不動産投資でテナント(店舗・オフィス)物件を選ぶ際の注意点を解説!
2022/09/07

不動産投資でテナント(店舗・オフィス)物件を選ぶ際の注意点を解説!

「不動産投資」には、区分マンションや一棟アパートなどの居住用賃貸物件だけでなく、店舗やオフィスなどの「テナント」を対象としたビルなどの賃貸物件も含まれます。

住居用賃貸物件に比べてテナント物件は、高収益・高利回りとメリットがある一方で、注意すべき点もあるようです。


今回は店舗やオフィスを賃貸するテナント物件について、メリットやデメリット、選ぶ際の注意すべき点を解説します。

また、はじめてテナント物件を運用する人におすすめのマンションの1階部分などがテナントになった「住居併用タイプ」の物件もご紹介します。


テナント(店舗・オフィス)物件で不動産投資をおこなうメリット

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不動産投資にはさまざまな種類があり、そのうちのひとつが店舗や事務所などを賃貸する「テナント物件」です。テナント物件には住居用賃貸物件と比べて次のようなメリットがあります。


・高利回り・高収入が期待できる

・原状回復費用が不要

・保証金が多い


それぞれ詳しく解説します。


高利回り・高収益が期待できる

物件立地エリアにもよりますが、店舗やオフィスを賃貸するテナント物件は住居用賃貸物件に比べて床面積当たりの賃料単価が高く、高利回りが期待できます。そのため住居用賃貸物件よりも高額で賃料設定ができるので、より多くの収益が期待できます。


原状回復費用が不要

店舗やオフィスのテナント物件はスケルトン状態で貸し出して、内装や設備設置などは、入居した事業者が自己負担で工事をおこない、退去時に内装・設備を撤去してもとのスケルトン状態に戻すのが一般的です。

オーナーが物件の原状回復をおこなう必要がないため、コスト削減につながります。


保証金が多い

「保証金」はテナントや住宅の賃貸借契約を結んだ際に、滞納や損害賠償を担保するために支払われます。

住居用賃貸物件の「敷金」と同様の意味を持ちますが、一般的な住居用賃貸物件の敷金が賃料の1ヶ月~2ヶ月分なのに対して、テナント物件の保証金は賃料の3ヶ月~12ヶ月分と高額です。


しかもテナント物件の保証金は、契約によっては退去時に償却あつかいとなり、返還しなくてもよいケースがあります。そのため受け取った保証金をオーナーが運用することも可能です。


テナント(店舗・オフィス)物件の不動産投資をおこなうデメリット


高収入が期待できるテナント物件の不動産投資ですが、以下のようなデメリットもあります。


・空室リスクが高い

・運用のノウハウが必要

・物件価格が高額な場合が多い

・金融機関の融資審査がきびしい

・地震保険に加入できない


これらデメリットを把握したうえで、しっかりと対策をおこなうことでリスクを最小限におさえることにつながります。


空室リスクが高い

景気に左右されやすい店舗やオフィスのテナント物件は、住居用賃貸物件に比べて入居付けがむずかしく、空室リスクが高いのがデメリットです。住居用賃貸物件は景気が悪くなってもすぐに引っ越すことはありませんが、経営状況の悪化による店舗やオフィスの閉店・移転はめずらしくありません。


たとえ好立地物件であっても、不景気になると複数のテナントが退去してしまうこともありうることです。また空室になると次の入居が決まるまで空室期間が長期化しやすいのもテナント物件の特徴です。


少々家賃を下げても入居がつかない場合も多いため、店舗やオフィス用のテナント物件を選ぶ際は、住居用賃貸物件以上に賃貸需要や立地に注意する必要があります。


運用のノウハウが必要

店舗やオフィス用のテナント物件はターゲットにする業種や業態の幅が非常に多く、それぞれに求められる立地や建物の構造・設備などの条件が異なります。そのため、所有するテナント物件にあった借主に入居してもらうまで時間がかかることも少なくありません。


テナント物件を安定して運用するには、住居系賃貸物件とはまた違うノウハウが必要不可欠といえるでしょう。


物件価格が高額な場合が多い

店舗や事務所のテナント物件は、規模や立地によって物件価格が高額な場合も少なくありません。とくに人気エリアに位置し、駅からも近いビル一棟の物件は億単位の超高額となることもめずらしくないでしょう。


ただし、店舗やオフィスを区分やフロアで購入し、テナントとして賃貸できる物件もあります。また事業利用が認められている区分マンションもあるので、予算にあわせて検討するとよいでしょう。


金融機関の融資審査がきびしい

住居用賃貸物件に比べて、より事業性が高いテナント物件の融資審査はきびしい傾向があります。テナント物件の融資審査では、物件の担保性、オーナーの不動産投資実績や資金力はもちろん、入居するテナント側の経営状況なども詳しく調査がおこなわれるため、審査結果が出るまで時間もかかります。


