不動産投資物件の売却に最適なタイミングと有利にする方法!
2022/07/22

不動産投資物件の売却に最適なタイミングと有利にする方法!

不動産投資物件の売却はトータルの収支に大きく影響するため、「できるだけ高く売りたい」と考えるのは当然のことです。

しかし、売却するタイミングを間違えてしまうと売却益を得るどころか売却損を出してしまう結果になりかねないため、慎重な判断が求められます。


そこで今回は不動産投資物件の売却に適したタイミングと、売却を有利にして買手がつきやすくなる方法を解説します。

また物件売却について一連の流れも紹介するので、ぜひ参考にしてください。


不動産投資物件の売却に適したタイミングは?

ここでは、不動産投資物件の売却に適したタイミングや買手がつきやすく売却に有利になるケースについて解説します。


購入当時より高く売れるとき

物件を購入したときの価格より現在の売却価格が高い場合は、キャピタルゲイン(売却益)を得られる理想的なタイミングです。

しかし、基本的に不動産投資物件は経年によって価値が下落するため、購入時より高く売れるケースは決して多くありません。


積極的にキャピタルゲインを狙うのであれば、投資用物件の値段が安いときに購入し、土地やエリアの価格が高騰するタイミングで売却する必要があります。


ただし、キャピタルゲイン目的で不動産投資をおこなうには、市場の動向を見極めたうえで不動産の選定をおこなうなど、高度な分析力や不動産投資知識が必要になります。

また不動産物件の売却には時間がかかるのが一般的なため、売り時を逃さないようタイミングにも注意が必要です。


トータルの収益(累計家賃収入額+売却額)が購入当時より高くなる場合

不動産投資の最終的な収支は、これまで得た家賃収入額の累計+売却額=トータル収支によって決まります。


そのため物件の売却額が購入時の価格より安くても、トータルの収益(累計家賃収入額+売却額)が購入当時の額を超えれば、最終的な収支が黒字になるため、結果的に不動産投資が成功したとみなされます。

売却後の税金なども考慮する必要がありますが、税金や費用を差し引いても黒字になるようであれば、こちらも物件売却に適したタイミングと言えるでしょう。


減価償却期間が終わるタイミング

不動産投資では、時間の経過や使用することにより価値が減少していく固定資産に対して取得費用を法定耐用年数に応じて分割し、「減価償却費」として経費計上する会計処理を指します。


減価償却期間は法定耐用年数によって定められていて、木造の住宅は22年、鉄骨鉄筋コンクリートまたは鉄筋コンクリートの住宅は47年など、建物の構造によって異なります。


減価償却費は、実際にはお金が出ていないのに経費として計上できるため節税に役立ちますが、減価償却費は、償却期間が終わると計上できません。


償却期間終了後は不動産所得が増えるため税金が高くなり、節税効果が少なくなります。

そのため、償却期間が終了するタイミングで売却し、新たな物件に買い替えるのもひとつの方法です。


減価償却について詳しくはこちら!>>不動産投資の減価償却についてわかりやすく解説!節税ポイントも


デッドクロス到来前

「デッドクロス」とは、減価償却費がローンの元本返済額を上回る状態のことです。

デッドクロスに陥ると、帳簿上は黒字なのに税金が増えることでキャッシュフローが悪化してしまいます。


最悪の場合には黒字倒産してしまうリスクもあるため、デッドクロスに陥る前に不動産の売却を検討しましょう。


デッドクロスについて詳しくはこちら!>>不動産投資でデッドクロスが起こる3つ原因と9つの対処方法を解説


不動産投資物件を売却するのに適したタイミングはいつ?また売却を有利にして買手がつきやすくなる方法とは?今回は、不動産投資物件の売却ついて、最適な時期や売れやすいタイミングなどを解説します。また物件の売却の流れも紹介します。


不動産投資物件の売却を有利にする方法


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ここでは、不動産投資物件を売却するにあたって、有利に売却できるケースについて紹介します。


