不動産投資をおこなう目的とは?失敗しない2大ポイントを解説!
2023/04/07

不動産投資をおこなう目的とは?失敗しない2大ポイントを解説!

不動産投資とは?不動産投資信託「 J-REIT(ジェイリート)」とは「不動産小口化商品」とは不動産投資をはじめる人はなにを目的としているのか?目的1:安定した収入を得る目的2:節税対策として目的3:生命保険代わりとして失敗しない不動産投資の2大ポイント物件選びを間違えない不動産投資の知識を勉強するまとめ

サラリーマンや主婦にも人気の不動産投資ですが、どのような目的を持って不動産投資をおこなっているのか、興味のある人も多いのではないでしょうか。

不動産投資にはさまざまな目的がありますが、今回は不動産投資の目的で代表的なケースを紹介します。また不動産投資の基礎知識と失敗しない不動産投資に必要なポイントについて解説します。


不動産投資とは?

不動産投資とは、土地や建物などの投資用不動産を購入・運用し、賃料や売却で利益を得る投資方法です。


不動産投資の収益には2種類あり、ひとつは「賃料収入(インカムゲイン)」と呼ばれ、投資用不動産を第三者に貸し出して得ます。インカムゲインの大きな特徴は、入居者から毎月決まった額の賃料(家賃)を受け取れるため、比較的安定した収入が期待できる点にあります。


反面、短期間で大きな収益を得ることはできません。また物件購入時のローン返済や物件の修繕費や管理委託費などの経費、固定資産税などの税金などは家賃収入から支払う必要があります。よって「家賃収入=利益」ではないため注意が必要です。


もうひとつが投資用不動産を売却して得る「売却益(キャピタルゲイン)」になります。キャピタルゲインは、物件購入時よりも高値で売却できれば短期間で大きな利益を得ることが可能です。


なお、インカムゲインとキャピタルゲインの両方を得られるケースもあります。

たとえば、不動産価格が下落していた時期に不動産を購入した不動産を運用してインカムゲインを受け取ります。その後、購入時よりも高く売れるタイミングで物件を売却できればキャピタルゲインを得られるでしょう。


ただし、大きな売却益を得るためには土地の見きわめが非常に重要です。これは不動産投資のプロでも見きわめはむずかしいと言われています。物件を見誤ると「売却損(キャピタルロス)」となってしまうこともあるため注意が必要です。

そのため、売却益目当ての不動産投資は不動産投資初心者にはおすすめできません。


不動産投資信託「 J-REIT(ジェイリート)」とは

REIT(リート)とは、「Real Estate Investment Trust(不動産投資信託)」の頭文字を取った金融商品です。その名称のとおり、マンションをはじめ、オフィスビルや商業施設などの不動産へ投資します。

なお海外のREIT と区別するため、日本ではJapanの頭文字をつけて「J-REIT」と呼ばれています。


J-REITは、複数の投資家から不動産の購入資金を集め、不動産のプロが運用し、得られた賃料収入や不動産の売却益を投資額に応じて投資家に分配する仕組みです。


投資額はJ-REITの商品によって異なりますが、一口あたり数万円から数十万円程度と少ない資金で不動産投資がおこなえるので、現物不動産投資のように金融機関の融資を受ける必要がありません。

そのため不動産投資初心者や自己資金が少ない人、属性の低い人や自由業など融資をうけにくい人でもはじめやすいのが特徴です。


また取引所に上場されているJ-REITは、上場株式と同様に証券会社の窓口やインターネット取引を通じて売買することができます。現物不動産の売買には、最短でも1~2ヶ月はかかるため、流動性がよい点はJ-REITの大きなメリットです。


一方、J-REITは金融市況や不動産市況の影響を受けやすく、価格の変動によって収益も大きく変動する可能性があります。またほとんどのJ-REITが元本保証されていない金融商品なため元本割れのリスクには注意が必要です。

加えて、投資法人の倒産や上場廃止によるリスクもあることを十分理解しておきましょう。


J-REITについて詳しくはこちら!>>少額で不動産投資ができるREIT(リート)のメリット・デメリットを解説!


「不動産小口化商品」とは

不動産小口化商品とは、事業者がひとつの不動産を一口あたり数万円~100万円程度の小口にして販売し、不動産を運用して得た賃料や売却益などの利益を投資額に応じて投資家に分配する仕組みの金融商品です。


不動産小口化商品の大きな特徴は、都心のオフィスビルなど好立地にある超高額不動産物件を少額で投資できる点があげられます。

また不動産小口化商品には以下の3種類があります。


匿名組合型

匿名組合型の大きな特徴は、有限責任な点にあります。万が一、元本割れした場合も投資した金額以上に責任を負わなくてよいため安心です。一口あたり数万円程度から投資でき、運用期間も数ヶ月から5年程度と短期間のものが多いので不動産投資初心者にもおすすめです。


任意組合型

投資家が不動産の所有権を保有でき、相続時には現物不動産同様、相続税評価額で計算されます。そのため相続税対策につながります。

一口あたり100万円以上で運用期間は10年以上のものが多く、長期に渡って安定した収益を得たい人におすすめです。


賃貸型

商品自体が少なく、欲しくても購入できないのがデメリットと言われるのが賃貸型の不動産小口化商品です。

購入した不動産を事業者に賃貸して管理・運用をしてもらいます。一口あたり100万円以上から、運用期間は10年以上の長期投資が多いため、運用次第では長期にわたって安定した収入が期待できます。


不動産小口化商品ついて詳しくはこちら!>>不動産小口化商品ついて詳しく解説!種類やメリットとデメリットは?


