不動産投資物件が売れない5つの理由!売るためにできる3つのこと
2023/02/20

不動産投資物件が売れない5つの理由!売るためにできる3つのこと

売れない不動産投資物件のリスク不動産投資が赤字でもランニングコストはなくならない近隣トラブルにつながるおそれがある不動産投資物件が売れない5つの理由相場よりも価格が高い不動産会社の広告や宣伝活動に問題がある物件そのものに問題がある融資がつかない売却のタイミングが悪い売れない不動産投資物件を売るためにできること価格を見直す不動産仲介業者を変えるマイソクやポータルサイトの記載内容を見直す売れない不動産投資物件の最終的な処分方法は?買取再販業者に買い取ってもらう第三者に寄付する土地を放棄するまとめ

不動産投資用物件を買手がつかず売れなかった……。収益物件が売れないのには、なんらかの理由があると考えられます。また売れない不動産を売却するには、どのような方法があるのでしょうか。

今回は、売りたくても売れない不動産投資用物件について、売れない5つの理由と売却するためにできる3つのアイデアを解説します。

所有する収益物件が売れずに困っている人は、ぜひ参考にしてください。


売れない不動産投資物件のリスク

不動産投資をはじめたが、当初計画した通りの家賃収入が得られず赤字がつづくと、所有する区分ワンルームマンションやアパート物件を売却してローンを完済しようと考える人は多いでしょう。ところが売却したくても買い手がつかず物件が売れない……。実際、このようなケースは少なくありません。


このような売りたくても売れない不動産は、保有しつづけると以下のようなリスクを生むため、一刻も早く手放す必要があります。


不動産投資が赤字でもランニングコストはなくならない

不動産投資では、金融機関から融資を受けて収益物件を購入するのが一般的です。そして、入居者が毎月支払う家賃収入から月々のローンを返済していきます。


収支計画通りに運用がおこなえる場合は問題ありませんが、空室の増加などで家賃収入が減少したり想定外の修繕費用が発生したりすることで収支が「赤字」になってしまう場合があります。

しかし赤字になってもランニングコストは支払う必要があるため、自己資金などから持ち出して対応しなくてはなりません。


所有している収益物件の種類によって異なりますが、ランニングコストには以下のようなものがあります。


  • ローン返済金
  • 管理費
  • 水道光熱費
  • 損害保険料
  • 固定資産税、都市計画税
  • 雑費

持ち出す資金がなくなるとローンを支払えなくなります。物件を売却できれば残債を返済することができますが、売れない場合は最悪、差し押さえになる可能性も考えられます。

このように売れない物件は持っているだけで大きなリスクにつながるのです。


費用について詳しくはこちら!>>不動産投資の仕組みをわかりやすく解説!種類や費用についても


近隣トラブルにつながるおそれがある

戸建て賃貸住宅や一棟アパートなどは、売れないからといって放置すると、近隣住人からのクレームになる可能性があります。


庭や植え込み付きの不動産を持っている場合、定期的に雑草や庭木の手入れをおこなう必要がありますが、それらを怠ってしまうと樹木が隣地に越境したり、害虫が発生したり、さまざまな被害が考えられます。


また空き家を放置すると不法占拠や放火などの危険性もあり、苦情だけでなく損害賠償問題などに発展することがあるため注意が必要です。


不動産投資物件が売れない5つの理由

家 電卓 クエスチョンマーク

収益物件が売れないのは、なんらかの理由があるはずです。ここでは、不動産投資用物件が売れない5つの理由について解説します。


相場よりも価格が高い

収益物件が売れない理由の大きな要因のひとつに、売り出し価格が相場より高いことが考えられます。少しでも高く売りたい気持ちはわかりますが、買主の多くは少しでも安く買いたいと考えます。

ようするに売主と買主のニーズが合致しないことが、売れない原因になっているのです。


不動産会社の広告や宣伝活動に問題がある

収益物件が売れないのは、不動産会社の広告や宣伝不足の可能性があります。

不動産の売却率を上げるためには、できるだけ多くの人に見てもらう必要があります。そこで重要になるのが不動産会社の広告や宣伝活用です。


不動産売却時の広告方法には以下のようなものがあります。


  • チラシによる新聞折り込みやポスティング
  • 住宅情報誌やフリーペーパーなどへの広告掲載
  • 自社ホームページや不動産ポータルサイトへの物件登録
  • レインズへの登録
  • 現地看板、オープンハウス

