アパート投資で安定した家賃収入を得るには?収益アップの方法を解説
2025/04/11

アパート投資で安定した家賃収入を得るには?収益アップの方法を解説

アパート投資で家賃収入を得る仕組みアパート投資における主な収入の種類賃料共益費(管理費)礼金更新料その他の収入アパート投資における主な経費の種類各種税金各種保険料管理委託手数料専門家への報酬減価償却費アパート投資で収益をアップさせるポイント賃貸需要の落ちにくい物件を選ぶ適切な空室対策をおこなうコスト削減を心がける投資規模を拡大するまとめ

アパート投資で安定した家賃収入を得るためにも家賃収入と経費の関係はぜひ知っておきたい知識のひとつです。収入と支出の関係を把握しておくことで、アパート投資の収益の仕組みを理解することにつながるでしょう。

今回は、アパート投資で安定した家賃収入を得る方法や収益をアップさせるためのポイントを紹介します。

また得られる家賃収入にはどのような収入が含まれるのか、経費として認められる費用の種類などについて解説するので、アパート投資を検討する際の参考にしてください。


アパート投資で家賃収入を得る仕組み

家賃収入 三毛猫 家の模型


「家賃収入」とは、一棟アパートや区分マンションなどの賃貸物件を貸し出し、入居者から受け取る賃料収入を指します。家賃は、賃貸物件に入居者がいる限り毎月受け取ることが可能です。


なお、アパート投資など不動産投資で得られる家賃収入は、入居者が毎月支払う賃料だけではありません。新規入居者が支払う「礼金」や既存の入居者が契約更新時に支払う「更新料」なども家賃収入に含まれます。


また受け取った家賃収入の全額が大家さんの「手取り」になるわけではありません。


アパート投資や区分マンション経営など不動産投資をおこなう際には、ローンの返済や管理委託手数料など、さまざまな「経費」が発生します。これらの経費を家賃収入から差し引きし、最終的に手元に残ったお金が実際の利益である「不動産所得」となるのです。


【不動産所得の計算方法】


年間の総家賃収入-年間の経費


次の項では、アパート投資で得られる主な収入と経費の内訳を紹介します。


アパート投資における主な収入の種類

3枚の1万円札 家の模型 電卓


入居者が毎月支払う賃料のほかにも収入があれば総収入が増えるため、取りこぼしがないよう、収入の種類をしっかりと把握しておきましょう。

アパート投資で得られる家賃収入は、主に以下のような種類があります。


賃料

アパート投資で得られる収入の大部分を占めます。

満室であれば部屋数分の賃料が得られるため、いかに空室率を抑えるかがアパート投資では重要事項になります。


共益費(管理費)

アパートの共有部分を維持・管理するために徴収した共益費や管理費は家賃収入に含まれます。共有部分の清掃費用や水道光熱費などにあてられる場合が多いですが、用途は大家さんが自由に決めることが可能です。


礼金

入居者が新規で賃貸契約を締結した際に支払う謝礼金です。敷金とは異なり礼金は返還義務がないため家賃収入に含まれます。


礼金の相場は賃料の1ヶ月~2ヶ月分ですが、最近では「礼金なし」の物件も増えています。礼金をなくすことで入居者の費用負担が減るため入居が決まりやすくなるメリットがあります。一方で収入は減少してしまうため、礼金のある・なしは入居付けの様子を見ながら決定するとよいでしょう。


更新料

既存の入居者が賃貸借契約を更新するときに支払う手数料的な費用です。礼金と同様、返還義務がないため家賃収入に含めることができます。


基本的に更新料は賃貸借契約を更新するごとに発生します。

相場は賃料の1ヶ月~2ヶ月分が一般的ですが、更新料を払うなら引越しを希望する入居者も少なくないため、更新料なしというケースも増えています。


その他の収入

上記以外にも、駐車場がある場合は契約している入居者から徴収した駐車場の賃料や敷地内に設置した自動販売機の売上なども家賃収入に含まれます。

最近は、アパートの屋根部に太陽光パネルを設置して余剰電力を売却して収入を得るケースも多いです。


アパート投資における主な経費の種類

メモ帳とボールペン 必要経費 小銭


アパート投資をおこなう際には、さまざまな費用が発生します。ただし、経費として認められるのは「アパート投資に関連した費用」のみです。

したがってアパート投資に関係のない費用については経費として認められません。またアパート投資に関係があっても経費にならない支出もあるため注意が必要です。


確定申告の際に経費をもれなく計上することで収入が減り、節税につながります。収益を増やすためにも経費の種類をしっかりと把握しておきましょう。

アパート投資で経費として認められる費用は、主に以下のような種類になります。


各種税金

アパート投資では納付した税金の種類によっては経費として認められます。経費にできる税金は以下のようになります。


◦固定資産税・都市計画税

◦不動産取得税

◦登録免許税

◦収入印紙代

◦事業税


なお、所得税・住民税、法人税は、所得に対して課されるものなので、所得額を計算するうえで控除される経費にはなりません。


各種保険料

収益物件に掛けた火災保険や地震保険などの保険料は経費として認められます。

ただし、長期の保険契約を結んだ場合でも、その年に経費にできるのは1年分の保険料のみです。


たとえば5年契約で保険料を50万円支払った場合、1年あたりの経費にできるのは10万円となります。50万円を一度に経費にはできないため注意しましょう。


関連記事:不動産投資の保険を解説!生命保険代わりになる?火災保険や特約も!


