不動産投資で業務委託できる管理内容を解説!メリットと注意点も
2023/12/04

不動産投資で業務委託できる管理内容を解説!メリットと注意点も

不動産投資で業務委託できる不動産管理会社とは収益物件の管理のみをおこなう「管理料徴収方式」収益物件の売買と管理をおこなう「ワンストップサービス」不動産管理会社へ一括で貸し付ける「サブリース方式」不動産投資で収益物件を業務委託するメリットオーナーの管理業務の負担が軽減する物件管理の専門家の意見が聞ける入居者満足度の向上する遠方の不動産を検討できる不動産投資の管理で業務委託できる内容入居者管理建物管理不動産投資で業務委託を依頼する際の注意点管理を業務委託するには管理手数料が必要公務員は管理全般を業務委託する必要があるまとめ

不動産投資で成功するためには適切な物件管理が欠かせません。しかし不動産投資の管理業務は多岐にわたります。そのため賃貸経営未経験者やサラリーマン大家さんのように本業を持っている人には、物件管理が負担になることが考えられます。

しかし、それらの物件管理全般を不動産管理会社に業務委託することでオーナー様の管理負担を大幅に軽減できます。また不動産投資未経験者の人にとっては管理会社から多くを学ぶこともできるでしょう


今回は、不動産投資で業務委託できる物件管理の種類の紹介と、業務委託をするメリットや注意点を解説します。


不動産投資で業務委託できる不動産管理会社とは

アパート 管理 ビジネスマン



不動産投資は収益物件を購入して終わりではありません。空室が発生すれば入居者の募集をおこなったり、入居者から家賃を集金したり、クレーム処理など入居者管理をしなくてはなりません。


また建物についても、日々の清掃やメンテナンス、退去後のクリーニングなどの管理が欠かせません。


これら不動産投資に関わる業務をオーナー自身でおこなうことは可能ですが、時間と手間がかかります。とくにサラリーマン大家さんのように本業を持っている場合は、本業と物件管理業務を両立させるのは容易ではありません。


こういった不動産投資に関わる業務の負担を減らすために検討したいのが「不動産管理会社」です。不動産管理会社に入居者管理や建物管理を業務委託することで、オーナーの負担を大幅に軽減してくれます。


なお不動産管理会社には、収益物件の管理のみを取り扱う「管理料徴収方式」と、収益物件の売買と管理の両方をおこなう「ワンストップサービス」があります。

また、オーナーが所有する収益物件を不動産管理会社へ一括で貸し付け、毎月一定額の賃料を受け取る「サブリース(転貸)方式」も不動産管理形態のひとつです。


それぞれの特徴をみてみましょう。


収益物件の管理のみをおこなう「管理料徴収方式」

不動産管理会社に管理委託料を支払い、収益物件の管理のみを業務委託する方法です。


管理業務の委託範囲は不動産管理会社ごとに異なります。また管理会社によって管理の質に差があります。

そのため管理料徴収方式の管理会社を選ぶ際は、複数の不動産管理会社から見積もりをとったうえで比較検討することをおすすめします。


不動産管理会社の選び方はこちら!>>不動産投資を成功させる不動産管理会社の選び方!管理業務内容を解説


収益物件の売買と管理をおこなう「ワンストップサービス」

物件の開発から販売、管理、売却までのプロセスをひとつの不動産会社が窓口となって対応するのが「ワンストップサービス」です。


物件購入の後の管理も同じ不動産会社がおこなってくれるため、あらためて管理会社を探す手間や時間がかかりません。また管理だけでなく、提携する金融機関を紹介してくれたり、売却時の相談に乗ってくれたり、不動産投資全般のサポートをおこなってくれます。


ただしワンストップサービスは、扱っている物件がある程度かぎられてしまいます。そのため候補となる物件の範囲が狭まる可能性があります。


不動産管理会社へ一括で貸し付ける「サブリース方式」

サブリースとは、不動産管理会社(サブリース会社)が収益物件のオーナーから物件を一括で借り上げし、それを入居者に転貸(又貸し)をする収益物件の管理形態です。


入居者と交わす契約や管理全般を管理会社がおこなったうえで、一括借り上げした物件の賃料として毎月一定額を空室の有無にかかわらずオーナーに支払います。

そのためオーナーは、管理業務だけでなく、空室リスクや滞納リスクを心配する必要がありません。


ただしサブリースで支払われる賃料は、通常の賃料90%~80%程度が一般的です。また賃料は定期的に見直されるため、入居率が下がると支払われる賃料が減少するリスクがあるため注意が必要です。