また店舗やオフィス用のテナント物件は価格も高額なことも多いです。そのため、不動産投資初心者のサラリーマンがおこなうには運用面だけでなく融資の面でもハードルが高い物件と考えられるでしょう。


地震保険に加入できない

住居用賃貸物件とは異なり、店舗やオフィス用のテナント物件は、通常の地震保険には加入できません。


住居用賃貸物件以外の物件に地震保険をつけたい場合は、店舗総合保険などに加入したうえで「地震危険補償特約」をつける必要があります。その場合、補償内容や保険料は物件ごとに個別に審査され決定します。


不動産投資でテナント(店舗・オフィス)物件を選ぶ際のポイント

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不動産投資で店舗やオフィスをターゲットとしたテナント物件を選ぶ際には、テナント入居者が利益を得られることが最重要ポイントです。

そのためには、


・周辺の環境や駅からの距離

・建物と隣接する道路の広さ

・駐車場の有無

・それぞれのテナントの広さ


上記のような物件のさまざまな条件を組み合わせて、どのような業種に賃貸しやすいのか、賃貸した場合、入居したテナントがしっかりと利益を出せる環境であるか検討する必要があります。


また店舗やオフィス用の賃貸物件は、入居者が決まるまで時間がかかることも少なくありません。そのため、できるだけ多業種のニーズに対応できる物件を選ぶことも大事です。


なお、店舗やオフィス物件を賃貸経営する場合、建物の構造や設備によっては入居ができない業種や業態もあるため、あらかじめ確認しておきましょう。


テナント物件投資初心者には住居併用タイプ物件がおすすめ

高い収益性を期待できる一方で空室リスクや運用ノウハウが必要な店舗やオフィスの賃貸用テナント物件は、前述したように不動産投資初心者にとっては非常にハードルが高い物件といえるでしょう。


ある程度、住居用賃貸経営に慣れた人でテナント物件の不動産投資をはじめておこなう人には、マンションの一階部分などが店舗になっている「住居併用タイプ」の物件がおすすめです。


建物全体に対してテナント分の賃料収入の割合が低い住居併用タイプであれば、住居用部分で安定した賃貸収入を確保しながらテナントの高収益を得ることも期待できるでしょう。

また住居併用タイプの賃貸物件であれば通常の地震保険にも加入できます。


ただし、住居併用タイプの物件を運用する際は、テナント部分・住居部分それぞれの賃貸ニーズを考慮したうえで物件を選ぶ必要があります。

どのようなテナントが入居するかによって、マンション居住者にとってプラスにもマイナスにもなりうるため慎重な判断が必要です。


コンビニなどがテナントの場合は、時間を気にせずいつでも買い物ができる環境が入居希望者への大きなアピールポイントにつながります。

一方で、客の出入りで深夜の騒音が気になるようなテナントは、マンションの入居付けにマイナスになる場合もあります。


またマンションの入居者にとって、駅からの距離や周辺環境は居住するうえで重要なポイントです。一般的に駅から徒歩10分以上の賃貸住宅は不人気なため、駅から近い物件が入居付けに有利になります。


加えて、建物の構造にも留意しましょう。住居併用タイプ物件はテナントの入り口からマンション居住者の入り口が目につきにくいなど、居住者のプライバシーにも配慮が必要です。


住居併用タイプ物件の不動産投資を成功させるには、テナントとマンション居住者、双方にとってメリットのある物件をみつけることが重要です。


このように住居併用タイプ物件でテナントの運用に慣れたら、オフィスビルを入手して「ビルオーナー」を目指すことで、より大きな収益を狙うことも可能です。


ビルオーナーについて詳しくはこちら!>>不動産投資でビルオーナーになる方法!ビルの選び方や注意点を解説


まとめ

不動産投資のなかでも高い収益性を持つ店舗や事務所を賃貸する「テナント物件」ですが、一方で空室リスクが高く、運用のノウハウが必要なことから不動産投資初心者にはむずかしい投資物件といえるでしょう。


いずれにしても不動産投資で店舗やオフィスを賃貸するテナント物件を選ぶ際は、どのような業種を入居ターゲットにできるか、テナントが利益を得られるか、しっかり考慮したうえで物件を選ぶことが重要です。


なお、テナント物件であってもマンションの一階部分が店舗になっている「住居併用タイプ」であれば、ビル全体がテナントの物件と比べてリスクが低くなります。店舗やオフィスのテナント物件の不動産投資の最初の1歩として検討してみてはいかがでしょうか。

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岩崎 雅

2020年7月1日〜
当サイトのライターとしてコラム作成業務を開始
プロフィール
不動産ジャンルのライター歴は2年半以上。その間、100本以上のコラム構成・執筆を担当。不動産以外のジャンルも含めると500本以上の執筆経験あり。