管理委託手数料

アパートの建物や入居者の管理業務を不動産管理会社に委託した場合に支払った管理委託手数料は、経費として計上できます。

管理委託手数料の相場は賃料の5%~8%程度です。管理委託手数料に含まれる業務内容は管理会社によって異なるため、管理会社から見積りを取り、料金と業務内容を比較するとよいでしょう。


関連記事:不動産投資を成功させる不動産管理会社の選び方!管理業務内容を解説


専門家への報酬

アパート投資をおこなううえで、登記手続きや確定申告代行などを司法書士や税理士に依頼した場合に支払った報酬は経費計上できます。


減価償却費

減価償却費とは、収益物件の建物や設備など経年や使用することで価値が減少していく固定資産の取得費用を法定耐用年数に応じて分割した費用を指します。減価償却費は経費計上が可能です。


たとえば、2,200万円で木造の新築アパートを購入した場合、木造アパートの法定耐用年数は22年なので、2,200万円を22年で割って減価償却費を求めます。

この場合の減価償却費は100万円となり、22年間にわたって減価償却費として毎年100万円を経費として計上できるのです。


このように収益物件購入時から耐用年数が経過するまでの間、所得を少なく申告できるため、所得税・住民税を節税することができます。


修繕費

アパートの建物や設備の修繕・交換などにかかった費用は経費にできます。

修繕費は、老朽化した給湯器を交換した場合や入居者が退去したあとのハウスクリーニング代などの原状回復費などが該当します。


ただし、修繕費が20万円を超えたり、設備をグレードアップしたりした場合は、「資本的支出」になり減価償却が必要になるケースがあるため注意しましょう。


また大規模修繕費などの積立金は、実際に修繕工事を実施し支払いが生じた時点で経費として計上できます。積み立てているあいだは貯蓄としてみなされるため経費にはできません。


入居者募集費用

入居者の募集にかかった仲介手数料や広告宣伝費(AD)などは経費計上が可能です。


ローンの金利部分

収益物件を購入する際に金融機関から融資を受けた場合、ローン返済金の金利部分については経費として計上できます。ただし、元本については経費にできないため注意しましょう。


その他の経費

上記以外にも経費として認められる費用は「雑費」として計上できます。雑費には、おもに以下のような経費がありますが、あくまでアパート投資に関連した支出であることが条件です。


◦交通費・宿泊費・駐車料金・ガソリン代など

◦通信費・切手代なぢ

◦新聞図書費・セミナー参加費用など

◦接待交際費

◦消耗品費


これらの支出の内、プライベートでも使用している場合は「家事按分」をおこない、アパート投資に使用した分の金額を計上する必要があります。


また10万円を超える物品については経費ではなく、資本的支出として減価償却が必要になるケースもあるため注意しましょう。


関連記事:不動産投資の確定申告で必要経費にできる費用とできない費用を解説

関連記事:不動産投資の雑費計上時の注意点!高額すぎると税務調査の可能性も


アパート投資で収益をアップさせるポイント

リングノートPOINT ノートパソコン


アパート投資で収益を増やすためには、物件選びや適切な空室対策、コスト削減などに留意する必要があります。

ここではアパート投資で収益をアップさせるポイントを紹介します。


賃貸需要の落ちにくい物件を選ぶ

収益を増やすためには、まずは安定した家賃収入を確保する必要があります。

アパート投資の成功は物件選びに大きく左右されます。特に立地は、物件を選ぶ際にもっとも重要なポイントです。


大事なのはターゲットにする入居者層に見合った立地を選ぶことです。

たとえば単身者をターゲットにする場合は、交通アクセスが良く、近隣にコンビニやスーパーなどの買い物施設や飲食店が多いなど利便性が高い物件が好まれます。


一方でファミリー層がターゲットの場合は多少駅から離れていても、幼稚園や小学校などから近い子育て環境が整った閑静な住宅街が選ばれやすいです。

地方都市や郊外エリアでは公共交通機関よりも自家用車で移動することが多いため、駐車場付きかどうかが物件を選ぶ際の重要なポイントとなるでしょう。


このように、ターゲット層やエリアによって選ばれやすい立地の条件は異なりますが、ターゲット層にとって魅力的な条件が多い立地であれば高い賃貸需要が期待できるのです。


賃貸需要の有無を調べるためには、物件周辺エリアの居住者の年齢層、世帯状況、人口の増減などを確認しましょう。たとえば、ファミリー世帯が中心のエリアに単身向けのアパートを建築してしまうと入居付けがむずかしくなることが予想できます。