サブリースのメリットとリスクについて詳しくはこちら!>>不動産投資のサブリース契約にメリットはある!契約前にリスクを把握


不動産投資で収益物件を業務委託するメリット

メリット黄色のアンダーライン 鉛筆

ここでは不動産管理会社に収益物件の管理を業務委託するメリットについて解説します。


オーナーの管理業務の負担が軽減する

不動産投資で収益物件の管理業務は多岐にわたります。そのため、物件オーナーが自主管理をするためには時間と手間と労力がかかります。

とくに本業が忙しいサラリーマン大家さんは、入居者からのクレームなどの24時間365日、即時対応することは、ほぼ不可能でしょう。


不動産管理会社に業務委託することで、クレーム対応を含めた業務全般を管理会社がおこなってくれるため、オーナーの負担が大幅に軽減します。その結果、本業に集中しながら安定した収入が期待できるでしょう。


なお、業務委託できる範囲は、不動産管理会社や料金プランなどによって異なります。業務委託したい範囲や予算などを考慮したうえで最良な管理会社を選びましょう。


物件管理の専門家の意見が聞ける

不動産管理会社は豊富な経験に基づく物件管理のノウハウや、法律などの専門的な知識を数多く持つ専門家です。そのノウハウを管理に生かしてくれるだけでなく、賃貸経営に関するさまざまな問題について相談できるのもメリットです。


たとえば、状況に応じた空室対策の提案や、収益の安定化でランニングコストの見直しなど、適切なアドバイスを受けることができます。


入居者満足度の向上する

管理会社に業務委託することで、入居者トラブルやクレームに素早く対処できるため、入居者の満足度が上がります。


物件の入居率を維持するために入居者の満足度の維持は非常に重要です。とくにクレームは、対応の遅れや対処方法を間違えると退去につながる可能性もあるため注意が必要です。


自主管理では24時間365日入居者からのクレームを受け付けることはむずかしいでしょう。しかし管理会社に業務委託しておけば、クレーム対応に迅速に取り組んでもらえるので問題の早期解決が期待できます。


遠方の不動産を検討できる

自主管理の場合、運用できる不動産は自宅から通える範囲内にかぎられるため、優良物件を購入できるチャンスが狭まってしまいます。

しかし管理を業務委託するのであれば、収益物件の所在地に関係なく物件を検討・購入できるため投資できる物件の幅が大きく広がります。


不動産投資の管理で業務委託できる内容

賃貸借契約書 印鑑 朱肉

不動産投資の管理を業務委託する際は、どのような業務をおこなっているのか事前に確認しておき、どの業務を委託するか検討しましょう。

委託できる業務は「入居者管理」と「建物管理」のふたつに分かれます。それぞれ詳しく解説します。


入居者管理

入居者管理には以下の業務があります。


入居者募集・内見案内

入居者募集をおこない、物件の問い合わせの対応や内見希望者の案内をおこないます。


空室のあいだは家賃が得られず収入が減ってしまうため、1日でも早く入居者を見つけて収益の安定化を図る必要があります。業務委託することで、退去連絡直後に入居者募集業務をおこなってくれるため時間のロスが防げます。


入居者募集の方法はいろいろな種類がありますが、昨今では物件探しに賃貸ポータルサイトを利用する傾向が強いです。そのため業務委託を依頼する際は、賃貸ポータルサイトへ物件情報を掲載してる管理会社を選びましょう。


また物件の問い合わせがあれば対応をおこなったり、内見案内をしたり、入居申し込み者の入居審査もおこないます。


なお入居者募集は、業務委託をした管理会社以外の仲介会社を含めて複数の会社に依頼することも可能です。


契約に関する手続き全般(新規賃貸借契約締結・更新・解約)

新規の賃貸借契約手続きのほか、既存の入居者が契約を更新する際の手続き、退去する際の解約手続きをおこないます。


〇新規入居時のおもな業務

・重要事項説明書や賃貸借契約書の作成

・重要事項説明、賃貸借契約の締結

・入居時の鍵の引き渡し


〇契約更新時のおもな業務

・契約期間終了の通知の発送

・更新手続き


〇退去時のおもな業務

・解約手続き(家賃の日割り計算、後日の敷金返還など)

・退去時の立ち合い

・鍵の回収

・原状回復工事の手配(室内クリーニングや壁紙の貼り替えなど)


家賃集金代行・家賃滞納者への督促連絡

家賃の集金代行や家賃滞納者への督促連絡をおこないます。

昨今では家賃を現金で集金するケースは少なくなり、銀行振り込みなどがほとんどです。そのため、管理会社は入居者が期日までに家賃を振り込んでいるか確認をおこないます。


その際、期日までの家賃の支払いがない入居者に対しての督促連絡も管理会社がおこないます。ただし、不動産管理会社が家賃滞納者に督促連絡をしても家賃の支払いがない場合は、オーナー自身でおこなうか弁護士への相談が必要です。

