不動産投資のメリット8つを解説!デメリット・リスク対策方法も
2022/05/03

不動産投資のメリット8つを解説!デメリット・リスク対策方法も

不動産投資で得られる8つのメリット1.他人のお金(借入れ金)で投資できる2.レバレッジを効かせた投資ができる3.安定した収入が長期間得られる4.所得税(住民税)の節税につながる5.相続税・贈与税6.保険の代わりになる7.インフレに強い 8.管理全般を外部委託できる不動産投資のデメリット・リスクと対策方法空室リスク家賃滞納リスク災害リスク金利上昇リスク老朽化リスク流動性が低い不動産投資をはじめよう!まずやることは?不動産投資の基礎知識を身につける自己資金を貯めるまとめ

不動産投資をおこなうことで、安定した家賃収入を得ることができるほか、節税効果や保険代わりになるなど、「不動産投資ならでは」のさまざまなメリットが得られます。

一方で不動産投資にはデメリットやリスクも存在します。

しかし不動産投資のリスクの多くは、適切な対策をおこなうことでリスクを軽減することが可能です。


今回は、不動産投資の8つのメリットと、デメリット・リスクと対象方法について詳しく解説します。

これから不動産投資をはじめる際の参考にしてください。


不動産投資で得られる8つのメリット

家 メリット 青と赤
不動産投資には、ほかの投資では得られないメリットがたくさんあります。

ここでは不動産投資の代表的なメリットを8つ解説します。


1.他人のお金(借入れ金)で投資できる

不動産投資のメリットのなかでも、ほかの投資と異なる最大のポイントは金融機関から融資を受けられる点です。


株式投資などは、投資資金のすべてを自分で用意しなくてはなりません。

しかし不動産投資は、投資資金の大部分を金融機関から借入れて物件を購入するのが一般的です。

そのため、自己資金だけでは購入できない高額な不動産を購入・運用することが可能になるのです。


不動産投資ローンで借入れをおこなう際、通常は物件価格の1割~3割程度を頭金として、物件価格の5%~8%程度を事務手続き費用(諸費用)として支払います。

たとえば、2,000万円の投資用区分マンションを購入するのであれば、頭金と諸費用で300万円~760万円の自己資金で不動産投資をスタートできるのです。



2.レバレッジを効かせた投資ができる

レバレッジとは、てこの原理とも呼ばれ、「小さな力で大きなものを動かす」という意味です。

不動産投資におけるレバレッジ効果とは、「小さい資金で大きな不動産を取得し収益を得ること」を指します。


前述のように不動産投資では借入をおこなって投資をするため、少ない自己資金で高額物件を購入できるだけでなく、レバレッジ効果でより多くの収益を得ることができます。


たとえば自己資金が500万円あったとして、利回り10%、価格500万円の物件を現金一括払いで購入した場合の年間家賃収入は50万円となります。


しかし自己資金500万円を頭金として融資を受け、利回り10%、価格2,500万円の物件を購入した場合の年間家賃収入は250万円になります。

ローン金利(例:3%)を支払った場合でも年間家賃収入は190万円となり、同じ自己資金額でありながら融資を受けなかった場合に比べて約4倍の収入になるのです。


このようにレバレッジを効かせた投資ができるのも不動産投資の大きなメリットになります。


不動産投資のレバレッジ効果について詳しくはこちら!>>不動産投資のレバレッジ効果をやさしく解説!リスクにも要注意


3.安定した収入が長期間得られる

所有するアパートやマンションなどを第三者に賃貸して得る家賃がおもな収入源となる不動産投資は、ミドルリスク・ミドルリターンの投資方法と言われます。


その理由は、通常の入居者は1年、2年といった年単位で部屋を借りることがほとんどであり、一度入居者が決まればその期間は安定した収入を得られるためです。

また、短期間で賃料が大きく下がることも少ないので、不動産投資は比較的安定した収入が期待できます。


さらに不動産の値動きは比較的緩やかであり、現物投資であるため価値が0円になる心配もほぼありません。

株式投資やFX投資のように一晩で無価値になるリスクが少ないのもメリットです。


4.所得税(住民税)の節税につながる

不動産投資で所得税が節税できる仕組みのひとつが「損益通算」です。

損益通算とは「収益から損失を差し引いて相殺する」会計処理です。


不動産投資の場合、不動産所得が赤字だった場合、その赤字分を給与所得などから差し引きする損益通算をおこなうことで課税所得額が減り、結果的に節税につながります。


損益通算について詳しくはこちら!>>不動産投資の損益通算で節税しよう!計算例や注意ポイントを解説