物件が売れない場合は、ポータルサイトに掲載されているか、どういった宣伝をおこなっているのか不動産会社に確認してみましょう。


また、宣伝活動とあわせて不動産会社に確認したいのが、売買の優先順位です。

不動産会社の目的は、売買契約背率時に報酬として受け取れる仲介手数料ですが、この仲介手数料の金額は物件の売買価格に応じて変化します。

そのため、取引額が大きな物件の売買が優先されやすくなります。


収益物件が売れないのは優先順位が低い可能性もあるので、こまめに進捗状況を確認するなど不動産会社にプレッシャーをかけましょう。


物件そのものに問題がある

物件のなんらかのネガティブ要因から売れない可能性もあります。ネガティブ要因としては以下のことが考えられます。


  • 築年数が古い(多額の修繕費用が予想される、旧耐震基準の建物など)
  • 立地が悪い(駅から遠い、近隣に嫌悪施設があるなど)
  • 大規模修繕が近い(購入後の大規模修繕工事が必須である)
  • 利回りが低い(空室が多い・ランニングコストが高いなど)

融資がつかない

築古物件で耐用年数を超過している物件は物件の担保力が低く、金融機関の融資が付きにくくなります。そのため買い手が付かず、売れ残っている可能性があります。


売却のタイミングが悪い

投資用不動産物件は、売却しやすい時期と売却しにくい時期があります。

一般的に不動産市場には引っ越し時期が大きく影響すると言われており、売却活動が活発化する3月と9月に広告を出すことで購入希望者が現れることがあります。


引っ越しが少ない5月や8月は売却しにくくなるため、売却しやすい時期を狙って宣伝を開始しましょう。


売れない不動産投資物件を売るためにできること

ここでは、不動産投資物件を少しでも高く売るためにできることを紹介します。


価格を見直す

売却価格は時期や競合物件の数によって変わる場合もあります。売却価格の設定から時間が経っている場合は、相場よりも価格が高くなっている可能性があるため、ポータルサイトなどでエリアの適正価格を調べたうえで価格の見直しをおこないましょう。


ただし相場から大幅に低い価格にしてしまうと、「ネガティブ要因があるのでは?」と警戒されてしまい、買い手がつきにくくなる場合があるため注意が必要です。そのため価格を決める際は、査定を受け、その結果を参考に適切な価格を設定しましょう。


多少の赤字には目をつぶる必要も

投資用不動産は純粋に「利益」目的で購入されます。逆に考えれば、利益さえ出れば購入される可能性があるのです。


そのため、売主としてはできるだけ高く売りたい、売却益を得たいとの思いがあっても、不動産事業者の客観的な評価(査定)を元に適正価格で売り出す必要があります。

設定した価格によっては売却損になることもあるかもしれませんが、赤字物件を持ち続けていることを考えれば損切してでも売却したほうが、長い目で見ると得になるケースもあることを覚えておきましょう。


不動産仲介業者を変える

収益物件が売れないときは、仲介を依頼している会社を変更することで売却できる可能性があります。

営業不足や広告・宣伝活動が不足しているとなかなか売却できません。以下の場合は不動産会社の変更を検討するとよいでしょう。

  • 内覧件数が極端に少ない場合
  • 3ヶ月経っても売れない場合
  • 営業や宣伝の見直しを依頼したが実行されなかった場合

複数の会社と契約できる「一般媒介契約」であれば、契約中の不動産会社と平行して他社にも依頼が可能です。「専任媒介契約」や「専属専任媒介契約」の場合、契約できるのは1社のみです。その場合は、契約満了後に更新しない意思表示をし、別の不動産会社と契約を結びましょう。


ただし不動産会社を変更したからといって、すぐに物件が売れるとはかぎりません。新たな不動産会社と契約を締結する前に、複数の会社を比較検討して、信頼できる仲介会社を選びましょう。


不動産仲介会社の選び方について詳しくはこちら!>>不動産投資で信頼できる仲介業者選びのポイント6つ!NGポイントも

マイソクやポータルサイトの記載内容を見直す

売却したい物件資料に使用している画像や紹介文の見直しをおこなうことで、内覧者が増え、売却できる確率が上がります。


具体的には、マイソクや不動産ポータルサイト・不動産会社のホームページで使われている物件画像を物件の魅力が伝わるような最新のものと差し替えましょう。

マイソクとは、物件の間取りや価格、最寄り駅などの物件情報が記された資料を指します。見直す場合は以下のポイントを確認し、間違い箇所の修正や情報の追加をおこないましょう。


  • 地域の便利施設(銀行や郵便局、びょういんなど)が記載されているか
  • 管理組合の情報が記載されているか
  • 近隣のスーパーマーケットやコンビニの情報が載っているか
  • 電車だけでなく最寄りのバス停の情報も載っているか
  • PR文章が平凡でないか

とくに不動産ポータルサイトは多くの不動産投資家が閲覧するため、確実に目が留まる画像が必要です。画像の明るさや構図にこだわり、魅力的に見える工夫を凝らしましょう。


物件の撮影はオーナー様自身でもおこなえますが、自信がない場合は不動産会社に依頼しましょう。プロのカメラマンに撮影してもらうことで売却不動産の魅力をより引き出せます。撮影は有料ですが、売却できる可能性が上がるので。検討してもよいかもしれません。


売れない不動産投資物件の最終的な処分方法は?