不動産投資をはじめる人はなにを目的としているのか?


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不動産投資には多くのメリットがあり、不動産投資をはじめる人の多くは、そのメリットを求めて不動産投資をおこないます。ここでは、不動産投資をはじめる人が目的とするおもなメリットについて解説します。


目的1:安定した収入を得る

不動産投資をはじめる人の多くは、物件を入居者に賃貸して得る家賃収入を目的しています。

不動産投資は、ミドルリスク・ミドルリターンの投資と言われます。株式投資やFXのように短期間で大きな収益を得ることはむずかしいですが、保有資産の価値が急に下がってしまうリスクも少ないため、長期的に安定した収益が期待できます。


また定期預金のようなローリターンでもありません。不動投資の利回りは、物件の種類や地域によって異なりますが、全国の利回り平均は以下のようになります。


  • 区分マンション:利回り7.35%
  • 一棟アパート:利回り8.17%
  • 一棟マンション:利回り7.80%

参考:健美家『収益物件 市場動向四半期レポート(2022年7月~9月期)


株式投資やFXのようにハイリスクではなく、定期預金よりもリターンが大きいため、不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンの投資と言われる所以なのです。


不動産投資の利回りについて詳しくはこちら!>>不動産投資の平均利回りは何%?リスクの高い物件の具体例を解説


目的2:節税対策として

不動産投資をおこなうことで、「所得税(住民税)」「相続税」「贈与税」そして「法人税」の節税につながる可能性があります。それぞれの節税対策につながる理由は以下のようになります。


所得税・住民税の節税

サラリーマンなどの本業を持つ人が不動産投資をおこなった場合、所得税と住民税の節税効果を得られる可能性があります。


不動産投資で所得税や住民税が節税できる仕組みには「減価償却費」と「損益通算」が関係します。

まず減価償却費とは、建物や建物に付随する設備などの固定資産の取得にかかった費用の全額をその年には計上せず、法定耐用年数に応じて分割した金額を数年にわたって経費として計上できる会計処理方法です。


減価償却費の大きな特徴は、実際の出費はないにも関わらず毎年経費計上できる点です。現実の支払いはしていなくても、会計上の経費は増えるため利益が減ります。

すると課税対象となる所得額が減少するため納税額が減り、結果として節税につながるのです。


さらにサラリーマンのように本業の所得(給与所得など)がある人が不動産投資をおこなっている場合、確定申告をおこない、給与所得と不動産所得を合算して課税所得を算出し、それによって所得税額が決定します。


その際、不動産所得が赤字(マイナス)だった場合、給与所得から不動産所得のマイナス分を差し引きする「損益通算」をおこなえます。

ここでのポイントは、先に述べた減価償却費を経費計上して会計上の赤字をつくり損益通算することにあります。その結果、手持ちのお金を減らすことなく所得税と住民税を減らすことができるため節税につながるのです。


減価償却について詳しくはこちら!>>不動産投資の減価償却についてわかりやすく解説!節税ポイントも


損益通算について詳しくはこちら!>>不動産投資の損益通算で節税しよう!計算例や注意ポイントを解説



不動産投資の節税について詳しくはこちら!>>不動産投資でできる節税方法!4種類の税金ごとに仕組みを解説


相続税・贈与税の節税

同額の現金を相続した場合に比べ、不動産の相続税評価額は時価よりも低く評価されます。たとえば、現金1億円の相続税評価額はそのまま1億円ですが、1億円で購入した不動産の評価額は、土地は時価の8割程度、建物は時価の7割程度に評価されます。


そのため、1億円の不動産の評価額は約7,000万円~8,000万円程度となり、結果的に現金で相続する場合よりも相続税の節税につながるのです。


さらに相続する土地に賃貸用建物が建っている場合、要件を満たせば貸家建付地や小規模宅地の特例が適用され、さらに評価額を下げることも可能です。

このように不動産には、相続税評価額が低くなる要素が多いため、相続税の節税対策に効果が期待できます。


相続税について詳しくはこちら!>>不動産投資が相続税対策になる理由を解説!負動産にしないヒントも


また贈与税の計算にも、相続税率を決める際にも用いた「相続税評価額」が使用され、不動産価額の評価額は時価よりも低く評価されます。そのため現金で贈与を受けるより不動産として受け取ったほうが、贈与税がおさえられるのです。


