不動産投資の仕組みをわかりやすく解説!種類や費用についても
2021/09/27

不動産投資の仕組みをわかりやすく解説!種類や費用についても

不動産投資の基本情報や仕組みを解説!収益の仕組みについて不動産投資にはどんな種類があるの?不動産投資の利回りについて不動産投資に必要な費用の種類は?不動産投資の特徴や他の投資と違いは?不動産投資のメリットとデメリット不動産投資で得られるメリット不動産投資のデメリット不動産投資をはじめるには?1.物件を選ぶ2.不動産投資ローン申し込み・売買契約の締結3.不動産の運用を開始するまとめ

不動産投資に興味があるけど、収益の仕組みやどんな種類があるのか、必要な費用がわからないといった人は大勢います。

そこで今回は、収益の仕組みや不動産投資で賃貸する不動産の種類、必要な費用など基本的な内容とあわせて、メリットやデメリットを解説していきます。


不動産投資をこれからはじめる人には、かならず役に立つ情報ばかりです。

ぜひ、不動産投資を開始するまえに当記事をご一読ください。


不動産投資の基本情報や仕組みを解説!


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ここでは不動産投資の基本情報として、以下のことをまとめました。

  • 不動産投資の収益の仕組みついて
  • 不動産投資の種類
  • 不動産投資の利回りについて
  • 不動産投資に必要な費用
  • 他の投資との違い

収益の仕組みについて

不動産投資で収益を得る方法は、家賃収入を得る「インカムゲイン」と売却益を得る「キャピタルゲイン」の2種類があります。


インカムゲインは、オーナーが購入した不動産投資物件を貸し出すことで借り手が支払う家賃収入がメインの収益です。

不動産投資物件を所有し、借り手がいる限りは収入が得られるのです。


家賃収入以外にも、毎月の家賃とともに支払われる共益費や賃貸借契約締結時に借り手が支払う礼金や更新料もオーナーの収益になります。


インカムゲインに対してキャピタルゲインは、所有する不動産物件を購入時の価格より高く売却することで得られる利益を指します。

不動産物件を手放すことでインカムゲインは得られなくなりますが、売却益としてまとまった金額を得ることができるのです。


なお、売却価格が購入時の価格よりも下回った場合は売却損「キャピタルロス」となります。


不動産投資にはどんな種類があるの?

不動産投資をおこなう物件にはどのような種類があるのでしょうか。

ここでは代表的な不動産投資の種類をまとめました。


区分マンション投資

分譲マンションを1室単位で購入し賃貸することで家賃収入を得る方法です。

マンション1室のみを購入するため、投資する金額が少額ですむため、不動産投資初心者でもはじめやすいです。


また、同じエリアにまとめることなく、好きなエリアに1室ずつ購入できるため、災害リスク対策の分散投資にもつながります。


ただし、1室しか所有していない場合は、空室期間が長く続くと家賃収入がゼロとなり自己資金を持ち出す必要があるため注意が必要です。


一棟(アパート・マンション)投資

アパートやマンションを一棟単位で購入し賃貸する不動産投資です。

一棟に複数の部屋があるため満室になれば大きな収入が得られますし、1室が空室になっても残りの部屋からの家賃収入があるため、収入がゼロになることは、ほぼありません。


デメリットとしては、一棟丸ごと土地付きで購入するため、中古物件でも購入金額が高額になることです。

購入者の属性によっては、金融機関の融資審査がむずかしかったり、場合によっては頭金を多めに入れる必要があるかもしれません。


戸建て投資

一戸建て住宅を購入して賃貸する不動産投資になります。

エリアなどにもよりますが、中古の戸建て住宅は比較的安価で購入できるため、資金が少な目も不動産投資初心者におすすめです。


戸建て賃貸のメリットは、多く場合はターゲットがファミリーなため、一度入居すれば長く住んでもらえる可能性が高いこと。

また、駅近が好まれるワンルームとは異なり、学校などの近隣であれば駅から多少離れていても入居者が付きやすいことにあります。


反面、中古戸建住宅を購入する場合は大掛かりなリフォームが必要なことも多く、予想以上の修繕費がかかることも。

また、エリアの戸建て需要などを考慮したうえで購入しないと、長期間の空室になる恐れがあります。


小額でできる不動産投資(REIT・クラウドファンディング)

