不動産投資の利益の種類!インカムゲインとキャピタルゲインを解説
2021/12/08

不動産投資の利益の種類!インカムゲインとキャピタルゲインを解説

不動産投資で利益を得る種類は?インカムゲインとキャピタルゲインの違いを解説不動産投資のインカムゲインとは?メリットとデメリット不動産投資のキャピタルゲインについて!注意ポイントは?不動産投資はインカムゲインとキャピタルゲインのバランスが重要投資の種類別にインカムゲインとキャピタルゲインの内容を解説株式投資FX(外国為替証拠金取引)投資信託暗号資産(仮想通過)預金まとめ

不動産投資で得られる利益には、「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」の2種類がありますが、それぞれ利益を得る方法が異なります。

キャピタルゲインは、保有する資産を売却して得る利益、インカムゲインは保有する資産を運用して得る利益です。


これを不動産投資に当てはめるとインカムゲインは「家賃収入」に該当し、キャピタルゲインは「不動産の売却で得た利益」を指します。


今回は、不動産投資におけるインカムゲインとキャピタルゲインについて、メリットやデメリット、注意ポイントを詳しく解説します。

また不動産投資以外の資産運用方法について、それぞれの利益の内容を紹介するので、資産運用をお考えの人は、ぜひ参考にしてください。


不動産投資で利益を得る種類は?インカムゲインとキャピタルゲインの違いを解説


不動産投資で得られる利益には、資産を保有し運用することで得られる「インカムゲイン」と所有する不動産物件を譲渡することで得られる「キャピタルゲイン」の2種類があります。

ここでは、インカムゲインとキャピタルゲインの特徴やメリット・デメリット、注意ポイントを解説します。


不動産投資のインカムゲインとは?メリットとデメリット

投資の世界においてのインカムゲインは「運用益」という意味で、保有する資産を運用することで受け取ることのできる現金収入を指します。


不動産投資の場合、おもなインカムゲインは所有する不動産物件を第三者に賃貸することで得られる「家賃収入」です。

なお家賃収入以外にも、共益費や更新料、礼金などもインカムゲインにあたります。


短期間で大きな収益を得ることはむずかしいですが、長期間に渡って安定して家賃収入を得られるのが不動産投資におけるインカムゲインの特徴です。


不動産投資におけるインカムゲインのメリット

インカムゲインのメリットは、資産を上手に運用することで安定した利益を長期に渡って得られることです。


不動産投資では、入居者がいるかぎり毎月決まった額の家賃収入を得ることができますし、家賃額が急激に下がる心配もないため、10年20年、それ以上という長期間に渡って安定した収入を得ることも可能です。


また、アポ―トなどの一棟物件を所有すれば、毎月まとまった収入を得ることもできるので、失業や病気で本業の収入が途絶えた場合や老後の収入を確保できるのもメリットになります。


不動産投資におけるインカムゲインのデメリット

一方で、入居者がいない「空室」になると家賃収入を得られないのが、不動産投資のインカムゲイン最大のデメリットです。

空室を埋めるために家賃を下げて入居募集をおこなう場合は、毎月の家賃収入が減ってしまうことも念頭に置く必要があります。


なお、不動産投資でインカムゲインを得るためには不動産を保有し続けなければならず、さまざまなランニングコストが発生します。

老朽化する物件の資産価値を維持するための定期的なメンテナンス費用や大規模修繕費として毎月の積立などが必要です。

また、固定資産税や都市計画税などの税金を毎年支払わなくてはなりません。


不動産投資のインカムゲインを得るための注意ポイントは?

不動産投資で毎月安定した家賃収入を得るためには、賃貸需要の高い人気エリアで駅から近い、周辺環境がよいなど好立地の不動産物件を選ぶことが重要です。


また、空室対策を意識し、入居付けに強い不動産管理会社に入居者募集の委託をしたり、入居者に選ばれやすい設備の導入やリフォームなどをおこなったりすることで空室リスクを下げることが可能となるでしょう。

なお、こういった空室対策には費用が発生することも多いため、いざというときのために自己資金をしっかりプールしておくことが大事です。


不動産投資のキャピタルゲインについて!注意ポイントは?

