はじめての資産計算|不動産投資に向けた基本のステップ
不動産投資に興味があっても、こんな疑問を持ったことはありませんか?
「自己資金っていくら必要なの?」
「自分の資産って、どこまでを数えたらいいの?」
「資産ってどうやって計算するの?」

投資を始める前に、自分がどれだけの「お金の力」を持っているかを知ることはとても大切です。
この記事では、不動産投資を始めるうえで役立つ資産の考え方や計算方法について、初心者にもわかりやすく解説していきます。


資産ってなに?まずは基本を知ろう

「資産」という言葉、なんとなく分かるようで、ちゃんと説明するのは難しいですよね。
簡単に言うと、「お金になるもの」「経済的な価値のあるもの」が資産です。
資産には2種類あります
① 金融資産
◆お金にすぐ変えられるものです。
- 現金
- 銀行口座の預金
- 株や投資信託(資産運用している場合)
- 保険の解約返戻金(解約すれば現金になるもの)
② 実物資産
◆形がある資産で、価値があるものです
- 持ち家や土地
- 車
- 貴金属(例:金のネックレスや純金など)
- 美術品など
一方で「負債」も考える必要があります
負債とは、今後支払わなければならないお金のことです。
- 住宅ローン
- 車のローン
- クレジットカードのリボ払い
- 奨学金
- 消費者金融からの借入 など
自分の「純資産」を計算してみよう

ここまでで、資産と負債の種類が分かりましたね。
では、自分がどれくらいの資産を持っているのかを計算してみましょう。
※基本の計算式はこちら:純資産 = 総資産(金融資産+実物資産)- 負債
例)ある人の資産と負債
- 現金と預金:300万円
- 投資信託:100万円
- 持ち家(時価評価):2,000万円
- 車:150万円
- 住宅ローンの残り:1,300万円
- クレジットカード残高:50万円
計算すると…
(300+100+2000+150)−(1300+50)= 1,200万円
この人の純資産は1,200万円です。
「家があるけどローンも残ってる」という場合でも、資産と負債の両方を見て、差し引きで評価するのがポイントです。
不動産投資に資産計算が必要な理由
不動産投資をするときには、最初にある程度の自己資金が必要になります。
また、金融機関から融資(ローン)を受けるときには、資産状況が重要な判断材料になります。
不動産投資の初期費用とは?
物件価格のすべてをローンでまかなうことはできません。
以下のような初期費用がかかります。
内容 |
目安 |
頭金 |
物件価格の10〜30%程度 |
諸費用 |
約5〜10% |
修繕費など |
万が一のための準備金 |
例:2,000万円の物件を購入する場合
- 頭金20% → 400万円
- 諸費用 → 約100万円
- 予備費 → 約50万円
合計:約550万円の自己資金が必要になることもあります。この自己資金を用意できるかどうかは、資産計算をしないとわかりません。
キャッシュフロー計算にも役立つ
資産を把握したら、投資後の「お金の流れ(キャッシュフロー)」も見ておくと安心です。
基本のキャッシュフロー式:年間家賃収入 −(ローン返済+固定費+税金)= 年間キャッシュフロー
例
- 家賃収入:年間120万円(月10万円)
- ローン返済:年間84万円(月7万円)
- 固定資産税など:年間10万円→
キャッシュフロー:120万円 −(84万円+10万円)= 26万円の黒字
このように、資産がしっかりしていてローン返済に無理がなければ、安定した収益が期待できます。
資産計算のコツと注意点
資産計算はシンプルですが、注意すべき点もいくつかあります。
時価で評価することが大切
不動産や車などは、購入時の価格ではなく、今の市場価格(時価)で考えましょう。
5年前に3,000万円で買った家が、今は2,200万円の価値しかない、ということも珍しくありません。
「すぐに使えるか」も意識する
資産の中でも、現金や預金のように**すぐに使えるお金(流動性が高い)**はとても重要です。
土地や美術品など、売るまでに時間がかかる資産ばかりだと、いざというときに困る可能性があります。
負債は「見落としがち」なので要注意
借金や分割払い、リボ払いなどは、うっかり計算から抜けがちです。
家計簿アプリや通帳、ローン明細などを使ってしっかり確認しましょう。
資産を知ることが第一歩
不動産投資を始める前には、まず「今の自分の資産がどれだけあるか」を知ることがとても大切です。
- 自分の純資産を知れば、どれくらいの物件に手が届くかが見えてきます
- 融資を受ける際の信用力にもつながります
- キャッシュフローの予測にも役立ちます
「投資は難しそう…」と思うかもしれませんが、資産計算は誰でもできる“初めの一歩です。
エクセルやメモ帳に「持っているもの」と「借りているお金」を書き出すだけでもOK。
まずは一度、自分の資産を見える化してみましょう。