不動産管理会社が滞納家賃を回収してしまうと弁護士法に違反してしまう可能性があるため注意が必要です。


なお、入居者が家賃保証会社と契約している場合は、管理会社から家賃保証会社に連絡をしてもらいましょう。家賃保証会社が滞納した入居者に代わって家賃を立て替え、オーナーに支払います。また督促も家賃保証会社がおこなってくれます。


家賃滞納について詳しくはこちら!>>家賃滞納者を強制退去させるための流れや費用、未然に防ぐ方法を解説


トラブル・クレーム対応

いつ発生するか予測できないトラブルやクレームなども、管理貸家に業務委託することで迅速で適切な対応が期待できます。

騒音や水漏れなど、さまざまなケースが考えられますが、対応に遅れが生じたり、入居者にとって不満足な結果に終わったりすると退去につながる可能性もあります。


建物管理

建物管理には以下の業務があります。


清掃

物件建物の共用部(エントランス、廊下、階段、ゴミ置き場、駐輪場、駐車場など)の清掃も業務委託できます。

共用部に清潔感がないと入居者の満足度が下がりやすくなります。また内見時の入居希望者の印象も悪くなり、選ばれにくくなるおそれがあります。


管理会社に業務委託することで、専用のクリーニング機器を使うなど高品質なサービスを受けられるため入居者の満足度の向上が期待できます。


法定点検・定期点検

アパートやマンションなどの賃貸物件を経営している場合、建物や設備の法定点検を実施する必要があります。

法定点検を怠ると事故につながり入居者の安全にも関わります。また万が一、法定点検を怠った結果事故が起きた場合はオーナーが責任をとらなければなりません。


しかし、法定点検にはさまざまな種類があり、建物の種類によって点検する項目が異なります。なかには入居者の立合いが必要な点検もあります。


管理会社に業務委託することで、業者への手配や入居者への周知連絡といった必要な手配や手続きなどをすべておこなってくれるため、点検の漏れなどを防ぐことにつながります。



大規模修繕の計画と手配・実行

アパートやマンションなどの一棟物件を所有している場合は、外壁や鉄部の塗装、屋上防水、給排水管の取り換えなど、定期的な「大規模修繕」が必要になります。管理を業務委託する場合は、この大規模修繕の計画と実行を代行してもらえます。


大規模修繕は、建物の劣化を防ぎ、資産価値を維持するために10年~15年周期でおこなわれ、高額な費用が必要です。そのため、大規模修繕計画を立てたうえで大規模修繕費用の積立てをおこなわねばなりません。


自主管理の場合はオーナー自身で工事計画や費用の積立をおこないますが、管理を業務委託している場合は、管理会社から工事のスケジュールや内容に関しての提案をしてもらえるため手間がかかりません。


リフォーム・リノベーション

建物や室内の状況に合わせてリフォームが必要になったときも、業務委託していれば管理会社に工事の手配をおこなってもらえます。また築古物件などで空室が目立つ人気のない間取りのリノベーションなどの相談にのってくれるでしょう。


不動産投資で業務委託を依頼する際の注意点

マイソク 間取り図 1万円札

オーナーの負担を軽減できる不動産管理会社ですが、以下の点に注意しましょう。


管理を業務委託するには管理手数料が必要

不動産管理会社に収益物件の管理を業務委託する場合、管理手数料(管理委託料)が発生します。管理手数料は管理会社によって異なりますが、月額家賃の5%~8%程度が目安です。


なかには管理手数料が月額家賃の3%という管理会社もありますが、極端に管理手数料が低い場合は基本の業務内容の項目が少なかったり、必要な管理業務が別料金になっていたりすることもあるため注意が必要です。


そのため業務委託を依頼する不動産管理会社を選ぶ際は、必要な業務がプランに入っているかどうか、契約内容をしっかりと確認しましょう。


なお、不動産管理会社に支払った管理手数料は経費として計上できます。確定申告時には忘れずに計上して、節税効果を高めましょう。


公務員は管理全般を業務委託する必要がある

公務員は基本的に副業ができませんが、不動産投資は許可を取ったうえでおこなうことが可能です。ただし、本業に専念できるよう「物件の管理すべて管理会社に業務委託すること」が必須となっているため注意しましょう。


公務員の不動産投資について詳しくはこちら!>>公務員が不動産投資で副収入を得る方法!メリットや注意点を解説


まとめ

不動産投資をおこなううえで適切な物件管理は欠かせません。しかし賃貸経営の管理業務は多岐にわたるため、オーナー様の負担を軽減するためにも、不動産管理会社に業務委託することをおすすめします。


ただし、管理会社に業務委託する場合は、家賃収入の5%~8%程度の管理手数料が必要です。管理手数料は、管理会社やプランによって異なるため、手数料額と委託できる業務内容をよく吟味したうえで依頼しましょう。

一覧に戻る