団地で不動産投資をおこなうメリットや注意点を解説!物件の探し方も
2023/06/20

団地で不動産投資をおこなうメリットや注意点を解説!物件の探し方も

初心者にもおすすめ!不動産投資で話題の「団地投資」とは?団地で不動産投資をおこなうメリット価格が相場よりも安く高利回り物件である家賃相場が低いので入居希望者に選ばれやすい周辺環境がよい物件が多いファミリー層入居者が多いため長期入居が期待できる団地投資を成功させるための注意点管理体制のよい団地を選ぶエレベーターの有無を確認するリフォームは費用対効果を重視する失敗しないリフォームの確認方法管理費や修繕積立金が高すぎないか不動産投資用団地物件の探し方大手不動産ポータルサイトで団地物件を見つけにくいのはなぜ?まとめ

「団地」でおこなう不動産投資が注目されています。これまでの団地のイメージを一新し、広々としたゆとりのある敷地を活かし、公園や緑が配置され、買い物施設や幼稚園・小学校なども設置された「新しい賃貸コミュニティ」として人気が急上昇しているのです。

そこで今回は、団地でおこなう不動産投資について、メリットや注意点を解説します。また大手不動産ポータルサイトでは見つけるのがむずかしいと言われる団地物件の探し方も紹介します。


初心者にもおすすめ!不動産投資で話題の「団地投資」とは?

団地 街並み 青空

いまローコスト不動産投資として注目されているのが、築年数の経った団地の1室を購入し、リフォームやリノベーションを施して賃貸する「団地投資」です。


そもそも団地は、1950~1970年代の高度経済成長期に住宅不足の解消を目的に、「日本住宅公団(現在のUR都市再生機構)」や「住宅供給公社」、各地方公共団体によって開発された共同住宅を指します。


団地は郊外のニュータウンに建てられたものが多く、当時団地に住むためには年収に定めがあり、経済成長期には比較的高収入な人達が住む場所でした。

しかし住宅不足解消を目的に建てられた団地は3LDKの間取りでもおよそ40㎡と現在の3LDKよりも狭く、住居としての快適さよりも部屋数の多さが重視されたことがうかがえるつくりとなっています。


40㎡程度しかない狭い間取りに加えて5階建てでもエレベーターがなく、築古であることから設備も古い団地は収益物件として長い間見過ごされてきたのです。

また、ある一定の時期に同年代の入居者を受け入れたことで、団地の居住者の高齢化が社会問題とされていました。


狭くて古い、問題を抱えた団地ですが、その多くを日本住宅公団(現在のUR都市再生機構)が施工・管理していたため、築年数の割りにしっかりした物件も多く、近年になり各自治体や団体によって団地再生としてさまざまな対策がおこなわれました。


最近では廃れた団地を生活の利便性を兼ね備えたひとつのコミュニティとして再生し、「団地投資」や「団地型区分マンション」として売買する不動産会社や個人の投資家も増えました。

人気の秘密は、築古である団地物件は価格が安く、リノベーションをしても高利回りが期待できる収益物件であることです。


メディアへの露出も増え、入居希望者も増加傾向にあります。入居希望者の多くは低年齢の子供を持つファミリー世帯で、住環境や子育て環境のよさに加え、安い賃料が魅力のひとつとなっているようです。


そんな古くて新しい団地投資について詳しくみていきましょう。


団地で不動産投資をおこなうメリット

メリット 虫眼鏡 花

団地で不動産投資をおこなうメリットには、以下のようなものがあります。


価格が相場よりも安く高利回り物件である

団地物件は相場よりも安く購入できる点が大きなメリットのひとつです。

建物の内外に手を加えられていない築古の団地物件は設備も古く、5階建てでもエレベーターが設置されていないのが標準ですが、その分価格は安くなります。なかには100万円台で購入できる物件もあるほどです。


こういった団地物件を安く購入した後にリフォームをおこない、賃貸することで高利回りが実現するのです。なかには団地投資で37%という超高利回りを実現した不動産投資家もいるほどです。


またリフォームで不動産の価値を上げ、購入時の価格よりも高く売却することで売却益も期待できます。貸しても売っても儲かるのが団地投資のメリットなのです。


家賃相場が低いので入居希望者に選ばれやすい

一般的な賃貸マンションに比べて、築古の団地物件の賃料は安く設定されているため、家賃をおさえたいファミリー世帯や都会の喧騒よりも静かな環境を好む若い夫婦などに選ばれやすくなっています。