保有する資産を譲渡することで得られる売却益を「キャピタルゲイン」と言います。


不動産投資においては、所有する不動産を購入価格よりも値上がりした時点で売却することで得られる利益がキャピタルゲインとなります。

特に高額な不動産は、売却することで多額の現金を得られるのがメリットです。


不動産投資でキャピタルゲインを得るための注意ポイント

投資でキャピタルゲインを得るには、値上がりが期待できる資産を選ぶ必要があるため、経済の動きや金融商品(不動産)の知識が必要不可欠です。

それでも期待通りに価格が値上がりせず、売却損になることも十分考えられます。


不動産投資もほかの投資同様、キャピタルゲインを目的に不動産を購入する場合は、取得した不動産物件の値上がりを前提として不動産物件を購入する必要があります。

しかし、将来的に地価が上昇することを予測したうえで不動産物件を選ぶことは不動産のプロでもむずかしいため、不動産投資初心者にはおすすめできません。


また不動産物件の売却には、以下のような費用や税金がかかります。

・仲介手数料(不動産仲介会社を介して売却した場合)

・印紙税(紙媒体で売買契約を締結した場合)

・抵当権抹消登記の費用(ローン残債がある場合)

・譲渡所得税


ここで注意したいのが、譲渡益が出た場合に課せられる「譲渡所得税」についてです。

譲渡所得税は分離課税となり、不動産所得や給与所得とは別に計算されます。

また、不動産物件を保有していた期間によって課せられる税率が大きく異なります。


・短期所有(売却する年の1月1日時点で5年未満)していた場合:税率39.63%(所得税+住民税)

・長期所有(売却する年の1月1日時点で5年以上)していた場合:税率20.315%(所得税+住民税)


短期所有の状態で不動産の売却をおこなうと高額の譲渡所得税を支払うことになるため、キャピタルゲイン目的で不動産を購入する場合は売却するタイミングを見計らうことも重要なポイントになります。


不動産投資はインカムゲインとキャピタルゲインのバランスが重要

天秤 空 クエスチョンマーク

前述のように不動産投資で得られる2種類の利益は、それぞれ性質が異なり、またメリットやデメリットもそれぞれ違います。


不動産投資でインカムゲインにあたる家賃収入は、長期間に渡って安定した利益を得られますが、一度に大きな利益を得ることはむずかしいです。

また、キャピタルゲインだけを狙うには土地の選定や今後の値上がり予測が必要なため、不動産投資初心にとって非常に難易度が高くなります。


そのため、どちらかだけを選ぶのではなく、インカムゲイン(家賃収入)とキャピタルゲイン(売却益)両方をバランスよく狙うことが不動産投資の成功につながります。


理想は、安定した家賃収入を長期間に渡って得られ、かつ資産価値が落ちにくい不動産物件を選ぶことですが、不動産投資でなにを目的にしているかを理解したうえで、その目的に合った不動産を選ぶとよいでしょう。


投資の種類別にインカムゲインとキャピタルゲインの内容を解説


ガラスの地球儀 グラフ 札束

資産運用のための投資方法は、不動産投資以外にたくさんの種類があります。

また、それぞれの利益を得る方法もさまざまです。

ここでは、投資の種類とそれぞれのインカムゲインとキャピタルゲインの内容についてまとめました。


株式投資

株式投資の収益の種類は、株価が値上がりした時点で保有株を売却して得られるキャピタルゲインと、企業の利益を株主が保有する株数に応じて還元する「配当金」として得られるインカムゲインがあります。