多くの自己資金はないが不動産投資をしてみたいという人に人気なのが、少額できる不動産投資です。


ここでは、少額不動産投資ができる「REIT(リート)」と「不動産投資クラウドファンディング」を2種類紹介します。

REITは数千円から、不動産投資クラウドファンディングは1口1万円程度から不動産投資をはじめることがきるため、少しだけ不動産投資を試してみたい人にもおすすめです。


  • REIT(リート)

REIT(リート)は、不特定多数の一般投資家から資金を募り、その資金で不動産投資をおこない、得た収益が各投資家に分配されます。


REITの不動産は証券化されているため市場で売買が可能です。

そのため流動性が高く、換金も比較的簡単におこなうことができます。


ただし、REITでは投資家個人がどの不動産物件に投資するか選ぶことができません。

もしかすると利回りの低い物件に投資されてしまうこともあるため、注意が必要です。


REITについて詳しくはこちら!>>不動産投資と不動産投資信託「REIT」の違いは?メリット・デメリットも


  • 不動産投資クラウドファンディング

不動産投資クラウドファンディングは、インターネットを介して一般の投資家から集めた資金を元に不動産投資物件を購入し不動産投資をおこない、そこで得られた利益が出資した各投資家に分配される仕組みになります。


どの不動産物件に投資するか自分で選ぶことができ、物件情報の確認はもちろん、申し込みもインターネット上でおこなえる手軽さが魅力です。


なお、上記のREITと異なり、不動産投資クラウドファンディングは途中解約や売却ができません。

そのため、途中で現金化したい場合も換金できないため注意が必要です。


不動産投資クラウドファンディングについて詳しくはこちら!>>不動産投資クラウドファンディングとは?メリットとデメリットを解説


土地を貸す

更地状態の土地を貸し、賃料を得る不動産投資方法です。

オーナーは土地を貸すだけで、建物は借り手側が建築することになります。


土地のみを貸すため、建物の管理・維持費がかからず、オーナーの手間がかからないのが最大の魅力です。


ただし、建物を賃貸するのに比べて賃料が安く、立地や広さによっては借り手がつかないことも考えられます。


その他

上記以外にも、購入する物件や所有する土地や建物を活かして、次のようなかたちで不動産投資がおこなえます。


  • シェアハウス
  • 民泊
  • コインランドリー
  • トランクルーム
  • 駐車場

不動産投資の利回りについて

不動産投資物件を購入するにあたって、その不動産物件でどれだけの家賃収入が得られるのかを表す指標として「利回り」があげられます。


利回りとは、投資した金額に対して得られた利益を1年あたりの割合で表した数字で、「表面利回り」と「実質利回り」があります。


不動産物件情報などに記載されている利回りは、表面利回りのことが多いです。


【表面利回りの計算式】

表面利回り = 1年間の家賃収入 ÷ 不動産の購入価格 × 100

年間総収入を物件購入価格で割った数字が表面利回りになりますが、これには税金や保険料、管理費などの費用が含まれていません。


具体的な家賃収入額を知りたい場合は、実際にかかる経費を含んだ実質利回りを計算しましょう。


【実質利回りの計算式】

実質利回り = (1年間の満室時の家賃収入 - 1年間の維持管理経費) ÷ (不動産の購入価格+不動産の購入にかかる諸経費) × 100


不動産投資物件を選ぶ際には、まずは表面利回りを参考に物件を探し、実質利回りで購入するしないの判断をすることで、不動産物件選びで失敗する可能性を下げることが可能になります。


不動産投資に必要な費用の種類は?

不動産投資をおこなう際には、さまざまな費用が必要となります。

ここでは、不動産投資物件の購入時にかかる初期費用、不動産を運用する上で必要となる維持・管理費用をまとめました。


経費計上できる費用について詳しくはこちら!>>不動産投資で経費はどこまで認められる?正しく計上して節税を!