入居者がいる状態で売却する「オーナーチェンジ物件」

売却物件に入居者がいる状態で不動産投資物件を売買する取引を「オーナーチェンジ物件」と呼びます。


オーナーチェンジ物件は購入した時点で入居者がいるので、入居者募集の必要がなく、またすぐに家賃収入を得られるなど、買主にとってメリットの多い物件です。

そのため買手がつきやすい傾向が強いので有利に売却できます。


入居者がいない状態なら住居用として売却することも可能

オーナーチェンジ物件とは逆に、あえて入居者のいない状態の物件を「マイホーム」として売却することも検討してみましょう。

不動産投資家だけでなく、住居用として購入検討する人も候補に入るので、幅広い売却活動が可能になります。


オーナーチェンジ物件について詳しくはこちら!>>不動産投資のオーナーチェンジ物件とは?好条件物件の見分け方!


引っ越しシーズンの前

3月後半~4月前半は、進学や就職、転勤などで引越しが最も多いシーズンです。

この時期の入居者は1月~3月前半頃に新しい賃貸物件を探しはじめるため、そのタイミングに合わせて不動産投資物件を売却すれば買手がつきやすくなります。


不動産物件の売却活動期間は平均で3~6ヶ月程度なので、前年の8月~9月頃から物件売却の準備をはじめると、ちょうどよいタイミングで買手が見つかる可能性が高まります。


大規模修繕の前

売却したい物件が区分マンションの場合、大規模修繕は管理組合側で施工時期などを決定します。


管理組合は、毎月徴収している修繕積立金を使って大規模修繕をおこないますが、修繕積立金が足りない場合は一時徴収金を請求されるケースがあります。

また区分マンションの修繕積立金は「段階積立方式」として、数年ごとに徴収する修繕金が上昇していくのが一般的です。


そのため、区分マンションを売却するのであれば、大規模修繕前のタイミングで売却することで、一時徴収金や額の増えた修繕積立金の徴収を避けることができます。


区分マンション以外なら大規模修繕後に売却しても

区分マンションの大規模修繕に関しては前述の通りですが、売却したい物件が一棟アパート物件や戸建て賃貸物件の場合は、大規模修繕をしてから売却することで買手がつきやすくなる場合があります。