また、団地の敷地内にスーパーや医療施設、幼稚園、小学校などの生活環境が整備され、駅から遠い立地でありながら高い利便性を持つ大規模団地も登場しています。

生活に必要な施設が近隣に揃っているため、駅近物件でなくとも賃貸需要が見込めるのも入居者に選ばれやすいポイントとなっています。


周辺環境がよい物件が多い

現在稼働している団地の多くは都心部に勤務する人たちのベッドタウンとして、都心から少しはなれたエリアに建設されました。都心からはなれていることもあり、ほとんどの団地は広い敷地にゆとりをもって建てられています。


そのため入居者が自由に使用できる広い屋外スペースがあったり、大きな公園が隣接していたり、豊かな自然に囲まれた生活が実現できます。

敷地内には複数の建物が立ち並びますが、建物間は十分はなれているため、採光や通風にも問題はありません。


前述したように敷地内には生活に必要な環境が整っている場合もあり、周辺環境や住環境のよさも団地投資の大きなメリットとしてあげられます。


ファミリー層入居者が多いため長期入居が期待できる

そもそもの団地物件はファミリー向けの間取りがほとんどでした。そのためリフォーム後の入居ターゲットもファミリー層がメインとなっています。

ファミリー向けの賃貸物件は、単身者向けの物件と比較して、長期入居になる傾向が強いです。


入居者が短期間で退去してしまうと、そのたびに原状回復費用や入居者募集費用が必要になります。また空室期間は家賃も得られません。


実際、団地物件を選ぶ入居者の多くは賃料の安さや住環境のよさに惹かれた、小さな子供を持つファミリー層です。特に敷地内に幼稚園や小学校などが設置された団地物件は、ファミリー層の長期入居が期待できるでしょう。


団地投資を成功させるための注意点

成功 サクセス 吹き出し

団地投資で安定した賃料を得るためには、通常の不動産投資と異なる部分があるのでしょうか?ここでは団地投資を成功させるための注意点を解説します。


管理体制のよい団地を選ぶ

価格が安く高利回りを実現しやすい団地物件ですが、基本的に団地は築年数の経過した物件が多く老朽化が懸念されます。そのため団地物件を購入する際は管理体制の確認が重要です。


これまでの建物の点検頻度や修繕実績、今後の修繕計画などが明確になっているか確認しましょう。

また周辺環境も団地投資の重要なポイントです。購入を検討している団地の劣化具合や敷地内の共有施設などを確認するためにも、かならず現地調査をおこなうことをおすすめします。


エレベーターの有無を確認する

築年数の古い団地は4階建てや5階建てであっても、ほとんどの物件でエレベーターは設置されていません。そのため、一般的なマンションは高層階になるほど家賃が高くなる傾向にありますが、エレベーターのない団地はその逆に高層階になるほど価格が安くなります。


価格が安い=賃貸需要が少ないため、入居付けのためには家賃を低く設定しなければならず収入が減ってしまいます。そのためエレベーターのない団地を購入する場合には低層階を選ぶのがおすすめです。


ただし、あえてエレベーターのない団地の5階部分の物件を格安で購入し、費用をおさえてリフォームしたうえで安めの賃料で賃貸するという投資方法で成功する例もあります。この方法は空室リスクが高まるため、同じ団地内の5階部分の物件の空室率や入居率などを確認した上で慎重に判断する必要があることを覚えておきましょう。


リフォームは費用対効果を重視する

築古の団地物件は間取りや内装・設備も古い状態のままの場合も少なくありません。そのため、しっかりと入居付けができるようにリフォームやリノベーションが欠かせません。


しかし団地物件は家賃相場が低いため、いくら購入価格が安くても、リフォームやリノベーションにお金をかけすぎると利回りが悪くなってしまいます。リフォームをおこなう際は、きちんと費用対効果を考えたうえで工事の計画を立てましょう。


特に部屋を丸ごとリノベーションするには多額の費用が必要です。できるだけ費用をおさえたい場合は、リフォームにお金をかける箇所を絞ることでコストカットにつながります。

リノベーションの候補として注目したいのは浴室やキッチンなどの水回り周辺です。ただし水回り周辺のリノベーション費用は高額な場合が多いです。


水回りを中心にリノベーションする場合は、ほかの箇所は安価に済ませるなどの工夫が必要になるかもしれません。また自分でできる部分はDIYで対応することで、費用の削減につながります。


失敗しないリフォームの確認方法

賃貸物件のリフォームで失敗する要因は、入居ターゲットのニーズにあわない部屋であると考えられます。そのため入居ターゲットを特定し、そのターゲットのニーズにあった部屋づくりが必要になります。


居住者数が多い団地は、ひとつのコミュニティとして機能しています。そのコミュニティに参加したい=団地に住みたいと考えているのがどういった属性の人なのかがわかれば、ターゲットを明確にできるでしょう。