初期費用

不動産投資物件を購入する際は、物件の購入費用のほかに以下の初期費用がかかります。

なお初期費用は、頭金をいくら入れるかになどによって異なりますが、物件価格の8%~15%程度を目安にするとよいでしょう。


  • 頭金
  • 仲介手数料(不動産業者を介した場合)
  • 不動産投資ローン事務手数料
  • 保証会社保証料(+保証会社事務取扱手数料)
  • 登録免許税(登記料)
  • 司法書士報酬
  • 固定資産税・都市計画税
  • 火災保険料など保険料
  • 印紙税
  • 不動産取得税、登録免許税

上記以外にも、物件内覧のために地方に行った場合は交通費や宿泊代、物件調査を専門家に依頼した場合は調査料などがかかることがあります。


維持・管理費用

不動産投資物件を購入し、不動産賃貸業をおこなうにあたって、以下のような維持・管理費(ランニングコスト)がかかります。

物件の種類、管理委託するかしないかなどの条件によって維持・管理費用は大きく違いが出ますが、家賃収入の20~30%が目安になります。


  • 管理委託費
  • 不動産広告料(AD)
  • 修繕積立金・修繕費
  • 賃貸物件の管理委託費
  • ローン返済元金
  • ローン金利
  • 固定資産税・都市計画税
  • 所得税・住民税
  • 火災保険料など保険料


上記以外にも、交通費、税理士や弁護士への報酬、通信費といった費用が発生する場合があります。


不動産投資の特徴や他の投資と違いは?

投資方法には多くの種類がありますが、「ハイリスク・ハイリターン」の株式投資やFXなどに比べると、不動産投資は「ミドルリスク・ミドルリターン」の投資と言われています。


その理由は、不動産投資は長期間にわたっておこなわれる投資であること、地価が下落する場合でも急激な下落は起こりにくいことがあげられます。

また、おもな収入となる家賃額も急激な変動が少なく、入居者(借手)がいる限りは家賃収入を得られることがあげられます。


株式投資のように短期間で大きな利益を上げたり、一晩で投資資金を失う投資方法に比べると、不動産投資は短期間で大きな利益をあげることはできないかわりに、急激に投資資金を失うこともありません。


長期間にわたって安定した収入が得られるため、不動産投資がミドルリスク・ミドルリターンと言われる所以なのです。


不動産投資のメリットとデメリット

メリット デメリット 分割
ここでは不動産投資のメリットとデメリットをまとめました。

不動産投資で得られるメリット

レバレッジを効かせた投資が可能

不動産投資のメリットとして、まず「レバレッジ効果」があげられます。


レバレッジとは「てこの原理」を表し、少ない資金で大きな利益を得られることを指します。


不動産投資をおこなう際には、物件購入金額のほとんどを金融機関の不動産投資ローンを利用するため、自己資金の何倍もの資産を所有することが可能となるのです。


節税対策になる

不動産投資では、初期費用や維持・管理費など、多くの費用が必要です。

それらの費用を経費として計上することで所得税や住民税を低くすることができます。


また、相続税に関しても現金や株で相続するのに比べて、土地で相続すると相続税が安くなります。

現金で相続した場合の相続税評価額は額面通りですが、土地で相続する際の評価額は、土地は8割程度、建物は7割程度に評価されます。


相続税評価額が低くなるため、現金や株式で相続するのに比べて相続税をおさえることが可能なのです。


さらに「小規模宅地の特例」に該当する場合は330㎡までは相続税評価額の80%が減額されるため、より相続税対策につながります。


年金代わりになる

年金受給開始年齢が遅くなり、貯蓄と年金だけでは老後の生活が不安という人にとって、不動産投資で得られる家賃収入は私的年金の代わりになります。

また、物件管理や入退去管理などは不動産管理会社に委託できるため、老齢のオーナーでも手間をかけることなく収入を得ることができるのも大きなメリットです。


生命保険代わりになる

不動産投資ローンを利用する際、ほとんどの金融機関で「団体信用生命保険(団信)」に加入します。


団信とは、ローン返済中に契約者が死亡または高度障害状態などでローンの返済が困難な場合、保険金によって残りのローンが弁済される保険で、ローン残債がゼロになり、不動産投資物件は遺族が相続します。


