不動産投資ローンを連帯保証人なしで利用する方法を解説!
2023/01/21

不動産投資ローンを連帯保証人なしで利用する方法を解説!

不動産投資ローンを利用するにあたって、一部の金融機関では連帯保証人を立てないケースが増えていますが、まだまだ連帯保証人を必要とする金融機関は多いようです。

連帯保証人を立てずに不動産投資ローンを利用するには、どのような方法があるのでしょうか?また連帯保証人のリスクを軽減する方法も紹介します。


今回は不動産投資における連帯保証人の役割やメリット、連帯保証人なしで不動産投資ローンを利用する方法について解説します。また保証人との違いを解説します。


不動産投資における連帯保証人とは

不動産投資にかぎらず、金融機関からお金を借りる場合、連帯保証人を立てることを融資条件にされるケースがあります。


連帯保証人の役割は、お金を借りた本人が借りたお金を返せなくなった際に代わりにお金を返す責任を負うことになります。不動産投資における連帯保証には、融資を受けるのが法人の場合は多くのケースで社長自身が連帯保証人になります。

個人の場合は、本人の配偶者、または布袋相続人がなることが一般的です。


不動産投資で連帯保証人は必要?不要?

個人で不動産投資をおこなうにあたって、多くの金融機関で不動産投資ローンを利用する場合は連帯保証人を必要としています。その一方で一部のメガバンクや地方銀行が連帯保証人を不要としたことで、他の金融機関でも連帯保証人不要の流れになっています。


その背景には、令和2年(2020年)4月1日におこなわれた改正民法の施行に関係しています。具体的には、「改正民法によって個人が賃貸物件を建築する際に利用するアパートローンでは、法定相続人の連帯保証人を原則なくす」というものです。


これによって借金を肩代わりする可能性のある保証人になる場合は、公証人に対して引き受けの意思があることを示さなければならなくなりました。今後は連帯保証人になろうとする人が自ら公証役場へ行き、保証意思宣明公正証書を作成してもらう手続きをおこなうことになります。


このように連帯保証人を設定する際の手続きが煩雑になったことから、投資用不動産を取得する際に連帯保証人を必要としない金融機関が増えたと考えられます。


現在は、連帯保証人を必要とする金融機関と不要とする金融機関が混在している状態ですが、今後は連帯保証人を不要とするケースが増えると考えられています。

なお、連帯保証人を不要にする代わりに審査を厳しくしたり金利を引き上げたりする金融機関も増えるのではないかとの予測もされているようです。


連帯保証人を立てるメリット

ここでは不動産投資用ローンを組む際に連帯保証人を立てることで得られるメリットについて紹介します。


低金利でローンを利用できる可能性がある

連帯保証人を立てたうえで、以下の2つの要件を満たすことで、低金利で不動産投資用ローンを利用できる場合があります。


  • 連帯保証人がローン申込者の配偶者又は子供であり、事業継承見込みがある
  • 連帯保証人の勤務先や年収、勤続年数などの属性が高い場合

収入がある配偶者を連帯保証人にした場合融資の審査に通りやすい

収入がある配偶者を連帯保証人に立てた場合、夫婦の収入が合算されて銀行の融資の審査がおこなわれます。そのためひとりだけの収入では不動産投資用ローンの審査に通りにくい場合でも、夫婦の合計収入であれば審査に通りやすくなります。


連帯保証人になれる人は?

責任重大な連帯保証人ですが、不動産投資ローンの場合、一般的にはローンを利用する本人の配偶者が連帯保証人になることが多いです。


不動産投資ローンの返済は、おもにそのローンで購入した収益物件から得られる家賃収入が返済原資となります。そのため、いずれアパート経営を引き継ぐ可能性の高い人が連帯保証人として求められます。

こうした観点から、相続人になりやすい配偶者が連帯保証人として求められるのです。


なお配偶者が無収入の専業主婦でも連帯保証人になることは可能です。

ローンを借りた人が死亡した場合でも配偶者を連帯保証人にしておくことで、相続放棄をした場合でも家賃収入からローンを回収することができるからです。


一方、独身者やすでに配偶者を亡くしている人の場合は、親や子供が連帯保証人の候補となります。ローンを借りた人が不動産投資をできなくなったとき、だれが引き継ぐのかという点を考えると納得できるでしょう。