もうひとつの節税ポイントが「減価償却費」です。

減価償却費とは、不動産投資物件として購入した建物や建物設備の費用を法定耐用年数で分割したものを指します。


減価償却費は、実際に出費をしていないにも関わらず、会計処理上は経費として計上することができます。

すると、実際のお金は減っていないにもかかわらず、会計上は経費が増えることで収益が減り、課税対象となる所得額が減少し、結果として節税につながるのです。


この減価償却費を上手に活用して会計上の赤字をつくり、その上で損益通算をおこない課税所得額を圧縮することで、効果的な節税効果が期待できるのです。


不動産投資の節税効果について詳しくはこちら!>>不動産投資でできる節税方法!4種類の税金ごとに仕組みを解説


耐用年数と減価償却費について詳しくはこちら!>>不動産投資の耐用年数が節税や融資期間に大きく関係する理由を解説!


5.相続税・贈与税

不動産投資では、相続税や贈与税の節税にも効果が期待できます。

相続税や贈与税は「相続税評価額」によって決まりますが、現金や債券・株式などは額面通りの評価額になります。

一方、不動産の相続税評価額は路線価や固定資産税評価額をもとに評価されます。


たとえば1億円の財産を現金で相続する場合は額面通り1億円に相続税がかかります。

しかし、1億円で購入した不動産を相続する場合、土地の部分は公示価格のおよそ80%、建物部分についてはおよそ70%~80%(自治体によって異なる)の評価額になるのです。


さらに相続する不動産が投資用だった場合、「貸家建付地」や「小規模宅地」などの特例の要件をすべて満たしていれば6割程度まで評価額が下がる可能性もあります。


相続税評価額が低くなればなるほど相続税率も小さくなるため、結果として相続税の節税につながります。

これが「不動産投資は相続税対策になる」と言われる理由なのです。


不動産投資の相続税対策について詳しくはこちら!>>不動産投資が相続税対策になる理由を解説!負動産にしないヒントも


6.保険の代わりになる

不動産投資で金融機関から融資を受ける際、「団体信用生命保険(団信)」に加入することで、保険代わりとしての効果が得られます。(強制加入の場合もあります)


団信とは、ローン返済中にローン契約者が死亡したり高度障害などになった場合、ローンの残債が保険から支払われる保険システムです。

遺族(または本人)には、返済が完了した投資物件が遺されるため、そのまま賃貸経営をつづけることも可能ですし、売却してまとまった金額を保険金代わりに受け取ることもできます。


ただし、団信の保障期間はローンの返済期間内です。

ローンを利用していない、またはローンの返済が完了した場合は団信の保障はないため注意しましょう。


7.インフレに強い

インフレとはモノの値段が上がり相対的にお金の価値が下がることです。

そのためインフレが進むと物価が上がりますが、土地もモノであるため土地価格も上がります。


インフレ対策として現金を不動産に換えておけば、物価とともに不動産の価格も上昇し、価値が目減りしません。

場合によっては家賃額の値上げや、所有する不動産を売却してキャピタルゲイン(売却益)を得ることも期待できます。


8.管理全般を外部委託できる

不動産投資は、賃貸物件の管理全般を不動産管理会社などの外部に委託できます。

入居者募集、内見問い合わせや案内、契約手続き、家賃の集金、クレーム対応、建物管理など管理会社が引き受けてくれるので、大家さんの手間や時間がかからないこともメリットのひとつです。


ただし、不動産管理会社に管理委託する場合は費用がかかります。

一般的な目安は、1戸あたり家賃額の5%~8%程度です。

なお管理してほしい項目だけに絞って委託することも可能なので、委託と自主管理を上手に組み合わせることも可能です。


不動産投資のデメリット・リスクと対策方法

デメリット ノート キーボード

不動産投資にはデメリットやリスクも存在ます。

しかし不動産投資のデメリットやリスクは、適切な対策をおこなうことでリスクを最小限におさえることが可能です。


ここでは、不動産投資のデメリットとリスクについて、それぞれの対策方法をあわせて解説します。


空室リスク

不動産投資と切っても切り離せないリスクのひとつが「空室リスク」です。

不動産投資のおもな収入は入居者が支払う家賃収入であるため、入居者がいなければ収入を得ることはできません。


不動産投資ローンの返済は住宅ローンとは異なり、基本的に家賃収入が返済原資となります。

その家賃収入が減ってしまうと、キャッシュフローが悪化し、毎月のローン返済が滞る恐れもあるため、退去者が出た場合はできるだけ早く次の入居者を決めて空室期間を短くする必要があるのです。