そのまま遺族が不動産投資をおこなえば、毎月家賃収入が得られますし、不動産物件を売却すれば、まとまった現金の入手がでるため、生命保険代わりになります。


また最近では、ガン補償や8大疾病補償などの特約付き団信も登場しているため、より万が一に備えることもできるようになりました。


副業に向いている

不動産投資を副業としておこなっているサラリーマンは大勢います。

その人気の理由は手間がかからないこと。

不動産投資は、建物や入退去管理など手間のかかる部分は不動産管理会社に委託できるため、本業が忙しくても不動産投資をおこなえます。


また、不動産投資は金融機関から融資を受けて不動産物件を購入しますが、「給与」という安定した収入が補償されるサラリーマンの属性は融資審査の際に有利にはたらきます。

融資希望額にもよりますが、年収や勤続年数、勤務先の企業の規模によっては大きな不動産投資物件の融資を受けることも可能になります。


不動産投資のデメリット

不動産運用時のリスクがある

ミドルリスクの不動産投資ですが、投資である以上リスクはあります。

しかし、不動産投資のリスクは自分でコントロールできるものが多く、そのほとんどは不動産投資を開始する前、不動産投資物件を選ぶ際におこなうことができます。

不動産投資のリスクとその対策方法をまとめました。


  • 空室リスク

駅近物件、周辺に競合物件が少ないエリア、周辺環境のよい物件を購入しましょう。

また企業や学校などの周辺は賃貸需要が高いエリアですが、そこだけに依存すると倒産や移転してしまうと途端に入居付けがむずかしくなるので注意が必要です。


  • 家賃滞納リスク

入居審査の基準を厳しくする、家賃保証会社との契約を入居条件に加えるなどの対策が可能です。


  • 災害リスク

地震や水害被害を受けないよう、物件選びの際には地域のハザードマップを確認し、できるだけリスクの低いエリアに物件を構えるとともに、必要な保険に加入して万が一に備えましょう。


上記以外にも、家賃下落リスクや金利上昇リスクなどがありますが、いずれも物件を選ぶ際や事前に収支シミュレーションをおこなうことで、リスクのある物件を回避することが可能です。


流動性が低い

不動産投資物件は、売買に時間がかかるのがデメリットです。

通常、売却するには月単位の時間がかかるため、現金が必要になってもすぐに現金化することはむずかしいです。


不動産投資をはじめるには?

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ここでは、不動産投資の流れとともに物件選びの際の注意点をまとめました。

1.物件を選ぶ

不動産投資の成功は、物件選びにかかっていると言っても過言ではありません。

よい物件を選べば入居付けが楽になりますが、間違った物件を選ぶと空室が増えてしまいます。


優良物件の選びかたとして、以下のポイントをチェックしましょう。

  • 立地(駅からの距離、商業施設の有無、周辺環境等)
  • 実質利回り
  • 近隣の競合物件の有無や家賃相場
  • 近隣の再開発予定

また、収支シミュレーションをおこなって、目標額にあう物件かどうかのチェックも必要です。


2.不動産投資ローン申し込み・売買契約の締結

欲しい不動産投資物件が決まったら、金融機関に融資相談の申し込みをおこないます。

不動産会社の提携金融機関がある場合は手続きが簡単ですが、自分で金融機関を探す場合は、できるだけ多くの金融機関に相談することで融資を受けられる確率が高くなります。


相談時には、融資審査申し込みに必要な書類を持参すれば、その場で申し込みができるため時間の節約になります。

あらかじめ必要な書類を確認し揃えておきましょう。


融資の事前審査に通過すれば、不動産売買契約を締結し、融資の本審査にすすみます。

本審査に通過すれば物件の引き渡しがおこなわれます。


3.不動産の運用を開始する

いよいよ不動産投資物件を賃貸し、運用をはじめます。

物件の管理をオーナー自身でおこなうことも可能ですが、不動産投資初心者の場合は、管理委託することをおすすめします。


管理委託することで、入退去管理や家賃管理、清掃、修繕、入居者のクレーム対応などすべてをおまかせできるため手間がかかりません。

なお、不動産管理会社を選ぶ際には、入居付けに強い会社を選ぶとよいでしょう。


その後は、不動産管理会社と連絡を密にしながら、必要に応じて空室対策などをおこない、満室経営を目指しましょう。


まとめ

不動産投資の仕組みについて解説しました。

不動産投資は、ほかの投資方法に比べると安定した収益を長期に渡って得られるミドルリスク・ミドルリターンの投資方法です。


また、投資する物件の種類も豊富。

少ない資金で購入できる区分マンションや戸建ては、不動産投資初心者向きですし、慣れてきたら一棟アパートやマンションなどの大きな物件でさらに資産を増やすことも可能です。


最近では、REITや不動産投資クラウドファンディングなどの少額でできる不動産投資も人気です。


どの投資方法が自分に合うのか、当記事を参考にして不動産投資を成功させましょう。

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