入居ターゲットが特定できたら、ターゲットに好まれるリノベーションをおこなうことで、入居者に選ばれる物件に近づけることが可能になるのです。


管理費や修繕積立金が高すぎないか

団地物件を所有した場合、区分マンションと同じように、管理費や修繕積立金の徴収が毎月おこなわれます。しかし築古物件の場合、これらのランニングコストの設定額が高額なケースも少なくありません。


管理費は廊下や階段、団地内施設などの共用部分の日常的な清掃やメンテナンスなどの費用です。管理費がなければ共用部分の維持管理ができず、あっという間に共有部分が荒れてしまうでしょう。


修繕積立金についても、外壁塗装や屋上などの防水塗装などをおこなう大規模修繕に欠かせない費用です。大規模修繕をおこなわずにいると建物や設備が劣化し、物件価値の低下につながります。


どちらも物件の価値を維持するうえで必要不可欠な費用ですが、築年数が経過した物件ほど修繕箇所が増えて修繕費は高くなるため、段階的に管理費や修繕積立金も上がっていくのが一般的です。


得られる賃料水準が低い団地物件はランニングコストが高額になればなるほどキャッシュフローを圧迫します。団地物件の購入を検討する際は、毎月発生する固定費も考慮する必要があるのです。


不動産投資用団地物件の探し方

虫眼鏡 間取り図 探す

不動産投資を団地物件でおこなう場合、肝心の団地物件はどのように探せばよいのでしょうか。

団地物件を効率よく見つけるには、投資したい団地のあるエリア周辺で営業している不動産業者のホームページを探し、そこで団地物件の検索をおこないましょう。


なぜなら、団地物件にかぎらず不動産を売却したい所有者は、まず近くの不動産業者に相談をすることが多いです。

そして地元の不動産業者は、売主と買主から手数料を受け取りたいのでポータルサイトではなく、自社のホームページに公団の売り物件を載せる傾向があるのです。


団地物件を探す手順は以下のようになります。


  1. 投資したい団地のエリアを決める
  2. エリア周辺で営業している不動産業者のホームページを検索する
  3. 不動産業者のホームページに掲載された物件から団地物件を検索する
  4. 気に入った団地があれば業者に問い合わせる

団地は全国にあるので、根気よく探すことが大事なポイントです。


また首都圏の団地物件(UR(公団)・公社)を取り扱っている不動産会社も存在します。

東日本住宅 https://higashinihonjutaku.jp/lp/index.html



大手不動産ポータルサイトで団地物件を見つけにくいのはなぜ?

実は、「SUUMO」や「LIFULL HOME'S」といった大手の不動産ポータルサイトでも団地物件は見つかりますが、その数は非常に少ないはずです。


その理由は、団地物件の価格にあります。前述したように、団地物件は相場に比べて売買価格が非常に安いです。価格が安いということは、売買を仲介した不動産業者に支払われる仲介手数料も安くなります。


仲介手数料は不動産の売買価格によって変動するため、売買価格が高ければ仲介手数料も高くなり、売買価格が安ければ仲介手数料も安くなるのです。

また不動産業者が受け取れる仲介手数料には上限が定められています。


たとえば、仲介手数料の上限が50万円の物件を不動産業者自身で仲介した場合、仲介手数料として売主と買主の両方から50万円ずつ合計で100万円受け取れます。(これを「両手取引」と呼びます)


一方でポータルサイトに物件を掲載した場合、買主から物件探しを依頼された別の不動産業者が間に入る可能性があるのです。この状態で売買が成約した場合、買主が支払う仲介手数料を受け取れるのは別の不動産業者となり、もともとの不動産業者が受け取れる仲介手数料は売主から支払われる50万円のみになります。(これを「片手取引」と呼びます)


そもそも少ない手数料の団地物件。受け取れる手数料が半分になってしまう可能性があるのに、わざわざポータルサイトに団地物件を登録する業者はまずいません。

こういった理由から大手不動産ポータルサイトには団地物件が少ないのです。


まとめ

団地でおこなう不動産投資が注目を集めている理由のひとつが、相場よりも価格が安く、高利回りを実現できる点にあります。ただし築40年を超える団地も少なくなく、賃貸物件としてしっかり賃料を得るにはリフォームは必須となります。


ただし、団地物件は価格が安いですが、家賃相場も低くなります。あまりリフォームに費用をかけてしまうと、せっかくの利回りが悪化するため注意が必要です。

リフォームをおこなう際はターゲットを特定したうえでニーズを絞ることで、団地投資を成功へと近づけるでしょう。

一覧に戻る