賃貸である以上、入居者はいずれ退去してしまうため、空室リスクを完全に回避することはむずかしいです。

しかし、入居者の入居期間が長ければ長いほど空室リスクおさえることにつながります。


そのためにはまず、既存の入居者の退去抑制として、入居者が気持ちよく満足して暮らせる環境づくりが重要です。

入居者からのクレームがあった場合は迅速に対応し、共有部の設備や清掃に不備がないかなど、定期的に物件を確認するとよいでしょう。


空室が出た際の入居付けも空室対策には欠かせません。

入居者がなかなか決まらない場合は、状況にあわせて以下のような空室対策方法を検討しましょう。


・入居条件の見直し(ペット可、楽器可、高齢者受け入れなど)

・入居者の負担する初期費用の軽減(敷金や税金を無料にするなど)

・フリーレントの活用(入居後〇月間の家賃を無料にする)

・人気の設備の導入(インターネット無料や宅配ボックスなどの設置)

・間取り変更などのリノベーションをおこなう

・家賃を下げる


上記は空室対策方法の一例であり、ほかにもさまざまな方法があります。

どんなに魅力的な物件であっても空室リスクは常にあることを意識しておき、状況にあわせた空室対策をおこなうことが重要です。


家賃滞納リスク

「家賃滞納リスク」は、大家さんに経済的・精神的ダメージを与えます。

空室は入居者が決まれば家賃を得られますが、家賃滞納は滞納問題を解決しないかぎり家賃を得ることができません。


家賃滞納は起こってから対処するには、時間や労力だけでなく費用が発生することもあるため、できるだけ発生させないような対策が望ましいです。


効果的な対策方法のひとつが、「家賃保証会社への加入」を入居条件にすることです。

加入者(入居者)の滞納があった場合は、加入者に代わって家賃保証会社が家賃を大家さんに支払ってくれますし、家賃の督促もおこなってくれるので、大家さんの負担はほぼありません。


ただし、保証会社への加入には保証料(月額家賃の0.5~1ヵ月分)が必要で、これは入居者が支払います。

入居時の初期費用が増えてしまうため、入居希望者を遠ざける原因になる場合もあるため注意が必要です。


災害リスク

地震や風水害のリスクは日本全国どこでも起こりうることです。

地震で建物が倒壊したり、火災で消失したり、不動産投資の継続がむずかしくなることを想定しておく必要があります。


災害リスクの対策方法としては、まず火災保険や地震保険などへの加入が必須です。

なお保険料をおさえるためにも、物件があるエリアの過去の災害状況などを確認し、適当と思われる保障プランを選ぶとよいでしょう。


また、物件を購入する前に地域のハザードマップなどを確認し、できるだけリスクの低いエリアの物件を選ぶのもリスク対策につながります。


保険について詳しくはこちら!>>不動産投資の保険を解説!生命保険代わりになる?火災保険や特約も!


金利上昇リスク

不動産投資物件の購入資金を金融機関から借入れしている場合、ローン金利が発生します。

その際、固定金利か変動金利を選びますが、変動金利を選択した場合は借入期間中の金利上昇によって金利負担が増大するリスクがあるため注意が必要です。


金利上昇リスク対策には以下のような方法があります。

・頭金を多く入れて借入れ額を減らす

・固定金利を選択する

・元金均等返済を選択する

・繰り上げ返済をおこなう


また、金利上昇によって毎月のキャッシュフローの悪化が懸念されるため、いざというときに補填できるよう手元資金を貯めておくことも大事です。


老朽化リスク

不動産投資は長期にわたっておこなう投資です。

そのため経年とともに一棟アパート・マンション、賃貸戸建ての建物は老朽化し、入居付けがむずかしくなります。


老朽化した建物をそのままにしておくと次の入居者を見つけにくくなり空室リスクが高くなるため、外壁塗装や屋根葺き替えなどの大規模修繕を10年~15年周期でおこない資産価値を保つ必要があります。