不動産投資の節税について詳しくはこちら!>>不動産投資でできる節税方法!4種類の税金ごとに仕組みを解説


法人税の節税

不動産投資の規模が大きくなり不動産所得が増えた場合、所得税も増えてしまいますが、法人化することで節税効果が得られる場合があります。


なぜなら、ある程度課税所得が大きくなると、所得税として支払うよりも法人税として支払うほうが、税率が低くなるのです。


【所得税の税率】

引用:国税庁『No.2260 所得税の税率


【法人税の税率】(令和3年4月1日現在法令等)

参考:国税庁『No.5759 法人税の税率


個人で不動産投資をおこなう場合、所得税+住民税(10%)の最大税率は55%ですが、法人税の最大税率は23.2%です。(実際は地方法人税、法人住民税、事業税、地方法人特別税など、法人の所得に関するさまざまな税金が加わるので、実効税率はこれよりも高くなります)


このように一定の所得を得られるようになった時点で法人化すれば、所得税よりも法人税のほうが安くなり、結果的に節税につながるのです。


ただし、法人化にするには、株式会社で25~30万円程度、合同会社で10~15万円程度の設立費用がかかります。また設立してからも従業員の社会保険料の負担や法人住民税などの費用が発生します。法人化は、個人事業主にはなかった経費や税金にも留意したうえで検討しましょう。


不動産投資の法人化について詳しくはこちら!>>不動産投資で法人化するタイミングやメリットを解説!会社設立手順も


目的3:生命保険代わりとして

不動産投資で金融機関から融資を受ける際、「団体信用生命保険(団信)」に加入することで、保険代わりとしての効果が得られます。(なお金融機関によっては、団信への加入が融資条件の場合もあります)


団信とは、ローン返済中にローン契約者が死亡または高度障害などになった場合、ローンの残債が保険から支払われる保険システムです。

遺族(または本人)には、ローンが完済した物件が受け渡されるので、そのまま賃貸経営をつづけて家賃を得ることが可能です。また売却して、生命保険代わりにまとまった金額を受け取ることもできます。


ただし、団信の保障期間はローンの返済期間内です。ローンを利用していない、またはローン完済後は団信の保障を受けられないため注意しましょう。


団信について詳しくはこちら!>>不動産投資の保険を解説!生命保険代わりになる?火災保険や特約も!


失敗しない不動産投資の2大ポイント

ポイント 水色 色鉛筆

不動産投資で失敗しないためには、以下の点に注意しましょう。

  • 物件選びを間違えない
  • 不動産投資の知識を勉強する

それぞれについて詳しく解説します。


物件選びを間違えない

不動産投資の成功の可否は賃貸物件選びにかかっていると言っても過言ではありません。

賃貸経営のおもな収入源は入居者が支払う家賃なので、できるだけ空室がすぐ埋まるような、立地や利便性がよく、入居ニーズが高く安定した家賃収入を見込める「資産価値の高い物件=好立地物件」を選びましょう。


都心部の場合、賃貸需要が落ちない人気エリアで駅から近距離の物件が好まれますが、ファミリー向けをターゲットにした場合は駅から距離があっても子供の通う学校や幼稚園周辺が選ばれやすい傾向があります。


また自家用車で移動するのが一般的な地方都市などは、好立地の条件が都心部とは異なります。たとえば駅から遠くても駐車場がある物件であれば、ある程度の賃貸需要は見込めるでしょう。買い物施設も同様で、車で移動できる範囲内であれば、多少距離があっても問題にならない場合も多いです。


なお、投資用物件の収益力や資産価値は、不動産投資ローンの融資審査にも関係します。

さらに「出口戦略」を見据えて収益物件を選ぶとよいでしょう。


不動産投資の出口戦略について詳しくはこちら!>>不動産投資の成否は出口戦略で決まる!できるだけ高く売る方法とは?


不動産投資の知識を勉強する

不動産投資をおこなうにあたって基本的な知識を身に着けておくことは、自分に不利な状況を回避するために役立ちます。


知識がまったくない状態で不動産投資をはじめてしまうと、たとえば営業マンのセールストークを鵜呑みにし、収益性の低い不動産を購入してしまうかもしれません。また誤った方法の空室対策をおこなってしまい、費用ばかりかかって効果が得られないことも考えられます。知識の有無が今後の不動産投資の明暗を分ける可能性も非常に高いのです。


不動産投資の勉強方法として代表的なものは、本での独学やセミナー(オンラインセミナー)への参加があげられます。加えて現役大家さんの失敗・成功体験談も不動産投資の参考になるでしょう。

自衛のためにも、不動産投資の基礎知識を身につけておくことをおすすめします。


不動産投資セミナーの選び方はこちら!>>【初心者向け】優良不動産投資セミナーの選び方!注意ポイントも紹介


まとめ

不動産投資の代表的な目的を紹介しました。不動産投資の魅力はミドルリスク・ミドルリターンの点にあります。不動産投資をはじめる人のなかには、安定した収入を長期にわたって得られることを目的している人は多いです。

今回紹介した節税効果や生命保険代わりになるほかにも、不動産投資には多くのメリットがあります。


不動産投資に興味がある人は、少しだけでも不動産投資について勉強することで、ぐんと不動産投資への理解が深まるでしょう。

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