分な対応ができないケースも考えられるため注意が必要です。


現金一括とローンの比較について詳しくは!>>購入不動産投資で現金一括購入のメリットとデメリット!ローンと徹底比較


50代の不動産投資初心者にはおすすめできない不動産投資方法

NG ブロック ビジネスマン

50代におすすめの不動産投資方法がある一方で、おすすめできない不動産投資方法もあります。

50代におすすめできない投資方法とは、売却益(キャピタルゲイン)を目的とした不動産投資です。


不動産投資で売却益を得るには、購入時よりも高額で不動産を売る必要があります。しかし売却益を狙うためには情報収集をおこない、景気や市場の動向を分析し、今後値上がりするであろう不動産を見極める高度な不動産投資の知識が欠かせません。


大きな売却益を得るのは不動産投資のプロでもむずかしく、50代の不動産投資初心者にはハードルが高い投資方法と考えられます。


また売却益を期待して購入した不動産がなんらかの理由で値下がりしてしまった場合は、売却損(キャピタルロス)になる可能性もあります。定年が近く、損失分を補填しづらい50代には売却益目当ての不動産投資はおすすめできません。


まとめ

資金や時間に余裕がある50代は、不動産投資をはじめるのに遅すぎることはありません。むしろ、退職金の額や老後資金の不足額が具体的にわかる年代でもあるため、詳しい資金計画を立てるのに適していると考えられます。


一方で、定年退職が近いことから場合によっては不動産投資ローンの審査に不利になる場合があります。また完済時年齢によっては、借入期間が短縮されることもあるため注意が必要です。


自己資金を潤沢に持っている場合は頭金を多く入れて借入額を減らすことで、月々のキャッシュフローに余裕が生まれます。


50代ではじめる不動産投資は損失の補填がしづらいケースもあるため、確実に利益を得られる物件を選び、堅実な不動産投資をおこなうとよいでしょう。

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