物件選びで失敗してしまうと想定した家賃収入が得られず、アパート経営の破たんにつながるおそれがあります。

収益物件は高額です。賃貸需要の低い物件を購入しても買い直すことは非常にむずかしいと言えるでしょう。


アパート投資で安定した収入を得るためにも、物件を選択する段階で賃貸需要の有無をしっかり見きわめることが重要なポイントになるのです。


関連記事:アパート経営の立地を選ぶ際の判断基準を解説!好立地の見分け方

適切な空室対策をおこなう

アパート投資で安定した収入を得るためには、できるだけ空室期間を減らして入居率を高める必要があります。

そのためには、退去者をなるべく出さないことと、空室を早急に埋めることが重要です。


当然ですが入居者が退去してしまうと空室ができ、その分の家賃収入が減少します。

加えて退去後はハウスクリーニングなどの原状回復や新規入居者の募集のための費用が必要になります。


このように、退去と空室は家賃収入の減少だけでなく支出が増加するため、収支に悪影響を与えます。


退去防止方法としては、既存の入居者が退去しないように満足度を上げると効果的です。たとえば、人気設備を導入して居住性の向上を図ったり、更新料の廃止や値下げをして更新しやすくしたりすると良いでしょう。

またクレームやトラブルには迅速かつ誠意を持って対応することも入居者の満足度や信頼度を上げることにつながります。


それでも賃貸物件である以上、空室をゼロにするのはむずかしいでしょう。空室が出た場合はできるだけ早く次の入居者を決める必要があります。なかなか入居者が決まらない場合は、広告宣伝費(AD)などを付けて不動産管理会社に優先的に入居者を探してもらうことを検討するなど、対策を講じましょう。


また築古物件の場合、間取りや設備が入居者ニーズと合っていないことなどが原因で入居者が決まらない場合は、リノベーションをおこないニーズの高い間取りや設備にすることで空室対策につながるケースもあります。


空室を埋めるためには空室の原因を明らかにしたうえで、それに沿った対策をおこなう必要があります。空室対策をおこなう際は管理会社に相談しながら効果的な方法を探すと良いでしょう。


コスト削減を心がける

収益を増加させるためには、安定した収入を得るだけでなく支出を抑える必要もあります。支出を減らす方法としては、管理会社の変更や繰り上げ返済、ローンの借り換えなどを検討してみましょう。


アパートの管理業務を管理会社に委託する場合、賃料の5%~8%程度の管理委託手数料が必要です。サービス内容が同等であれば、管理委託手数料の安い管理会社に依頼することで支出を抑えることにつながります。


特にオーナーチェンジ物件を購入した場合、管理会社は以前のままというケースはめずらしくありません。しかし、見直してみるともっと安い管理会社が見つかる場合も少なくないのです。


関連記事:不動産投資を成功させる不動産管理会社の選び方!管理業務内容を解説



繰り上げ返済やローンの借り換えも、コスト削減につながります。

繰り上げ返済をすることで元金を早く減らせるため、金利はそのままでも総返済額を減少させることが可能です。

またローンの借り換えによって現在よりも低い金利でローンを借りられれば、総返済額を減らすことができます。


ただし、繰り上げ返済やローンの借り換えには手数料などが発生するのが一般的です。そのため手数料を支払う以上のメリットがあるか検討する必要があります。


また、ローンを借り換えることで、現在利用中の金融機関との関係性が悪化するおそれも考えられます。今後の融資にも関係するため、ローンの借り換えを検討する際は、メリットとデメリットをよく比較したうえで検討すると良いでしょう。


投資規模を拡大する

所有する収益物件を増やし投資規模を拡大することで収入が増え、収益も増加します。また、所有する物件が増えることで、複利効果で資産拡大のスピードがより速まったり、分散投資につながるためリスクを分散できたり、さまざまなメリットが期待できるのです。


ただし、投資規模を拡大するにはタイミングが大事です。収益物件を増やすのに適しているのは、1件目のアパートの運用が安定したタイミングや金融機関から有利な条件で融資が受けられるようになった場合などがあげられます。


逆に言えば、運用中のアパートの収支が安定しない場合や、融資条件が悪いときは無理に収益物件を増やすのは危険です。


収益アップを目指し、将来的に投資規模の拡大を狙うのであれば、しっかりと資金計画を立て計画的に買い増しをおこないましょう。


まとめ

アパート投資で収益を増やすためには、安定した家賃収入を得られるよう、賃貸需要の高い物件を選び、適切な空室対策をおこなうことが重要なポイントです。


アパート投資で得られる家賃収入には、入居者が支払う賃料のほか、礼金や更新料も含まれますが、入居付けや契約更新を促すために、礼金や更新料の廃止や割引する例もありますが、その場合は収入が減ってしまうため注意が必要です。


アパート投資は短期間で大きな収益を得ることはむずかしいですが、所有する物件を増やしていくことで、まとまった収益を得ることも可能になります。そのためにも資金計画をしっかりと立て計画的に所有物件を増やしていきましょう。

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