一棟アパート物件や戸建て賃貸物件の大規模修繕は、所有者であるオーナー様が大規模修繕費用の積立をおこなっていますし、修繕時期も自由に決めることができます。

そのため大規模修繕をおこなってから売却すれば、「大規模修繕済み物件」として買手へのアピールにつながるため、売却できる可能性が高くなるでしょう。


築年数が20年を迎える前

不動産は築年数20年前後から設備に故障などが増え、修繕や交換の頻度が増えてくるため修繕費用が増大する可能性が高くなります。

また売却に関しても、築20年を境に物件の売却額が大幅に下がる傾向にあり、売却時にも値下げを打診される機会も増えるでしょう。


そこで売却額が下がってしまう築20年を迎える前、売却額が下がる前のタイミングで物件売却を検討するとよいでしょう。


不動産投資物件の売却の流れ

ここでは不動産投資物件の売却の流れについて解説します。


売却準備をおこなう

物件の売却を決めたら、売却作業をスムーズにすすめるためにも、次のことをおこないましょう。


売却したい時期にあわせてスケジュールを決める

売却作業の第一歩として、売却したい時期から逆算して売却スケジュールを調整しましょう。

コツは余裕を持ったスケジュールを組むことです。


管理会社への連絡

物件を管理委託している管理会社に売却の意思を伝えておきましょう。

売却する物件が区分マンションの場合は、組合員の「資格喪失届」の提出とマンション売却時の管理費・修繕積立金の清算が必要です。


実際はマンションの売却が決まってからおこないますが、必要な手続き方法を確認するためにも早めに伝えておくとよいでしょう。


物件価格や市場調査をしておく

売却する物件の類似物件がいくらで売られているか、周辺で売却されている物件の種類や件数、価格などを調査して相場を把握しておきましょう。

なお、物件の査定はかならず複数の会社に依頼しましょう。


必要な書類を揃えておく

不動産物件を売却する際に必要な書類を確認し、用意できるものは早めに揃えておくと安心です。

なお、物件の種類によって必要な書類は異なるため、売却する物件にあわせて用意しましょう。


【売却に必要な書類 全物件種類共通】

・身分証明書

・権利証、登記識別情報

・登記簿謄本

・実印、印鑑証明書

・固定資産税納税通知書

・売買契約書

・物件の図面

・設備の仕様書

・賃貸借契約書

・保証会社契約書


【一棟物件・戸建て物件の売却に必要な書類】

・建築確認済証および検査済証

・建築設計図面および工事記録書

・土地測量図および境界確認書


【区分マンションの売却に必要な書類】

・マンションの管理規約

・マンションの維持費等の書類


不動産会社を決めて媒介契約を結ぶ

物件の売却を不動産会社へ依頼する場合は媒介契約を結びます。

媒介契約の形態は「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類から、売却する不動産の種類にあった媒介契約を選びましょう。


なお、依頼先の不動産会社を決める際は、下記のポイントを参考にするとよいでしょう。


・売却する物件周辺に精通している

・売却実績が豊富

・営業店舗数が多い

・レスポンスが速い

・提案やアドバイスが多い


価格を決め、物件を売り出す

物件の売却価格が決まったら、売却活動を開始します。

売却活動は契約した不動産会社がおこないます。


不動産業界専用のネットワークシステム(レインズ)をはじめ、自社HPや収益物件専門ポータルサイトに物件情報を登録するほか、紙媒体への広告掲載、チラシの作成などをおこなって買主を探してくれます。


なお、購入希望者との価格交渉はかならずと言うくらいおこなうことになるので、あらかじめ値下げ交渉分を加味した売却価格を設定しておきましょう。


売買契約を締結する

金額など条件面で買主と合意したら売買契約を締結し、物件代金の支払い方法や引渡し日を決定します。

またローンの解約や抵当権の抹消などの手続きもおこないましょう。


決済・引渡をおこなう

物件の引渡し日までに必要な手続きなどを済ませておきましょう。

引渡し日当日には残金の支払いや登記申請をおこない、買主が立ち会ったうえで物件の状況を最終確認します。

確認が終われば、売買契約は完了となります。


確定申告をおこなう

不動産投資物件を売却した際に売却益があった場合は、譲渡所得税・譲渡住民税を納める必要があります。


なお、売却損だった場合は譲渡所得税・譲渡住民税は発生しません。

しかし、確定申告をしておけば翌年に損失を繰り越せる特例が使える場合があるので忘れずに確定申告をおこないましょう。


不動産投資物件売却時に発生する費用と税金

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不動産を売却することで売却代金を受け取れますが、同時にさまざまな費用や税金が発生します。

ここでは、不動産売却時に発生する費用と税金の種類を紹介します。


【売却時に発生する費用・税金の種類と目安】

・印紙税

契約書に記載された売買価格によって異なる

・登録免許税(抵当権抹消登記)

不動産ひとつにつき1,000円(ローン残債がある場合のみ)

・ローン返済金・手数料

ローン残債がある場合

・司法書士依頼料

3万円前後(登記手続き依頼した場合のみ)

・譲渡所得税(所得税・住民税・復興特別所得税)

保有期間が5年以下なら譲渡所得の39.63%、保有期間が5年超なら譲渡所得の20.315%(売却した年の1月1日を起点に計算する。売却益が出た場合のみ)

・仲介手数料

物件価格の3%+6万円+消費税(不動産会社を介して取引した場合のみ)

・預かり敷金

現況の入居者の敷金分(オーナーチェンジ物件の場合のみ)


物件売却時の税金について詳しくはこちら!>>不動産投資で物件売却時に発生する税金の種類を解説!計算方法も


まとめ

不動産投資物件を売却するタイミングと、売却を有利にして買手がつきやすくなる方法について解説しました。

物件の売却は、できるだけ「損をしないで得になる」タイミングを見きわめることが大事です。


買手がつきやすい不動産市況や景気、運用におけるキャッシュフローなどから判断し、適切な売却のタイミングを見定めることが不動産投資の成功につながります。

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岩崎 雅

2020年7月1日〜
当サイトのライターとしてコラム作成業務を開始
プロフィール
不動産ジャンルのライター歴は2年半以上。その間、100本以上のコラム構成・執筆を担当。不動産以外のジャンルも含めると500本以上の執筆経験あり。