なお、配偶者も子供も両親もいない、親戚にも頼れる人がいない場合は、友人などの他人であっても連帯保証人になってもらうことは可能です。しかし連帯保証人には非常に重大な責任と大きなリスクがともなうことを十分理解しておきましょう。


連帯保証人のリスクを下げるためにオーナーがやっておくこと

前述のように連帯保証人には非常に重大な責任とリスクがともないます。そのため配偶者や親族であっても不安に思うのは仕方がないでしょう。連帯保証人をだれに頼むのであれ、そのリスクの大きさをしっかり説明して理解してもらう必要があります。


そのような連帯保証人のリスクを軽減するためにも、できるだけ多くの自己資金を用意しておく必要があります。


不動産投資をはじめる際に頭金を多く入れることでローンの借入額を低くおさえることにつながります。また万一、ローンが返済できなくなった場合でも自己資金から不足額を補填することが可能です。

このように運用中の突発的な出費に備えて、ある程度の資金を手元に残しておくことをおすすめします。


また、収益物件の選び方も重要です。不動産投資ローンの返済原資は家賃収入なので、できるだけ空室リスクは少ない物件を選ぶ必要があります。賃貸需要が落ちない人気エリアにある駅から近い好立地物件を選びましょう。


連帯保証人いない場合の不動産投資ローンを組む方法

ローン 家 電卓

不動産投資をはじめたいが、不動産投資ローンの連帯保証人が見つからないといったケースもあるかもしれません。その場合は連帯保証人を立てずにローンを組むことになります。

ここでは、連帯保証人のいない場合の対処方法について解説します。


団体信用生命保険へ加入する

連帯保証人を立てずに不動産投資ローンを利用するには、「団体信用生命保険(団信)」に加入する方法があります。


団信とは、ローンの返済中に契約者が死亡したり、高度障害状態に陥ったりした場合に保険金によって残りのローンが弁済される保険です。

団信に加入すると、遺族は債務者が死亡したあとも完済した収益物件を所有することができ、そのまま家賃収入を得ることができます。ローン契約者の家族にとって、万が一の場合には安心して生活することができる保証となるでしょう。


一般的に団信の保険料はローンの金利に含まれているケースも多いです。金融機関によっては、融資条件のひとつとして団信用への加入を前提としているところや、団信への加入が選べるなどさまざまです。


団信について詳しくはこちら!>>不動産投資の保険を解説!生命保険代わりになる?火災保険や特約も!


団体信用生命保険のデメリット

団体信用生命保険に加入していれば、万一のときも家族に安心感を与えられるというメリットがある反面、以下のようなデメリットがあります。


  • ローンの金利に保険料が上乗せされる

団体信用生命保険の保険料は、毎月支払うのではなく金利に上乗せされます。不動産投資ローンの金利は利用する金融機関によって異なりますが、通常の金利に年0.1%~0.5%程度が上乗せされます。なお、保障が手厚いプランほど金利の上乗せ率が上がるので注意が必要です。


オリックス銀行の場合、団信のプランによって保険料として年0.1%~0.3%が金利に上乗せされます。参考:オリックス銀行『不動産投資ローン 団体信用生命保険


金利が上がると月々のローン返済額が増えるため、無理のないよう返済計画を立てたうえで利用しましょう。


  • 借入金の上限が設定される

不動産投資ローンの借入上限額は金融機関によって異なりますが、団信に加入することで借入れ上限額が低くなる場合があります。


スルガ便行の場合、通常の借入上限額は最高10億円までですが、団体信用生命保険付きの場合の借入上限額は最高4億円になります。

参考:スルガ銀行『投資用不動産ローン


自身が希望する借入額が上限を超えてしまうとローンを利用できなくなるため、どのような収益物件を建築(取得)するのか、しっかりと計画したうえで予算をオーバーしないよう注意しましょう。


  • 健康状態によっては加入できない

団信に加入の際には、健康状態に対する告知をする必要があります。告知した内容や健康状態、持病や病歴によっては、団信に加入できないこともあるため注意しましょう。

健康上の理由で団信への加入が危ぶまれる場合は、ローン返済に支障のない返済計画や建築プランも同時に検討しておく必要があります。



  • 相続税の節税につながらない場合がある

相続税は、被相続人(亡くなった人)が所有していた資産総額から負債総額を差し引いて算定されます。団信に加入していない場合、ローン残債は負債として資産総額から差し引かれます。


