不動産投資物件の間取りの種類を紹介!入居者に選ばれる部屋づくりを
2023/02/17

不動産投資物件の間取りの種類を紹介!入居者に選ばれる部屋づくりを

不動産投資物件の間取りの基礎知識間取りの部屋の種類間取り図に記載されているアルファベット記号の意味不動産投資物件で入居者に選ばれる間取りとは?単身者向けの好立地条件とおすすめの間取りファミリー向けの好立地条件とおすすめの間取り不動産投資で間取りを考える際の注意点人気の低い間取りの中古物件には要注意!バスとトイレは別にする間取りだけではなく充実した設備も大事まとめ

不動産投資を成功させるためのポイントは数多くありますが、物件の間取りもそのひとつです。収益物件を選ぶ際は入居ターゲットにあったエリアと間取りを選ぶ必要があります。

今回は不動産投資で物件の間取りの種類を紹介しながら、単身者とファミリー層向けの収益物件の選び方を解説します。

また物件を選ぶ際に間取り以外で注意するポイントについても説明しているので、ぜひ参考にしてください。


不動産投資物件の間取りの基礎知識

不動産物件の間取りについて「1R」や「3LDK」の意味は知っていても、間取り図に記載されている「DEN」や「CL」などのアルファベットの意味は知らないという人も多いでしょう。ここでは不動産投資物件の間取りの意味や種類を解説します。


間取りの部屋の種類

物件情報に表記されている「1R」や「3LDK」は、部屋(居室)の数と機能を表しています。ここでは一般的な間取りの種類と特徴を解説します。


1R(ワンルーム)

部屋のなかにキッチンが含まれている間取りです。マンションやアパートのなかでももっともコンパクトな間取りで、トイレと浴室と洗面台が一緒になっている「3点ユニットバス」の物件も多いです。


専有面積は狭いですが、その分家賃が安いのが特徴です。少しでも家賃をおさえたい学生などの単身者におすすめです。


1K(ワンキッチン)

部屋とキッチンの間に仕切りがある間取りを指します。居室の数は1つですが、キッチンと居室が分かれているので、ワンルームよりもゆとりがあります。キッチンの広さの基準は4.5畳未満となり、物件によっては冷蔵庫を置けるスペースが設けられている間取りもあります。

1Rよりも広い部屋に住みたい人や自炊をしたい単身者におすすめです。


DK(ダイニング・キッチン)

DKとは、食事ができるスペースとキッチンがひとつになっている部屋のことです。

なおLDKとDKに関しては、最低限必要な広さの基準が不動産公正取引協議会連合会によって設けられており、これらの基準は居室数によって異なります。


参考:公益社団法人首都圏不動産校正取引協議会『特定用語の使用基準


1Kよりもキッチンが広いので、冷蔵庫などの家電のほか、食器棚やダイニングテーブルなどの配置も可能です。


アパートやマンションの間取り図には「1DK」や「2DK」と表記されます。

1DKであれば1部屋+DKとなり、2DKは2部屋+DKというように、表記の数字が増えると部屋数も増えます。


1DKはおもに単身者や2人世帯(DINKSやルームシェア)に向いています。なお同じ単身者向け物件でも、1Rや1Kよりも家賃が高くなるので、社会人の単身世帯向けの間取りといえるでしょう。

2DKは2人世帯や小さな子どもがいる世帯向きです。3DK以上は通常のファミリー世帯がターゲットとなるでしょう。


LDK(リビング・ダイニング・キッチン)

LDKとは、居間とキッチンと食事ができるスペースがひとつになっている部屋のことです。前述のようにLDKに必要な広さの目安は8畳~10畳とされており、DKよりもさらにゆとりがあるのが特徴です。


「1LDK」は広い部屋に住みたい単身者や2人世帯、「2LDK」や「3LDK」以上の間取りは2人世帯やファミリーにおすすめです。


S(サービスルーム)

アパートやマンションの間取りで、「2LDK+S」「3SLDK」のように「S」がつく表記を見かけることがあります。Sとは「サービスルーム」を指しますが、居室としてカウントされません。


建築基準法において居室扱いにするためには、窓などの採光条件が床面積の1/7以上であることが条件です。設計の都合などでこの採光や換気の条件を満たせずに居室として認められなかった空間を「S(サービスルーム)」としているのです。


なお、サービスルームの広さや形状の基準はありません。物置など広めの収納スペースとして使用したり、書斎にしたり、便利なフリースペースとして利用できるのであれば重宝するでしょう。


また、サービスルームではなく「STO(ストレージ STOage)」として間取りに記載される場合もありますが意味は同じです。


LF(ロフト)

ロフト(Loft)とは、屋根裏部屋や中2階に配置されているスペースを指します。サービスルーム同様、建築基準法上の規定を満たしていないロフトは居室としてカウントすることができません。