大規模修繕費用は高額なため、長期的な計画を立てたうえで、費用を積み立てておきましょう。


また、老朽化リスクを少しでもおさえるための対策として、日常的な軽微なメンテナンスと補修が効果的です。

外壁や床部のヒビ割れなどは小さなうちに修繕し損傷を食い止めることで、大規模修繕までのスパンを引き延ばすことにもつながります。


流動性が低い

不動産は株式などに比べて流動性(換金性)が低いというデメリットがあります。

株式などの売買はすぐに取引ができ、手続きもインターネットで簡単におこなえます。。


一方、不動産は売却までに最短でも1ヶ月~2ヶ月かかるのが一般的です。

また物件の状態や立地、市場の変化によっては購入希望者が見つからず売るに売れないということもあります。


流動性を重視する場合は、物件を購入する段階で売却を視野に入れ、売れやすい物件(都心部の好立地物件など)を選ぶ必要があります。


不動産投資をはじめよう!まずやることは?

スタート 青空

不動産投資をはじめたいと思ったら、まずは不動産投資の基礎知識の勉強と自己資金を貯めることからはじめましょう。


不動産投資の始め方について詳しくはこちら!>>初心者向け不動産投資の始め方!自己資金額目安や用語を解説


不動産投資の基礎知識を身につける

不動産投資をはじめる際は、最低限の不動産投資の知識を身につけることをおすすめします。

不動産投資はだれでもおこなえますし、資格なども一切不要です。

しかし不動産投資の知識がないままはじめると、間違った物件を選んだり、リスク対策ができなかったり、思ったより収益が得られなかったり、不動産投資で失敗する確率が高くなってしまいます。


前述のように投資にはメリットもデメリットもあります。

そういった不動産投資の知識があれば、それだけ成功する確率が上がるのです。

そのためにも必要な知識を勉強したうえで不動産投資を開始しましょう。


自己資金を貯める

前述のように、不動産投資物件を購入する際は金融機関の融資を受けますが、一般的に融資を受ける際には物件価格の1~3割程度の自己資金を頭金として入れます。

また頭金とは別に、物件価格の5%~8%程度の事務手続き費用(諸費用)も必要です。

不動産投資の勉強と並行して自己資金を貯めていきましょう。


なお、不動産投資ローンの融資上限は年収の10倍程度が目安言われていますが、勤務先や年収、借入金の有無など本人の「属性」によって融資条件は異なります。

自己資金を貯める際は、融資上限範囲内で妥当と思えるおおよその物件価格を想定し、目標額を決めて貯金するとよいでしょう。。


融資を引きやすい職業は?

職業によって金融機関から融資を引きやすくなります。

ここでは金融機関の融資審査に通過しやすく好条件で融資を引きやすいと言われる職業を紹介します。


・公務員

公務員は、勤務先の倒産リスクがなく安定した収入も保証されているため、貸し倒れのリスクが低いと考えられています。

毎月の安定した給与収入にボーナス、加えて退職金もあるので、一般企業に勤める人よりも融資の際には優遇される傾向が強いです。


・一般企業の正社員

公務員に次いで融資を受けやすいのが、一般企業に勤める正社員のサラリーマンです。

特に上場企業に勤めている正社員は、融資審査で有利と言われています。


ただし、どんなに優良企業の正社員でも勤続年数が短い場合は融資を断られる可能性が高まります。

金融機関によって決められた融資基準があるため、転職直後などで勤続年数が短い場合は注意しましょう。


・医師や弁護士などの「士業」

高収入で国家資格を持つ医師や弁護士、会計士などのいわゆる「士業」も金融機関の融資を受けやすい職業です。

高収入であることで自己資金を用意しやすいため金融機関の融資審査に通りやすく、また好条件で融資を引くことができます。


まとめ

不動産投資には、借りたお金で投資をはじめられたり、保険代わりになったりと、ほかの投資にはないメリットがたくさんあります。

一方でリスクもありますが、適切な対策をおこなうことでリスクを軽減することが可能です。


不動産投資ならではのメリット・デメリットをしっかりと理解して、不動産投資を成功に導きましょう。

一覧に戻る