不動産を売るために、できるかぎりのことをしても売れない場合もあります。ここでは売れない不動さんの最終的な処分方法について解説します。


買取再販業者に買い取ってもらう

不動産の売却は仲介を通じて売却するのが一般的です。

しかし仲介を通じて売れないときは、「買取再販業者」という不動産会社の買取を検討してもよいでしょう。買い取りには、以下のメリットとデメリットがあります。


【買取のメリット】

  • 1週間~1ヶ月程度で売却ができるので、すぐに現金に換えられる
  • 内覧をせずに売却できるので内覧の手間が省ける
  • 一般的な売却では必要になる仲介手数料が不要
  • 契約不適合責任がないので引き渡し後の修繕費などの費用負担がない
  • チラシや宣伝をおこなう必要がないので、近所に知られずに済む

仲介を通じた場合、不動産の売却にかかる期間は平均3ヶ月ですが、買い取りでは最短で1週間程度とスピーディーな現金化が可能です。

また仲介手数料が不要な点と、契約不適合責任がないので修繕費などを負担せずに済む点は大きなメリットです。


【買取のデメリット】

  • 仲介で売却した場合と比べて売却価格が安くなる
  • 対象となる不動産が限られる

買取の場合、仲介で売却する際に付く価格の70~80%前後の値段になります。

また不動産買取業者は、どのような不動産でも買い取ってくれるわけではありません。買取対象のエリア外の物件や不動産会社が定める買取対象の条件に一致していない物件は、買取を拒否される場合があります。買取対象がどうかは不動産会社によって異なるので、買取を希望する際は問い合わせましょう。


第三者に寄付する

なにをしても売れない、所有していても損失が増えるばかりの「負動産」は、売却以外の処分方法として寄付(無償譲渡)してもよいでしょう。ただし不動産の寄付には、贈与税が発生する場合があるため注意が必要です。


また贈与税が不要なケースでも、寄付による不動産の所有権移転の際には、登録免許税や登記費用、不動産取得税などの費用が発生することを覚えておきましょう。


【寄付をする場合の候補】


1.自治体へ寄付する:寄付する側への課税なし


自治体は、使用する目的がなければ土地など不動産の寄付を受け付けてくれません。なぜなら、自治体にとって土地の所有者が支払う固定資産税は大事な収入源であるからです。また土地を管理するのにも手間と費用がかかります。

なお、自治体ごとに設けられた条件を満たせば無償で引き取ってくれる可能性があります。


2.個人へ寄付(譲渡)する:寄付する側への課税なし


個人間で土地を寄付する際、受け取ってもらいやすいのが「隣地の所有者に対して寄付すること」 です。隣地の所有者であれば、土地を有効活用しやすいですし、ふたつの土地をまとめてひとつの土地とすることも可能です。

ただし個人への寄付は相手方に税金がかかるため、費用に関する説明をしっかりおこなっておく必要があります。


3.法人へ寄付(譲渡)する:寄付する側への課税は譲渡所得として課税される


法人(会社)への寄付は、そもそも贈与税が発生するため、選択肢に入らないでしょう。


土地を放棄する

基本的に土地の所有権はいらないからといって放棄することはできません。ただし、両親が所有している土地などは、相続のタイミングで相続放棄をすれば、土地の所有権を放棄することができます。ただし相続放棄すると、処分したい土地だけでなく、そのほかの財産もすべて放棄しなくてはなりません。


ほかに相続する財産がなければ相続放棄することで固定資産税の納税義務はなくなりますが、ほかにも相続財産がある場合は、本当に相続放棄してもよいか慎重にはんだんすることをおすすめします。


まとめ

不動産投資用物件が売れないのは、相場よりも高い価格が設定されていたり、融資がつかなかったり、利回りが低いなど、なんらかの理由が考えられます。

物件を売却するには、物件価格の見直しや不動産会社を変更するなど、いくつかの対策方法が存在します。


不動産投資物件が売れない理由と売却するための対策をよく理解したうえで、不動産会社と相談しながら売却に向けて動いていくとよいでしょう。

一覧に戻る