なおロフトは専有面積に含まれないため、同じ専有面積の物件でもロフト付き物件のほうが部屋を広く使うことができるため、ロフト付きの物件は入居希望者に人気があります。


一方でロフト付き物件は、壁紙の張替え面積やロフト部分の床面積の分だけ貼り替えやクリーニングの負担が増えるので通常の部屋と比較すると原状回復費用が割高になる可能性があります。不動産投資でロフト付きの物件を選ぶ際は注意しましょう。


なお屋上(ルーフフロア)を「RF」で表記する場合もあります。


間取り図に記載されているアルファベット記号の意味

間取り図に記載されているアルファベットの記号はなにを意味するのでしょうか。ここでは間取り図でよく見るアルファベット表記の意味を紹介します。


・PS=パイプスペース(Pipe Shaft)

間取り図にこの記号が記載されている場所は、給水管や排水管が通っている「配管スペース」を指します。


・MB=メーターボックス(Meter Box)

電気や水道、ガスなどのメーターが格納されている場所を指します。基本的に業者が検針しやすいよう部屋の外、共用廊下の玄関近くに設けられています。


・CL=クローゼット(CLoset)

おもに衣類を収納する場所を指します。


・WIC=ウォークインクローゼット(Walk In Closet)

クローゼットよりも広く奥行きがある収納場所を指します。


・SIC=シューズインクローゼット(Shoes in Closet)

玄関脇に配置されている、靴を履いたまま出入りできる収納場所を指します。


・RBL=バルコニー(Roof BaLcony)

バルコニーやベランダを指します。


上記以外にも「DEN」=多目的の小部屋を指す表記や、「W」=洗濯機設置スペース、「R」=冷蔵庫設置スペースを表す記号が記載されている場合もあります。

間取りの表記でわからないことがあれば、遠慮なく不動産会社の担当者に確認しましょう。


不動産投資物件で入居者に選ばれる間取りとは?

”間取り図

不動産投資のおもな収入源は入居者が毎月支払う家賃です。そのため入居者がいないと家賃が得られず、不動産投資は失敗してしまいます。

不動産投資を成功させるためには、しっかり入居者を確保して家賃収入を得なくてはなりません。


そのためには立地のよさが非常に重要です。ただし「好立地」の基準は入居ターゲット層によって異なります。入居者に選ばれる物件を探す際は、「入居ターゲット層にあった立地と間取り」に留意する必要があります。


ここでは入居者に選ばれる物件の立地や間取りを、単身者向け・ファミリー向けについてそれぞれ解説します。


単身者向けの好立地条件とおすすめの間取り

単身者にとっての好立地の条件は、以下のようになります。

  • 駅から近距離
  • ターミナル駅にアクセスしやすい
  • 周辺にコンビニやスーパー、娯楽施設、飲食店が多い
  • 大学の近隣

上記の条件を満たす立地にある1R・1K・1DKの物件が、単身者に選ばれやすい物件になります。

なお、学生をおもなターゲットにする場合は家賃が安い1Rや1Kがおすすめです。

1DKは、家賃は高めですが、最近では単身の社会人に人気の間取りとして定番になりつつあるため好立地であれば一定の賃貸需要が期待できます。


不動産投資家の目線からも、単身者向け間取りの区分マンション物件は価格が手頃なので、マンション投資初心者向きの物件と言えるでしょう。


1Rや1Kタイプの間取りが多い理由

大手の不動産ポータルサイトで単身者向けの賃貸物件を検索すると、エリアにもYぉりますが、DKやLDKタイプに比べて1Rや1Kタイプの間取りが圧倒的に多いことがわかります。


検索結果=投資用(収益用)物件となるため、投資用不動として建築されるアパートやマンションのうち、1Rや1Kの間取りが大部分を占めていることになります。

収益物件として1Rや1Kの間取りが選ばれるには、以下のような理由があるのです。


世帯数が多く取れるため

不動産投資の収入源は、入居者が支払う家賃です。そのため世帯数が多いほうが、取れる家賃の総額も大きくなります。

同じ大きさの建物でできるだけ世帯数を多くしたいと考えた場合、1DK や1LDKのように広い間取りの部屋よりも1Rや1Kの間取りのほうが、より多くの世帯数を確保できるのです。


とくに地価が高い大都市圏では広い土地面積を確保しにくく、収益を上げようとするとどうしても1Rや1Kの物件が多くなります。また世帯数が多くなればなるほど空室リスクも軽減できます。

こういった理由から、1Rや1Kの間取りの物件が不動産投資家から好まれるのです。


都市部では単身世帯の需要が増加しているため

日本の未婚率が上昇していることから単身世帯の数が増えています。とくに首都圏をはじめとする大都市圏には、進学や就職で単身者が集中し、それにともなって単身向け物件の賃貸ニーズが高まっています。