株式投資のキャピタルゲインは、企業の業績や世界経済に大きく影響されることも少なくありません。

企業が急成長した場合は購入時の株式価格の何倍にもなることもあり、売却することで大きな利益を得ることも珍しくありません。


その反面、株価が大きく値下がりした場合は大きなキャピタルロスを出してしまう危険性もあるため注意が必要です。


株式投資のインカムゲインは、保有する株数に応じて支払われる配当金がメインになります。

そのほか「株主優待」として、さまざまな商品や金券・割引券もインカムゲインになり、最近では株主優待目当てで株式の種類を選ぶ人も増えています。


FX(外国為替証拠金取引)

FXにおけるキャピタルゲインとは、日本円やアメリカドルなど異なった通貨の為替レートが上がるか下がるかを予想して、価格変動による為替差益によって得られる「売却益」を指します。


FX最大の特徴は、証拠金を担保としてレバレッジをかけて取引できることです。

しかし、為替市場の価格変動性が高いため、短期間で大きな利益を得られることもありますが、逆に短期間で大きな損失が出る可能性もあるため注意が必要です。


FXにおけるインカムゲインは、低金利の通貨を売り、高金利の通貨を買うことで生じる金利差によって得られる「スワップポイント」になります。

たとえば、日本円75円のときに豪ドルを1万ドル買った場合の金利差が2.15%だった場合、1日あたり約44円のスワップポイントが得られ、これを1年保有すると約16,000円の利益が得られます。


ただし、金利は毎日変動するため、逆にその差額を支払わなければならなくなるケースもあるため注意しましょう。


投資信託

投資信託とは、投資家から集めたお金を投資信託運用会社が株式や債権などに投資・運用することで得た利益を、投資額に応じて投資家に分配・償還する金融商品です。

運用益を分配する形からインカムゲイン中心の投資方法になりますが、保有途中で売却する場合は、売却益を得るケースもあります。


少額から投資できるメリットはありますが、投資家が投資先を選ぶことはできませんし、また、元本は保証されていないため投資額がマイナスになる場合もあります。


暗号資産(仮想通過)

インターネット上でやりとりできる財産的価値のある仮想通貨を「暗号資産」を呼びます。

一時期話題になったビットコインなどが該当します。


暗号資産は、不特定多数の所有者間で商品代金やサービスの支払いに使用できるほか、法定通貨(日本円や米国ドル等)と相互に交換が可能です。


暗号資産(仮想通貨)に関するキャピタルゲインは、通常の株式投資や為替取引のように、安いときに購入し、値上がりした時点で売却することで利益を得ます。


以前は暗号資産の利益はキャピタルゲインのみでインカムゲインにあたる利益を得る方法はありませんでした。

しかし、2020年1月に世界初の試みとして登場した「ステーキング」によって、暗号資産でもインカムゲインで利益が得られるようになりました。


ステーキングは、所有する暗号資産を売却せずに持ち続けることで報酬を受け取れるシステムで、銀行などの預貯金に似ています。

仮想通貨を保有しているだけで資産が増えるので、ローリスクの投資方法として注目されています。


預金

普通預金や定期預金も資産運用方法のひとつであり、預金額に応じて受け取れる「利息」がインカムゲインにあたります。

ただし、低金利の現在(2021年11月)では、まとまった額の預貯金があっても、大きなインカムゲインは期待できないのが現状です。

また、預貯金にキャピタルゲインに該当する利益はありません。


まとめ

不動産投資で利益を得る方法として、家賃収入を意味するインカムゲインと売却益を狙うキャピタルゲインの2種類について解説しました。


インカムゲインは安定した利益を長期間に渡って得られるメリットがある一方で、家賃収入を得るため空室リスク対策や運用時のランニングコストが必要不可欠です。


対してキャピタルゲインは、保有する不動産を売却することで大きな利益を期待できますが、土地価格が下落した場合はキャピタルロスになってしまう恐れがあるため、不動産物件選びがむずかしくなります。


不動産投資を成功させるためにも、インカムゲインとキャピタルゲインのバランスを考えたうえで、自分の目的に合わせて投資方法を選んでいきましょう。

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