しかし、団信に加入しているとローンが完済されるため、負債として資産総額から差し引くことができなくなり、結果として相続税が高くなってしまう可能性があります。

団信への加入で相続税額にどの程度の影響があるのか試算をおこなったうえで、加入の検討をすることをおすすめします。


相続税対策について詳しくはこちら!>>不動産投資が相続税対策になる理由を解説!負動産にしないヒントも


法人を設立する

法人を設立して不動産投資をおこなうことで連帯保証人が不要になり、不動産投資ローンの利用が可能になります。法人を設立するうえで、自分自身を法人の代表=保証人とし、融資を受けるのです。


法人化のメリットは、不動産投資ローンを連帯保証人なしで利用できるほか、以下のようなメリットがあります。

  • 青色申告の場合、税務上の赤字(欠損金)を10年間繰り越せる
  • 減価償却をするかどうか選べる

法人化について詳しくはこちら!>>不動産投資で法人化するタイミングやメリットを解説!会社設立手順も


法人化のデメリット

法人化することで連帯保証人を立てる必要がなくなりますが、法人化する際は設立費用や維持費用が発生するのがデメリットになります。


【法人化するにあたって発生する費用】

  • 登録免許税
  • 実印、社印の作成費用
  • 司法書士などへの報酬
  • 法人税

このように法人化には手続きと同時に費用が必要です。株式会社で20~30万円程度、合同会社で10~15万円程度の費用がかかります。

加えて、従業員の社会保険料の負担や法人住民税などの費用が発生します。


連帯保証人を避けるためだけに安易に法人化してしまうと、想定したよりも多くの費用が必要になる場合もあるため注意しましょう。


連帯保証人と保証人の違いは?

印鑑 契約書 連帯保証人

連帯保証人とは別に、本人に代わって債務を保証する「保証人」という存在もあります。両者にはどんな違いがあるのでしょうか。

ここでは、連帯保証人と保証人の違いについて解説します。


保証人には、連帯保証人にはない権利が3つある

保証人には以下の「3つの権利」があります。

  • 催告の抗弁権
  • 検索の抗弁権
  • 分別の利益

いずれも連帯保証人には認められていない権利です。各詳細を見てみましょう。


催告の抗弁権

金融機関が不動産投資ローンの返済を保証人に対して返済を催促した場合、「まず、返済の義務のある債務者(ローンを借りた人)に返済を請求してほしい」と主張する権利です。


なお、連帯保証人の場合、金融機関から返済を求められた際は拒否することは一切できません。


検索の抗弁権

返済能力があるにもかかわらず債務者がローンの返済を拒んだことで金融機関が保証人に返済の請求がきた場合、保証人は本当に債務者に返済能力がないのかどうかを調べることができます。

調べた結果から債務者に弁済の資力があることを証明して請求を拒否できる権利です。


なお、債務者に返済能力がある場合でも、検索の抗弁権が認められていない連帯保証人は返済請求を拒否することができません。


分別の利益

分別の利益は、文字通り債務を分けて支払うことができる権利です。

たとえば保証人が3人いるにもかかわらず、600万円の債務全額の返済を求められた場合は、600万円÷3人=ひとりあたり200万円を返済することになります。


なお連帯保証人の場合、何人いようと請求された人が債務全額を返済しなければなりません。


連帯保証人の返済義務は非常に重い

以上のように3つの権利を持つ保証人と比べると、連帯保証人の返済義務がいかに重いかがわかります。連帯保証人は保証人と違い、債権者から請求があったら場合はいかなる場合でもローンの返済をする義務があります。


場合によっては債務者よりも重い責任を負うことになるケースもあるため、軽い気持ちで引き受けられるものではないことを覚えておきましょう。


まとめ

連帯保証人を立てない場合のローンについて解説してきました。

連帯保証人なしで不動産投資ローンを利用するには、団体信用生命保険に加入するか、不動産投資を法人化する、ふたつの方法がありますが、それぞれデメリットもあるため注意が必要です。


なお、令和2年(2020年)4月1日におこなわれた改正民法によって、連帯保証人を求めない金融機関が増えており、今後はさらに連帯保証人を不要とする金融機関が多くなるとみられています。


しかし、連帯保証人を求める金融機関はまだまだ多いです。不動産投資ローンは金額も大きいため、配偶者などに連帯保証人となってもらう際には、きちんと相手に説明し、納得してもらうことが重要です。


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