しかし地価が高額な首都圏をはじめとする大都市部では、郊外と比較して家賃も高いです。そのため都市部に住む大学生や若手社会人などの単身者のうち、できるだけ家賃をおさえたいと考える層は家賃の安い1Rや1Kの物件を選ぶのです。


日本の人口は減少傾向にありますが、減少率がゆるやかである大都市圏では今後も単身世帯の賃貸ニーズが高まっていくことが予測されるため、引き続き1Rや1Kの単身向け物件はさらに増えていくと考えられるでしょう。


ファミリー向けの好立地条件とおすすめの間取り

ファミリー層にとっての好立地の条件は、以下のようになります。


  • 駅から距離があっても周辺環境や治安のよさを重視する
  • 近隣に幼稚園や学校がある
  • 保育園の待機児童が少ない
  • 近隣に公園などの子供向け施設がある
  • 近くに大きな幹線道路がない

ファミリー層が求める好立地は、子供のことを中心に考えるため安全性など環境面を重視する傾向が強いです。選ばれる間取りに関しては家族構成によって異なりますが、住環境がよいエリアにある2LDK以上の間取りが好ましいです。

なお、ファミリー向け物件であれば、賃貸アパートや賃貸マンションだけでなく、戸建て賃貸も視野に入るでしょう。


また駅からの距離を問題にしない場合、自家用車を所有するケースも多いため、できれば駐車場付き物件の賃貸需要が高いと考えられます。物件の敷地内に駐車場を確保できない場合は、近隣の月極駐車場を確保するなどの工夫も検討しましょう。


不動産投資で間取りを考える際の注意点

家 クエスチョンマーク 色鉛筆

不動産投資でどのような間取りを選ぶかによって空室リスクも違ってきます。入居者に選ばれる物件にするためには、入居者にとって住みやすい間取りの部屋にする必要があります。


ここでは、賃貸物件の間取りを決める際に注意しておきたいポイントについて解説します。

がいくつかあります。どのような注意点があるのか把握しておくことで、より入居者のニーズに寄り添った間取りを決めやすくなるでしょう。


人気の低い間取りの中古物件には要注意!

投資用アパートやマンションの間取りにはさまざまなタイプがありますが、築古物件のなかには人気が低く、入居者に選ばれにくい間取りもあります。


具体的には、面積が小さめの2DK物件などが該当します。2DKの間取りは30㎡~50㎡の場合が多く、30㎡程度でもひとりで住む分にはゆとりがある広さですが、同じ占有面積であれば使い勝手のよい1LDKの間取りが好まれる傾向が強いです。


では二人暮らし世帯に向くかというと、今度は30㎡程度ではちょっと狭い……となってしまいケースも少なくありません。


また2DKの間取りの物件は築年数が古い場合が多く、間取りの人気のなさもあって賃貸需要は低めです。そのため1LDKにリノベーションして賃貸する大家さんも増えています。


このように30㎡程度の2DKの間取りは二人世帯には狭過ぎて、単身者は1LDKを選ぶため、入居付けがむずかしいと考えられます。

これから不動産投資をはじめようと考えている場合は、需要のある間取りかどうか十分に検討することをおすすめします。


バスとトイレは別にする

お風呂とトイレは別のほうが賃貸需要は高く、間取りや広さが気に入ってもお風呂とトイレが一緒であるため、別の物件を探すという人もいます。そのため、収益物件を探す際は、ばす・トイレが別の物件を選びましょう。


すでに所有している物件がバス・トイレ一体型の場合は、分離工事をおこなうことも可能です。ただし高額な工事費用がかかりますし、分離したトイレのスペースを確保するために居室部分が狭くなる可能性もあります。


お風呂とトイレの分離工事をおこなう際はメリットとデメリット、費用対効果など、十分検討することをおすすめします。


間取りだけではなく充実した設備も大事

不動産投資で安定した入居率を維持するには、間取りだけでなく、人気設備の導入も検討しましょう。

設備が充実していると周辺の競合物件との差別化になり、入居者が決まりやすくなります。また快適に暮らせるため、入居者が退去する可能性も低くなります。

入居ターゲット層にもよりますが、人気の高い設備としては以下のものがあげられます。


  • 入居者無料のインターネット設備
  • 宅配ボックス
  • モニター付きインターフォン
  • 独立洗面台
  • 共用部の防犯カメラ
  • 24時間利用可能ごみ置き場

設備投資には初期費用が必要です。そのため設備を導入する際はターゲット層に応じて、どのような設備が必要か検討したうえで、空室対策につながるものだけを選ぶとよいでしょう。


まとめ

不動産投資で失敗しないためには、入居ターゲットにあったエリアと間取りを選ぶ必要があります。ただし、入居ターゲットによってエリアの向き不向きがあるため注意が必要です。

また入居希望者は、エリアや間取りだけでなく、物件にどのような設備が導入されているかもチェックしているため、人気設備の導入も検討するとよいでしょう。

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